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2015年

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新商品
「CMS用無線式計測ユニット」を開発
2015年1月21日新商品ニュース

風力発電装置の状態監視において世界で初めて無線通信を実現、状態監視機能を拡大

NTN株式会社(以下、NTN)は、風力発電装置用状態監視システム(以下、CMS*1)「Wind Doctor®*2のデータ収集装置に無線接続し、計測したデータの伝送が可能な、風力発電装置用CMSでは世界初となる「CMS用無線式計測ユニット」を開発しました。

風力発電装置は、発電効率向上のため大型化や洋上への設置が進められています。一方、大型・洋上化に伴い、装置故障などの発見が遅れると各部位への損傷が拡大し、メンテナンス費用の増大や長期の発電停止を引き起こす可能性があります。このため、NTNでは軸受や歯車など機械要素部品の状態変化を早期かつ正確に捉え、異常や変調箇所を特定するCMS「Wind Doctor®」を開発、発売してきました。

風力発電装置用CMSは、通常、測定用センサを測定対象である軸受近くのハウジングなどの静止体に固定し、データ収集装置へ直接ケーブルで接続します。しかし、メインロータ(回転部)と発電機が直結する同期型風力発電装置は、主軸受の外輪が回転する構造で、軽量・コンパクトな設計であるため、計測に適した場所にセンサを設置できないことが多く、主軸受の正確な状態監視が難しい場合がありました。また、主軸受の内輪が回転するタイプでも、既設風力発電装置への設置工事において、ケーブルの取り回しが煩雑な場合もありました。

新たに開発した「CMS用無線式計測ユニット」は、データ収集装置への無線通信を実現し、世界で初めて外輪回転型風力発電装置のメインロータにCMSの測定用センサを設置することが可能となりました。これにより、回転体へのセンサ設置だけでなく、ケーブルの取り回しが困難な箇所の状態監視も可能になります。また、本ユニットは「Wind Doctor®」と同様に、電気機械器具の保護等級であるJIS C 0929のIP65に準拠した高水準な防塵・防水性能を有しており、洋上をはじめ過酷な環境でも利用可能です。

今後、NTNはデータ収集装置や測定用センサさらにソフトウェアも含めてCMS関連装置を拡充することで、トータルシステムとしての進化と技術サービスの向上を図ります。それにより、従来では難しかった様々な部位の振動や温度などの各種計測を可能にするとともに、異常の早期発見、原因の推定、損傷拡大防止など風力発電設備の利用率向上に貢献します。また、「CMS用無線式計測ユニット」は風力発電装置だけでなく、回転体へのセンサ設置やデータ伝送の無線化など類似の課題をもつ各種設備機械や試験機、検査装置への適用も提案してまいります。

*1) Condition Monitoring Systemの略称
*2) 2012年6月19日プレスリリース。https://www.ntn.co.jp/japan/news/new_products/news201200057.html
「Wind Doctor®」は、振動センサ、変位センサ、温度センサなどの各種測定センサを対象物に取り付け、連続または断続的にデータ収集を遠隔で行い、その取得データをもとに部品の異常を早期に検出するシステム。

特長

1. 小型で回転部に取り付け可能
2. 無線による通信ユニット 2つの信号を同時計測可能(2ch入力)
3. 高い防塵防水性能 JIS C 0929のIP65対応

用途

風力発電装置、各種機械設備、試験・検査装置等

お問い合わせ先

産業機械事業本部 事業企画部 

お問い合わせフォーム

商品写真

CMS用無線式計測ユニット
商品寸法例 幅130 × 奥行き180 × 高さ102 mm(防水ケースは任意設計可能)
商品質量 550g(上記の商品寸法時)
※電源はスリップリングを介して供給
(スリップリングとは、滑りながら通電させる回転接続用のコネクタ)

商品写真

システム構成

(同期型風車:軸受外輪及びロータ回転例)

同期型風車:軸受外輪及びロータ回転例

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