EV・HEV用「高速・低トルク深溝玉軸受」を開発2012年5月16日
高速回転(dn値※120万)対応可能。回転トルク50%以上低減を実現
NTN株式会社(以下、NTN)は、電気自動車(EV)やハイブリッドカー(HEV)に搭載されるモータや減速機用に、これまで以上の高速回転でも使用可能で、かつ高効率化に貢献するEV・HEV用「高速・低トルク深溝玉軸受」を開発しました。
現在、EV・HEV用のモータと減速機に使用される深溝玉軸受には、高速化や低トルク化の要求が高まっています。その背景には、EV・HEV用モータの小型化に伴う出力低下を補うため、回転数を増加させて出力を確保する傾向にあり、モータの低消費電力化のために軸受の低トルク性能が求められていることが考えられます。従来の深溝玉軸受では、高速回転時の遠心力による保持器の変形や、軸受内部に流入する油の攪拌抵抗による顕著な温度上昇により、軸受の損傷が懸念されるという課題がありました。
今回開発したEV・HEV用「高速・低トルク深溝玉軸受」は、油潤滑下で高速回転時でも低トルク性能を安定して維持できる「高速対応低トルク樹脂保持器」を採用しました。この新型保持器は、同型2個の保持器を組合せ、互いの保持器が遠心力による変形を抑制し合う構造で、最大dn値120万の高速回転が可能となりました。また、保持器の側面をシールド形状とすることで軸受内部に流入する油量を制限し、攪拌抵抗を大幅に低減できます。さらに、軸受内部の設計を最適化し、転がり粘性抵抗も低減することで従来の深溝玉軸受に対して50%以上の低トルク化が実現しました。
NTNは、本開発品を5月23日~25日にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2012」に出展し、EV・HEV用の低消費電力化、高効率化、小型化に貢献できる商品として、グローバルに市場展開してまいります。
※ dn値 = d (軸受内径, mm) × n (回転速度, min-1)
特長
(1) 高速回転 |
dn値 = 120万 |
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(2) 回転トルク |
油潤滑、当社標準深溝玉軸受比 50%以上低減 |
お問い合わせ先
自動車事業本部 事業企画部
商品写真
高速・低トルク深溝玉軸受
適用部位
EV用モータと減速機の適用部位(例)