
回転フリクションを62%低減する「低フリクションハブベアリングIII」を開発2019年5月22日
走行時の回転フリクションを62%低減、車両燃費を約0.53%向上*1
NTN株式会社(以下、NTN)は、回転フリクションを従来品比で62%低減した「低フリクションハブベアリングIII」を開発しました。
近年、グローバルで自動車の燃費向上やCO2排出規制の強化が進み、車両走行時の消費エネルギーの削減がますます重要になっています。燃費や電費の効率をより高めるため、タイヤの回転を支えるハブベアリングには基本性能である寿命や強度を満たした上で、さらなる回転フリクション(摩擦)の低減が求められています。
NTNは、これまで長年にわたり、ハブベアリングの軽量化や長寿命化、高効率化などを追求し、研究・開発を重ねてまいりました。ベアリングと周辺部品とのユニット化(GEN1~GEN3)を進め、小型・軽量化による低燃費化や組付性の向上に貢献してきたほか、材料やグリース、シールなどの改良を重ねることで、長寿命化と低フリクション化を実現した商品を市場展開し、現在ではハブベアリングで世界シェアトップを誇っています。
このたび、低フリクション化を追求したグリースを開発し、回転フリクションを従来品比62%低減し、車両燃費を約0.53%改善する「低フリクションハブベアリングIII」を開発しました。新たに開発したグリースは、「低フリクションハブベアリングII」*2で採用したグリースを、配合成分から見直し、さらなる低フリクション化を実現しました。市場で問題となっている低温環境下におけるフレッチング摩耗*3に対応できるよう、寿命や耐フレッチング性についても向上させています。さらに、ハブベアリング内部の予圧を最適化することで、軸受の性能を維持したまま、軸受自体の回転フリクションを低減しました。
NTNは、本開発品を、グローバルに提案・市場展開し、自動車の低燃費化ならびに環境性能の向上に貢献してまいります。なお、本開発品は、5月22日~5月24日にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2019横浜」に出展いたします。
- 当社計算に基づいて算出。0.53%燃費向上により、一度の給油で4.5~5.5km走行距離が増加
(1,200~1,500cc:ガソリン車のカタログ値をベースに算出した場合) - 2017年10月24日:プレスリリース「低フリクションハブベアリングII」を開発
https://www.ntn.co.jp/japan/news/new_products/news201700101.html - 車両輸送時など微振動に伴い摩耗が発生する現象
特長
ハブベアリングの回転フリクションを62%低減(従来品比)
1. | 低フリクショングリースの開発・適用:配合成分と粘度を更に改良 |
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2. | 予圧の最適化 |
3. | ラビリンス付きシール構造の適用:「低フリクションハブベアリングII」から適用 |
お問い合わせ先
自動車事業本部 事業企画部 TEL 03-6713-3666
商品写真
構造
フリクション変遷
適用部位