
正逆両方向に回転可能な流体動圧軸受を開発2025年2月18日
- 組み付け時の回転方向の確認が不要となり、お客さまの製造コストを削減
- 起動直後から高い静粛性や低振動性、低トルク性を発揮!
NTN株式会社(以下、NTN)は、新たに正逆両方向に回転可能な流体動圧軸受を開発しました。従来の流体動圧軸受に必要とされていた組み付け時の回転方向の確認が不要となるほか、動圧溝がない焼結含油軸受(以下、溝なし軸受)と比べて静粛性や低振動性、低トルク性に優れており、小型モーターやアクチュエーターの静粛性や省エネルギー性の向上、さらにはお客さまの製造コスト削減に貢献します。
開発の背景
家電製品や車載電子機器などに使用される小型モーターやアクチュエーターには、組み付け時に回転方向を選ばない溝なし軸受や転がり軸受が主に使用されます。
近年、カーボンニュートラル実現に向けて、静粛性や低振動性、低トルク性に優れた流体動圧軸受の適用が拡大していますが、従来の流体動圧軸受は一方向のみにしか回転できないため、組み付け方向の確認が必要となり、お客さまの製造コストが増加する要因となっていました。
今回、軸受内径部の表面テクスチャリング*1を最適化することにより正逆両方向に回転可能な流体動圧軸受を開発し、当社の焼結含油軸受のラインアップに加えました。組み付け時の回転方向の確認が不要となりお客さまの製造コストが削減できるほか、従来の溝なし軸受よりも静粛性や低振動性、低トルク性に優れた軸受の提供が可能となりました。
- 軸受のしゅう動面に加工する凹凸。軸受回転時に動圧を発生させる役割を持つ。
開発品
開発品の特長
| 1. 正逆両方向に回転可能 |
表面テクスチャリングの形状や深さなどをシミュレーション解析で最適化を図りました。表面テクスチャリングに対称性を持たせることで、正逆両方向の回転時に動圧を発生させることが可能となりました。 軸受の組み付け方向の確認工程が不要となり、お客さまの製造コスト削減に貢献します。 |
|---|---|
| 2. 静粛性・低振動性 | 表面テクスチャリングの最適化により、回転直後より動圧を発生させ、油膜形成率100%を実現しています。一般的な溝なし軸受が、軸と接触しやすくなる起動時においても、回転直後から非接触となるため、起動時から高い静粛性と低振動性を実現しています。 |
| 3. 低トルク性 | 最適化した表面テクスチャリングにより、回転直後から油膜が形成されてトルクが低下し、通常回転時においても、一般的な溝なし軸受と比べて10%のトルク低減を実現しています。 |
NTNは本開発品を含め、お客さまの多種多様なニーズにお応えする焼結含油軸受をグローバルに提案・販売し、家電製品や車載電子機器などのさらなる静粛性や省エネルギー性の向上に貢献してまいります。
用途
家電・車載向けモーター、車載電装補機アクチュエーター、冷却ファンモーター
焼結含油軸受について
軸受にはボールやころなどの転動体を用いる転がり軸受と、転動体を使用せずすべり面で軸の回転を受けるすべり軸受があります。NTNは、すべり軸受として樹脂材料を使用した樹脂軸受と、金属を主成分とする多孔質焼結体に潤滑用の油を含ませた焼結含油軸受「ベアファイト」シリーズを取り扱っています。
焼結含油軸受には軸受と軸が直接接触するもの(溝なし軸受)と、軸受内径部に表面テクスチャリングを設けることで、動圧を発生させて軸受すきま全周に油膜を形成し、軸受と軸が直接接触しない流体動圧軸受があります。
NTNは流体動圧軸受としては内径部に動圧溝を設けた「動圧ベアファイト*2」を取り扱っており、特に静粛性などを重視するPCなどのモバイル機器向けファンモーターで多数採用いただいています。
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2023年6月23日プレスリリース:「動圧ベアファイト」の販売を拡大
https://www.ntn.co.jp/japan/news/new_products/news202300053.html
2023年10月16日プレスリリース:世界最小サイズの流体動圧軸受「動圧ベアファイト」を開発
https://www.ntn.co.jp/japan/news/new_products/news202300074.html
軸受の分類
流体動圧軸受(左)と一般的な溝なし軸受(右)の油膜と油の動き
NTNの焼結含油軸受の比較
| メリット | 溝なし軸受 ベアファイト |
流体動圧軸受 | |
|---|---|---|---|
| 動圧ベアファイト | 開発品 | ||
| コスト*3 | ○ | △ | ○ |
| 静粛性 | △ | ◎ | ○ |
| 低トルク性 | △ | ○ | ○ |
- お客さまの軸受組み付け時の製造コスト

