『卓上型微細塗布装置』を開発2010年7月22日
液晶製造装置分野のNo.1技術を卓上化、バイオ用途等に新展開
NTN株式会社(以下、NTN)は、「数pl(ピコリットル)※程度の極微量な液滴」を、「千分の1mmの位置精度」で、「直径百分の1mm程度の点状」に微細塗布できる『卓上型微細塗布装置』(以下、本装置)を開発しました。
NTNは、液晶TVなどフラットパネルディスプレイ(FPD)の修正装置、特に、液晶ディスプレイのカラーフィルタ修正装置で世界No.1の販売実績を持っております。本装置は、このカラーフィルタ修正装置の“修正インク塗布機能”(以下、塗布機能)を卓上型装置として提供することで、先端技術分野の研究開発用途等への展開を狙った商品です。
微量な液滴を塗布する装置として、ディスペンサと呼ばれる装置が知られていますが、数pl(ピコリットル)という極微量な液滴制御には適していませんでした。また、極微量な液滴塗布にはノズル径を極細にする必要があり、液滴がノズルに目詰まりする恐れもありました。本装置は先端に極微量な液滴を付着させた針(塗布針)を対象物に接触させることで液滴を転写・塗布するという独自の塗布方式を用いており、液滴量を正確に制御できると共にノズルが詰まることもありません。また、標準仕様で塗布液体容器と塗布針を2セット装備していますので、用途に応じ2種類の液体を選択しながら、連続的に塗布することも可能です。
本装置は、研究開発や試作・少量生産現場での塗布機能の活用を想定しており、コンパクトな卓上サイズとすることで装置の設置を容易にすると共に、パソコン画面を見ながらマウス操作により塗布位置を指示するだけで簡単に微細液滴塗布ができるよう利便性も考慮しています。
※ pl(ピコリットル):1兆分の1リットル
特長
- “修正インク塗布機能”(液晶修正装置で実績No.1)を搭載。
- 数pl(ピコリットル)程度の極微量の液体(薬剤等)の塗布が可能。
- 塗布針による独自の塗布方式のためノズルの目詰まりが発生しない。
- 卓上サイズで装置の設置・取り扱いが簡単。
- 本体設置面積は約30cm四方、AC100V電源で作動。
- マウスによる簡単操作で微細塗布を実行。
対象用途
研究開発や試作少量生産用途として
- 細胞培養・バイオ・新薬の研究開発…試料、試薬等の極微量分注
- 電子回路(集積回路)の試作開発…導電性ペースト塗布による配線変更・修正
- マイクロマシンなど微細部品の組立作業…接着剤などの塗布
- 液体材料の開発…導電性ペースト、カラーレジスト等の特性評価
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