「卓上型高速微細塗布装置」を開発2015年5月12日
ピコリットルの微細な液滴を0.1秒の高速で高精度に塗布
NTN株式会社(以下、NTN)は、針の先端に付着させた数pl(ピコリットル)*1の微細な液滴を、1回あたり0.1秒で高精度に塗布できる「卓上型高速微細塗布装置」を開発しました。
NTNは、数pl程度の極微量な液滴を、1µm*2の位置精度で、直径1/10mm~1/100mmの点状に塗布可能な「卓上型微細塗布装置*3」(以下、従来品)を2010年から販売し、電子部品の実装分野やバイオ分野への展開を進めています。従来品は、1回あたりの塗布に約2.4秒の時間が必要でしたが、今回開発した「卓上型高速微細塗布装置」は、針駆動構造を改良し、1回の塗布時間を0.1秒に短縮したことで、大量の塗布が必要とされる量産ラインに適用可能で、お客さまの生産性向上に貢献します。
本開発品は、製造ラインでの利便性を考慮し、パソコン画面上のマウス操作により微細塗布条件の設定や調整が可能です。また塗布液容器と塗布針を複数搭載*4することで、用途に応じた複数の液体を選択しながら、連続的に塗布することも可能です。さらに設置サイズがノートパソコンと同程度の300mm四方とコンパクトであり、AC100V電源につなぐだけで動作し、既存の製造ラインにも導入しやすい仕様となっています。
NTNは、本開発品を5月13日~15日に東京ビッグサイトで開催される「第14回国際バイオテクノロジー展 BIO tech 2015」に出展します。今後、電子部品の実装分野やバイオ分野などの量産ラインで、微細かつ高速塗布を検討されているお客さまに本装置を提案し、微細塗布装置の販売を拡大してまいります。
*1) | pl(ピコリットル):1兆分の1リットル |
*2) | µm(マイクロメートル):1000分の1mm |
*3) | 2010年プレスリリース |
https://www.ntn.co.jp/japan/news/new_products/news201000044.html | |
微細な液滴の塗布ではディスペンサ(液体定量吐出装置)がよく知られていますが、数plの微細な塗布は困難で、ノズルが詰まる問題がありました。NTNの微細塗布装置は、塗布針の外周に液滴を付着させて塗布することでこれらの問題を解決しています。 | |
*4) | 複数搭載により装置サイズは大きくなります。 |
特長
(1) 高精度、高速塗布 |
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(2) 量産ラインでも使いやすい機能 (従来品の使い勝手を継承) |
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(3) 製造ラインに導入しやすい仕様 |
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対象用途
電子部品の実装、パッケージング | 接着剤や導電性ペーストの塗布 |
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バイオ・新薬開発 | 試薬等の微少量スポッティング |
高密度配線(プリント基板) | 導電性ペースト塗布による電極接続 |
マイクロマシン・ロボットの組立 | 接着剤の塗布 |
液体材料の開発 | 導電性ペースト、ナノペースト等の特性評価 |
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産業機械事業本部 事業戦略部
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塗布例