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2012年

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新商品
「微細パターン描画装置」を開発
2012年5月22日新商品ニュース

線幅10μm以下のパターニングを実現し、FPDの生産性向上に貢献

写真:「微細パターン描画装置」

NTN株式会社(以下、NTN)は、線幅10μm以下の微細なパターンを描画することが可能な「微細パターン描画装置」を開発しました。

NTNは、これまでフラットパネルディスプレイ(以下、FPD)向けに色欠陥などを修正する装置を開発し、お客様の生産性向上に貢献してきました。しかし、従来の塗布針方式は針先端に付着したインクを基板に接触して転写させるため、インクの塗布径が針先端径よりも一回り大きく、線幅10μm以下の修正は高価かつ複雑な機構のレーザCVD装置などが必要でした。

今回開発した「微細パターン描画装置」は、基板に非接触で微細なパターンを描画できる静電インクジェット方式を採用しました。静電インクジェット方式は、静電吸引力によって微細なノズルからインクを吐出する塗布方式で、塗布針方式に不向きだった線幅10μm以下の描画を可能にしました。また、線幅10μm以下の修正で業界標準とされていた装置と比べて、低価格で簡単な構成を実現するとともに、描画速度も向上しました。

機能面では、ノズルの着脱が容易なワンタッチ着脱機構、ノズルと基板との衝突回避機能、モニタ画面上でのマウス操作による描画指示機能、さらに描画後のインクをレーザで瞬時に固める局部焼成機能など、新たに開発した技術を搭載し、操作性・保守性に優れた生産性の高い装置を実現しました。

NTNは、本開発品を世界で需要が拡大しているスマートフォンやタブレット端末、有機EL基板の生産性向上に貢献する商品として、グローバルに市場展開してまいります。

レーザCVD(Chemical Vapor Deposition):原料ガス中に置かれた基板にレーザを照射することで、原料ガスに含まれる金属成分の化学反応を促進し、基板表面に金属膜を堆積させる成膜方法

開発品の特長

  1. 静電インクジェットの採用により、線幅10μm以下のパターンを非接触で描画
  2. 操作性・保守性に優れた生産性の高いFPD修正装置を実現
    • 磁石を応用したノズルのワンタッチ着脱機構
    • ノズルと基板との衝突回避機能を搭載
    • モニタ画面に表示される欠陥部位にマウス操作で描画が可能
    • 描画後、インクをレーザで瞬時に固める局部焼成機能を搭載
  3. 大型テーブルと組み合わせることで、大型基板に対応可能

用途

  • FPD基板の配線修正 例)TFT基板の配線修正
  • 露光用フォトマスク基板のパターン修正
  • インクの分注、パターン描画など

お問い合わせ先

精機商品事業部 企画管理部

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商品写真

商品写真:微細パターン描画装置(装置主要部)

微細パターン描画装置(装置主要部)

微細パターン描画装置の搭載例

写真:FPD基板の配線修正(例)

用途:FPD基板の配線修正(例)

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