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2013年

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新商品
「中空ボールねじユニット」を開発
2013年3月7日新商品ニュース

薄肉・軽量により電子制御式CVTの小型化・高効率化に貢献

NTN株式会社(以下、NTN)は、車載用各種アクチュエータの電動化に対応する薄肉かつ軽量な「中空ボールねじユニット」を開発しました。

自動車用トランスミッションの一つで、近年採用が増加している無段変速機構(以下、CVT*1)には、プーリ幅を調整する駆動機構に油圧ポンプが使われています。しかし、油圧式CVTは、駆動にかかる動力損失が大きく、小型化にも課題がありました。また、油圧式CVTに比べて細かな変速制御が可能な電子制御式CVTは、駆動機構にすべりねじが用いられますが、すべりねじの推力変換効率が低いため、多くの電力を消費していました。

NTNが開発した「中空ボールねじユニット」は、転がり抵抗の少ないボールねじを採用することで、すべりねじに対して2倍の推力変換効率を実現し、またねじ軸を中空にすることで、CVTのプーリ駆動機構との同軸配置が可能になります。さらに、中空ねじ軸にねじ溝とボール循環溝を同時に切削加工することで、ナット側に設けるS字状のボール循環溝を備えた「こま」と呼ばれる別部材を不要としました。「こま」を廃止することで、ナットの薄肉化と軽量化を実現しています。

これらの結果、電子制御式CVTの駆動機構に「中空ボールねじユニット」を採用することで、プーリ駆動に伴う動力や電力の損失を低減できると共に、同軸配置によるCVTの小型化が実現可能です。さらに、車両の軽量化・省燃費化に貢献します。

今後は、CVTをはじめとして自動車や二輪車に搭載される各種アクチュエータの電動化が拡大すると予想され、中空ボールねじや中空ボールねじを用いたアクチュエータユニットを広く提案してまいります。

※1 「CVT」:
Continuously Variable Transmissionの略。プーリ駆動機構によってプーリ幅を調整し、最適なギア比に変速制御して燃費を向上させる自動車トランスミッションの無段変速機構。

特長

  1. 回転力の推力変換効率 70%以上(すべりねじ比 2倍)
  2. 薄肉・軽量 ねじ軸への循環溝一体成型による薄肉化(こま循環方式に比べ20%)

用途

電子制御ベルト式CVTのプーリ駆動用電動アクチュエータ

自動車および二輪車用のボールねじアクチュエータ

お問い合わせ先

自動車事業本部 事業企画部

お問い合わせフォーム

商品写真

商品写真:中空ボールねじユニット

中空ボールねじユニット

図:ボール循環溝部の拡大(3D図)

ボール循環溝部の拡大(3D図)

※隣接するボール循環溝は、180°反対位相にあります。

ご参考

図:構造

従来のナット部に設けた「こま」(3D図)

※ねじ軸にボール循環溝を設けることで、従来ナットに設けた「こま」が不要になり、薄肉・軽量を実現。

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