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2024年

2023年度日本トライボロジー学会 技術賞・奨励賞を受賞2024年6月11日広報ニュース

NTN株式会社(以下、NTN)は、一般社団法人日本トライボロジー学会*1より「2023年度日本トライボロジー学会 技術賞」ならびに「同 奨励賞」を受賞しました。受賞テーマは「低フリクションハブベアリングIII用グリースの開発」(技術賞)および「着色剤による転がり軸受内のグリース挙動の可視化」、「X線回折環分析装置による転動接触疲労の評価」(いずれも奨励賞)です。技術賞は、研究・技術における独創性と新規性、性能の優秀性などが、奨励賞については、トライボロジーに関して優れた研究成果が評価され、このたびの受賞となりました。

  1. 日本トライボロジー学会:
    https://www.tribology.jp/
写真:「技術賞」受賞 (左より)日本トライボロジー学会第68期会長 梅原様、NTN基盤技術研究所 川村 隆之 「技術賞」受賞
(左より) 日本トライボロジー学会第68期会長 梅原様
NTN基盤技術研究所 川村 隆之
写真:「奨励賞」受賞 (左より)NTN基盤技術研究所 小畑 智彦、日本トライボロジー学会第68期会長 梅原様、NTN基盤技術研究所 嘉村 直哉 「奨励賞」受賞
(左より) NTN基盤技術研究所 小畑 智彦
日本トライボロジー学会第68期会長 梅原様
NTN基盤技術研究所 嘉村 直哉
写真:「低フリクションハブベアリングIII」 「低フリクションハブベアリングIII」

1.「2023年度日本トライボロジー学会 技術賞」受賞

受賞者名 基盤技術研究所 川村 隆之、近藤 涼太
CVJアクスル事業本部 技術ユニット 開発部 関 誠
受賞テーマ 低フリクションハブベアリングIII用グリースの開発

近年、グローバルでCO2の排出規制の強化が進み、自動車の燃費・電費向上の要求が高まる中、車両走行時の消費エネルギーの削減がますます重要になっています。タイヤの回転を支えるハブベアリングは基本性能を満たした上でさらなる回転フリクションの低減が求められています。この課題にこたえるため、ハブベアリング用の低フリクショングリースを開発しました。

グリース粘度を下げ、グリース基油の分子構造の変更を行った上で、増ちょう剤、基油、添加剤を適切に配合した新開発グリースは、ハブベアリングに必要な機能を維持しながら、回転フリクションの大幅な低減を実現しました。本技術はハブベアリング以外の転がり軸受にも適用可能であり、カーボンニュートラル社会への貢献が大いに期待されます。

2.「2023年度日本トライボロジー学会 奨励賞」受賞

受賞者名 基盤技術研究所 小畑 智彦
受賞テーマ 着色剤による転がり軸受内のグリース挙動の可視化

カーボンニュートラルの実現に向けて、転がり軸受の潤滑においては油からグリースへの置き換えが進み、摩擦損失の少ない潤滑技術が求められています。本研究により、軸受運転中のマクロなグリース挙動の可視化が可能となり、流動観察と軸受トルク測定を同期することで、トルクに影響するグリース流動を見極めることに成功しました。また、これまで可視化が困難だった軸受の転動体と保持器間といったミクロなグリース流動の推定も可能としています。

受賞者名 基盤技術研究所 嘉村 直哉
受賞テーマ X線回折環分析装置による転動接触疲労の評価

各種機械の摩擦低減に向けた潤滑油の低粘度化に伴い、希薄な潤滑状態で使用される転がり軸受の転動疲労度の評価においては高精度化が求められています。また、近年は機械部品の再生品利用が活発化しており、正確な疲労度を把握することが再利用の可否において重要な判断材料となっています。本研究により、従来のX線分析では困難とされていた高精度な転動疲労度の推定が期待でき、マイクロピッチング*2の機構解明につながる知見を得ました。

  1. 転動疲労により表面に微小はく離が生じる損傷のこと

お問い合わせ先

NTN株式会社
グループ経営本部 コーポレート・コミュニケーション部

TEL:06-6449-3579 FAX:06-6443-3226

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