「微細三次元形状測定機」を開発2015年5月12日
小型・非接触式の三次元測定機においてクラス最速レベルを実現
NTN株式会社(以下、NTN)は、金属や樹脂の加工品、ガラスやセラミックス基板などの表面に発生する高さ数µm~数10µm(マイクロメートル:1µmは1/1000mm)の微細形状を、小型・非接触式の三次元測定機においてクラス最速レベルのスピードで測定し、三次元表示する「微細三次元形状測定機」を開発しました。
微細加工における分野では、エッチングや精密機械加工、薬液塗布による表面性状や仕上がり寸法の管理が重要であり、工程内および完成品の外観検査により製品品質の維持を図っています。微細加工技術は、電子部品における配線パターンの微細化や、高い信頼性が望まれる医療分野への応用が進み、これまで以上に高い品質とともに検査時間の短縮が要求されます。従来より市販されている三次元測定機は製造ラインでの確認用としては測定時間が長く、実用性において課題がありました。
今回開発した「微細三次元形状測定機」は、白色干渉法*1と高速度カメラの採用により、高さ検出分解能5nm(ナノメートル:1nmは1/100万mm)の精度を確保し、20µmの高さをクラス最速レベルの0.6秒で測定可能です。また、最大1280µm×960µmの視野範囲を高精度に高さ測定することができ、測定時間の短縮に貢献します。
NTNは、本開発品を5月13日~15日に東京ビッグサイトで開催される「第14回 国際バイオテクノロジー展 BIO tech 2015」に出展します。今後、NTNの微細加工技術の導入を希望される装置メーカや、微細形状測定を検討されているお客さまの要求に応える装置を提案し、シリーズ化による販売拡大を目指してまいります。
*1) | 干渉計と白色光源を用い、干渉光の強度が最大になる位置を、干渉計を高さ方向に走査して検出する方法。 |
特長
1. | クラス最速レベルの測定スピード: 20µm*2の高さを0.6秒で測定 (高さ検出分解能 5nm) |
2. | 広範囲測定: 最大1280µm×960µmの視野範囲を高精度に高さ測定 |
*2) | オプションで高さ測定範囲を最大2000µmまで拡張可能 |
用途
金属や樹脂材料の表面微細形状の測定、三次元表示
お問い合わせ先
商品開発研究所
商品写真
適用例(三次元表示)
1.微量な液剤を一定間隔で塗布したガラス基板表面*3
測定時間 : 0.6秒
高さ測定範囲 : 20µm
10倍対物レンズで撮影
(視野320µm×240µm)
*3) NTN微細塗布装置で作成したサンプル
2.市販プリント配線基板 (エッチング後)
測定時間 : 0.9秒
高さ測定範囲 : 30µm
10倍対物レンズで撮影
(視野320µm×240µm)
3.機械加工部品 (材質:ステンレス)
測定時間 : 15秒
高さ測定範囲 : 500µm
5倍対物レンズで撮影
(視野640µm×480µm)