「サーボモータ用低発塵軸受」を開発2020年11月10日
サーボモータの小型化や高出力化、ロボットの生産性向上に貢献
NTN株式会社(以下、NTN)は、新開発のグリースとシールを適用することで、軸受からの発塵と回転トルクを大幅に低減した「サーボモータ用低発塵軸受」を開発しました。
サーボモータは、回転検出器やブレーキ(以下、制御機器)を備え、高精度な回転制御が行えるため、近年は産業用ロボットや工作機械を中心に需要が増加しています。このうち、産業用ロボットに使用されるサーボモータは、関節部の駆動用途が多く、関節部の軸速度や加減速度を高めるために小型化、高出力化が求められています。サーボモータを小型化するため、制御機器は軸受の近傍に配置されますが、軸受の油分が飛沫となって発塵すると、制御機器に付着し、検出精度や制動性が低下する原因となります。これを防ぐために、サーボモータ本体に密封装置(シール)が用いられていますが、その分、サーボモータが大きくなり、小型化できないという課題がありました。そこで、密封装置無しでも付着を抑制するよう、低発塵の軸受が求められています。また、サーボモータの高出力化を図るため、低トルク化への要求も年々高まっています。
今回開発した「サーボモータ用低発塵軸受」は、サーボモータで広く使用されている密封形深溝玉軸受に、発塵を抑制するための成分や配合を用いた新開発の低発塵グリースを封入しています。また、形状の改良により、内輪との摺動部の接触力を均一にすることで、密封性を高めるとともに、低トルク化を実現した新設計の接触形シールを採用しています。これにより、当社従来品に比べ、軸受からの発塵量を約90%低減するとともに、回転トルクを約50%低減しました。現在市場で販売されている同用途の他社品を上回る低発塵、低トルクを示します。本開発品をサーボモータに用いることで、密封装置が不要となり、サーボモータを小型化できるほか、軸受の回転トルクを低減することで高出力化も可能とします。
NTNは、本開発品をモータメーカやロボットメーカをはじめとするFA分野のお客さまへご提案を進めることで、サーボモータのさらなる性能向上と、それによるロボットの生産性向上に貢献してまいります。なお、本開発品は11月16日~27日に開催される「JIMTOF2020 Online」*に出展いたします。
* JIMTOF2020 Online : http://www.jimtof.org/online/jp/index.html
特長
1. 低発塵 | 発塵量を当社従来品比 約90%低減 |
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2. 低トルク | 当社従来品比 約50%低減 |
用途
産業用ロボット向けサーボモータ など
お問い合わせ先
商品写真
主要寸法例 : φ10×φ22×6mm
適用箇所
構造
試験データ
※両グラフとも、従来品を100とし、それに対する開発品の比を示しています。