「リア用軽量ドライブシャフト」を開発2015年10月27日
従来比30%の軽量化を実現し、低燃費化に貢献
NTN株式会社(以下、NTN)は、高級車に多く採用される後輪駆動形式に最適な「リア用軽量ドライブシャフト」を開発しました。
近年、欧州をはじめ世界各国で自動車の燃費規制が強化される中、CO2排出量削減は自動車メーカにとって重要な課題であり、高級車向け後輪駆動用ドライブシャフト(以下、リア用ドライブシャフト)についても低燃費化を目的に軽量化の要求が高まっています。
今回、後輪駆動車専用のドライブシャフトを開発することで、大幅な軽量化を実現しました。これまでリア用ドライブシャフトには、前輪駆動車の前輪への適用を前提とした等速ジョイント(以下、CVJ)を兼用していました。前輪用のCVJは、サスペンションによる上下のストロークとハンドル操作による転舵の両方に対応するため、最大47~50°という角度においても、常に同じ回転速度で滑らかにトルクを伝達する仕様となっています。一方、主にサスペンションによる上下ストロークにのみ対応するリア用のドライブシャフトは大きな作動角を必要とせず、軽量化が期待されていました。
今回開発した「リア用軽量ドライブシャフト」は、リア用ドライブシャフトに必要な作動角に限定したリア専用設計で、タイヤ側の固定式CVJとデフ側のスライド式CVJを新しく設計したほか、その間をつなぐ中空シャフトは可能な限り肉厚を薄くし、CVJを覆う部位にはコンパクトブーツを採用しました。この結果、従来のドライブシャフトに比べ、一本あたり2.2kg(約30%)の軽量化を達成しました。また、CVJのみならず、主要部品すべてに形状最適化を図ったことで、必要な負荷容量を確保しつつ軽量化・コンパクト化を実現しています。
本開発品を欧州や日本の高級車市場を中心に展開し、自動車に対する低燃費化や乗り心地の向上に貢献してまいります。
NTNは、本開発品を10月29日~11月8日に東京ビッグサイトで開催される「第44回東京モーターショー2015」に出展します。
特長
(1) 軽量化 | ドライブシャフト一本あたり 2.2kg軽量化(従来品比30%減) |
---|---|
(2) コンパクト化 | CVJの外輪外径を従来品より3~5%低減 |
用途
後輪駆動車、四輪駆動車のリア用ドライブシャフト
お問い合わせ先
自動車事業本部 事業企画部
商品写真
カットモデル
適用箇所