HOME > ニュース > 広報ニュース:2012年 > 2012年 髙木社長 年頭ご挨拶

2012年

印刷する

『現地・現物・現人』の加速2012年1月4日広報ニュース

NTN株式会社
代表取締役社長 髙木重義

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。昨年3月に発生した東日本大震災で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げるとともに、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

昨年を振り返ると、大震災やタイの洪水など大規模な自然災害が発生し、日本の産業界は大きな被害を受けました。また欧州諸国の債務危機や、中国などの金融引き締めの影響、さらに円高の長期化など、不安定な経済状態が今でも続いております。災害や為替変動リスクへの対応がますます重要となりました。

そのような中、当社は創業100周年を迎える2017年度に売上高1兆円を達成するための第1ステップとして、昨年4月から3年間の中期経営計画「躍進2013」をスタートいたしました。「現地・現物・現人」によるグローバル化を加速させ、成長市場で事業拡大するとともに、世界のどこへでも高品質な商品を提供できる体制を一層強化したいと思います。

中期経営計画では、世界各地の事業体制を拡充します。日本国内では、補修・市販向けの供給能力を増強しコスト競争力を高めるとともに、リスク分散を図ります。需要が拡大する中国やアジアでは、販売網の拡大と生産能力の増強を進めます。またフランスのNTN-SNRで大形軸受や精密軸受の生産能力を増強し、欧州域内の販売拡大をはじめ、日本やアジアなど他地域へも供給してまいります。

グローバル化の展開では、常に物事を2つの面から見ることが大切です。特に重要なのは、日本人の物の見方や考え方だけではなく、現地の人たちの物の見方や考え方を知ることです。まずはその国や地域の土地、歴史、文化などをよく知り、それらを尊重した上で、「現人」すなわち現地で働いてくれる人たちを育成することが最も大切なことと考えます。

日本のマザー工場の「もの造り」を、世界で共通とすべき部分を徹底的に標準化し海外に転写し、現地の材料や設備を使って生産する。また日本の研究開発の成果を海外に応用し、ニーズに合った商品を現地で開発するなど、日本と現地の両方で果たすべき役割と責任がますます高まっております。さらに海外の成功事例を他地域に横展開するには、現地人リーダーの存在が不可欠です。

「もの造り」において、大きな「変化点」を迎えている今、重要なのは「品質」です。今後ますます「人づくり」を強化し、NTNブランドの高い品質水準を世界中で維持するとともに、新たな成長につなげてまいります。

昨年、当社を含む軸受各社が公正取引委員会及び欧州委員会の立入検査を受けました。このことを厳粛かつ真摯に受け止め、役員及び従業員全員にコンプライアンスを再徹底してまいります。

2012年の干支は「辰」です。「辰」は、新たな理想に向かうために過去の殻を破り、革新の動きをするという意味があります。それはまさに、勢いよく天に昇る「龍」の姿であります。

外部環境の厳しさをプラスに転じるチャンスと捉え、「躍進2013」の目標達成に向けて知恵を絞り、「現地・現物・現人」を加速させることにより、「龍」のごとく邁進していきたいと思います。

最後になりましたが、皆さんとご家族の健康を祈念して、私の年頭のご挨拶といたします。

印刷する