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2020年

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トランスミッション用「超低フリクションシール付玉軸受」の量産受注2020年9月11日

高速回転条件(環境)下で低トルクと長寿命を両立

NTN株式会社(以下、NTN)は、自動車のトランスミッション向けに開発した「超低フリクションシール付玉軸受」*1を自動車メーカ数社より量産受注しました。

本開発品は、新設計した接触タイプシールの採用により、低トルクと長寿命の両立を実現した商品です。回転トルクをシール無しタイプの軸受と同等レベルまで低減するとともに、シールにより軸受内部への有害な異物の浸入を抑制し、軸受寿命を確保します。

開発シールには、シールリップ摺動部(軸受の内輪と直接接触するシール部)に半円弧状の微小突起を等間隔に設けたことで、回転時にくさび膜効果*2によってシールをわずかに浮かせ、回転トルクを接触タイプシール付の従来品比で80%低減させることに成功しました。

また、同シールは異物の浸入を防ぐことで長寿命化も実現しているため、軸受自体の強度を高めて長寿命化を図った特殊熱処理品からの置き換えも可能となります。2017年の開発発表後、2018年には「“超”ものづくり部品大賞」(モノづくり日本会議/日刊工業新聞社主催)で「モビリティ関連部品賞」を受賞*3するなど専門機関からも高い評価をいただきながら、お客さまへの提案を進めていたところ、低トルクと長寿命の両立に加え、従来品からの置き換えで高機能化を図ることができる点などが評価され、量産受注につながりました。

今後、開発・普及が進む電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)など、これまで以上に高速回転が要求される車両においてもシールの発熱や異常摩耗等の損傷の心配なくご使用いただけます。

自動車の省燃費化や電動化が進む中、NTNはトライボロジー技術を駆使した本商品を提案・展開するとともに、お客さまの課題解決に貢献する商品を開発してまいります。

  1. 2017年5月24日プレスリリース:トランスミッション用「超低フリクションシール付玉軸受」を開発
    https://www.ntn.co.jp/japan/news/new_products/news201700042.html
  2. 潤滑油などの粘性流体が流れるすき間が狭くなる際に流体圧力が発生する現象
  3. 2018年9月25日プレスリリース:2018年“超”モノづくり部品大賞モビリティ関連部品賞を受賞
    https://www.ntn.co.jp/japan/news/press/news201800088.html

特長

1. 回転トルク:80%低減(当社従来品(接触タイプシール)比)
2. 異物潤滑下寿命:5倍以上(当社従来品(シール無しタイプ)比)
3. シール周速:50m/s以上
(dmn値*4換算で103万以上に相当、当社従来品(接触タイプシール)比2倍以上)
  1. dmn値:軸受の回転性能を表す指標で、軸受ピッチ円径(mm)×回転速度(min-1)

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自動車事業本部 事業企画部  TEL:03-6713-3666

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商品写真

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開発品の断面図

開発品の断面図 開発シール(カット図)に設けた
半円弧状の微小突起
(上カット図では5か所)

圧力分布 くさび膜効果によってシールをわずかに
浮かせ、引き摺りトルクを大幅に低減

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