風力発電装置向けメンテナンスを開始2022年5月16日
風力発電装置の安定稼働と市場拡大に貢献
軸受の供給から異常検知、メンテナンスまでワンストップで提供
NTN株式会社(以下、NTN)は、風力発電に特化したメンテナンス事業を行う株式会社北拓(本社:北海道旭川市、以下、北拓)と提携し、風力発電装置向けのメンテナンスを開始します。NTNの状態監視システム(CMS)による高精度な軸受の異常検知と不具合部位の特定技術をもとに、北拓が持つ豊富な実績やノウハウを活用し、迅速に的確な設備点検ならびに保全対応を提供します。
さらに、実機の損傷状況を検証することで、CMSデータ解析のさらなる高精度化や各種軸受の性能向上にもつなげていきます。
北拓との提携により、お客さまの風力発電装置の状態監視、早期異常検知、補修、交換などの運用保守業務をサポートし、設備の高効率化と安定稼働を実現するとともに、カーボンニュートラルの達成に向けて、再生エネルギーの有効活用と風力発電市場の拡大に寄与してまいります。
風力発電装置は、悪天候によるブレード損傷や経年劣化による故障などが発生する場合があり、その際は、速やかに設備点検を実施し、適切な部品交換やメンテナンスを行う必要があります。故障につながる異常の発見が遅れると、部品や機材の手配が間に合わず、長期間にわたる稼働停止時間(ダウンタイム)が発生します。
NTNは、2012年より風力発電装置用状態監視システム(CMS)「Wind Doctor®」の販売と本システムによるモニタリングサービスの提供を通じて、設備の異常の早期検知に貢献してきました*1*2。本システムは、風力発電装置内の軸受周辺に取り付けたセンサから振動などのデータを収集・分析することで、軸受周辺の異常を早期に検知することが可能です。異常の検知に加え、不具合部位も特定できるため、設備点検時間の短縮にも寄与します。現地の設備診断には技能員のノウハウが必要とされていましたが、「Wind Doctor®」を用いることで速やかな異常の把握が可能となります。
これまでは「Wind Doctor®」の診断結果に基づいてNTNから異常報告を行った後は、お客さまが設備点検やメンテナンスの手配をされていました。今回の提携により、補修軸受の手配を含めた一連の業務をNTNが一括して行うことが可能となり、お客さまの手配工数を削減できるだけではなく、異常の検知後に速やかにメンテナンスを実施することで稼働停止時間を最小限に抑えます。また、メンテナンスの際に「Wind Doctor®」のデータを活用して、これまでにない迅速で的確な処置を実現します。またCMSデータと詳細な損傷状況を比較検証することで、データ解析技術のさらなる高精度化や各種軸受の性能向上につなげていきます。
今後、風力発電装置の大型化が進み、設備の安定稼働には状態監視の精度向上と正確なデータ解析結果に基づく適切なメンテナンスが一層重要になります。NTNは北拓との提携を通じて、高性能な軸受の供給からCMSによる高精度な異常検知、正確かつ効率的なメンテンナンスまで風力発電装置の運用に必要となる一連のサービスをワンストップで提供できるサプライヤーとして、風力発電装置の安定稼働と市場拡大に貢献してまいります。
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2012年6月19日プレスリリース:「風力発電装置用状態監視システム」を開発
https://www.ntn.co.jp/japan/news/new_products/news201200057.html -
2019年1月24日プレスリリース:NTN製風力発電用状態監視システム(CMS)の国内導入進む
https://www.ntn.co.jp/japan/news/press/news201800120.html
株式会社北拓の概要
社名 | 株式会社北拓 |
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本社所在地 | 北海道旭川市緑が丘東1条4丁目1番19号 |
事業内容 | 風力発電機器サービス業、風力発電機メンテナンス |
資本金 | 6,000万円 |
従業員数 | 72名 |
ホームページ | http://www.hokutaku-co.jp/ |
状態監視システム(CMS)「Wind Doctor®」について
風力発電装置のナセル内のドライブトレイン(主軸、増速機、発電機)にセンサを取り付け、振動などのデータを収集し、軸受や歯車の異常を早期に検知するシステムです。収集したデータは専用クラウドサーバで管理され、専用ソフトウェアで分析を行います。NTNがデータのモニタリングと診断を行うサービスも好評で、現在、国内の約300基の風力発電装置に設置いただいています。
「Wind Doctor®」データ収集装置の仕様
- 既設の風力発電設備への追加設置に適した耐環境仕様・スタンドアロンタイプ
- 寸法 250mm × 320mm × 103mm
- 質量 5.5kg
- 入力ch数 最大17ch
- 電源 AC100V~240V
- 耐環境性能 -20°C~60°C
- ケース保護 IP65(防塵、防水)
- DNV認証(2012年 国内メーカで初取得、維持更新中)
ご参考:NTNの風力発電向けビジネスについて
NTNは、1998年に風力発電装置向けの軸受の生産を開始し、ブレードの回転を伝える「主軸」、主軸の回転速度を増速して発電機に伝える「増速機」、増速機から出力された軸の回転エネルギーを電気エネルギーに換える「発電機」などに、耐摩耗性や絶縁性能など各種使用条件に適合する特長を持った軸受*3を提供しています。
近年、洋上風力発電に注目が集まる中、NTNは大型化する洋上風力発電装置向けの主軸受の生産が可能な数少ないメーカのひとつとしてサプライチェーンの一翼を担っています。
軸受の提供以外にも、状態監視システム(CMS)「Wind Doctor®」の販売およびモニタリング・診断サービスを展開中です。
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2020年10月19日プレスリリース:風力発電装置主軸用「DLCコーティング自動調心ころ軸受」を開発
https://www.ntn.co.jp/japan/news/new_products/news202000052.html
お問い合わせ先
NTN株式会社
広報・IR部
TEL:06-6449-3579 FAX:06-6443-3226