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2016年

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自動車トランスミッション用「低トルクシールリング」の量産受注2016年3月28日

NTN株式会社(以下、NTN)は、このたび、自動車トランスミッション向けに開発した「低トルクシールリング」を自動車メーカおよび自動車部品メーカ数社より量産受注しました。自動車の燃費基準がますます厳しくなる中で、低トルク化を実現したことが評価されたものです。

シールリングは、トランスミッションの油圧回路内で相対運動する軸とハウジングの間に1台あたり4~10個組み付けられ、すべり運動しながら、オイルを密封する役割を果たしています。すべり運動による摩擦が発生するため、近年では、燃費に影響を及ぼす部品のひとつとして低トルク化が課題となっていました。

今回量産受注した「低トルクシールリング」(外径15~60mm、幅1.5mmの射出成形品)は、特殊充填材を配合したPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂製です。すべり運動する側面にV字状の潤滑溝を形成することで、動圧効果によりオイルが安定して供給され、当社従来品比△60%の低トルク化を実現しました。また、シール特性は従来品同等の性能を維持しながら、低トルク化により、シールリングの摩耗量は当社従来品比1/10以下になりました。

NTNは、2014年に本開発品を発表*して以降、市場への技術提案を進め、お客さまにこれらの性能を認めていただき、量産受注に至りました。エネルギー伝達効率を高めるために変速段数を増やす多段化が進む自動車用トランスミッション内で、シールリングの使用数も増加傾向にあり、低トルク化を実現した本開発品の需要拡大が今後も見込まれます。

NTNは本開発品を技術提案することで、自動車の燃費向上に貢献してまいります。

* 2014年プレスリリース:
https://www.ntn.co.jp/japan/news/new_products/news201400010.html

特長

従来品(長方形断面形状品)比

(1) トルク 60%低減
(2) 信頼性向上 摩耗量 1/10以下
(3) シール性 同等
(4) 小型化 シールリング幅 30%低減

お問い合わせ先

NTN精密樹脂株式会社 

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商品写真

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適用例

適用例 自動変速機(オートマチックトランスミッション)への適用例

各種シールリングの比較

各種シールリングの比較

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