2018年

高速回転性能と耐荷重性能を両立したULTAGE(アルテージ)シリーズ*¹を開発

NTN株式会社(以下、NTN)は、dmn値*² 160万の高速回転性能と当社従来品比約1.3倍の負荷容量、および許容アキシアル荷重を両立した「高速・重切削工作機械主軸用アンギュラ玉軸受」を開発しました。これにより、従来は複数の工作機械で行っていた荒加工から仕上げ加工までの工程を1台の工作機械で担えるようになり、マシニングセンタや旋盤、複合加工機のさらなる生産性向上に貢献します。

近年、工作機械は、耐荷重性能が必要な中低速回転域の重切削から高速回転域の仕上げ切削までを1台で担うことが求められています。重切削の工作機械では、仕上げ切削もできるよう、現状のdmn値120万を上回る高速回転性能が必要とされ、また一方で、仕上げ切削の工作機械では、重切削も可能にする高い耐荷重性能が求められます。そのため、主軸用軸受には、トレードオフの関係にある、高速回転性能と耐荷重性能をより高いレベルで両立することが強く望まれてきました。

今回開発した「高速・重切削工作機械主軸用アンギュラ玉軸受」は、転動体(ボール)の大径化など内部設計の最適化と保持器強度の向上により、dmn値160万の高速回転性能を実現するとともに、負荷容量と許容アキシアル荷重を当社従来品比約1.3倍に高めています。これにより、高速回転と高荷重をより高度なレベルで組み合わせた厳しい条件で使用可能になり、工作機械の生産性向上に貢献するほか、工具と加工物の衝突に強い主軸づくりも可能となります。

NTNは、本開発品を11月1日～6日に東京ビッグサイトで開催される「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」に参考出展し、工作機械メーカやスピンドルメーカに提案してまいります。

1. ULTAGE(アルテージ)とは、究極を意味する【Ultimate】と、あらゆる場面での活躍を意味する【Stage】を組合せた造語で、精密軸受の究極を求めるNTNの考えを表現したものです。
2. dmn値は、軸受の回転性能を表す値です。dmn値=dm(転動体中心径mm)×n(回転速度min^-1)

特長

用途

工作機械主軸(マシニングセンタ、旋盤、複合加工機)など

お問い合わせ先

産業機械事業本部 事業企画部  TEL 0594-24-1959

商品写真および適用箇所

主要寸法例 :φ70×φ110×20mm

構造

1. ボールの大径化など内部設計を最適化
2. 従来品よりも断面積が大きい強化型保持器を採用(断面積2倍以上)