高速・高精度位置決め用「パラレルリンク型高速角度制御装置」を開発
(新名称:i-WRIST®※4)2012年1月5日
可動角度範囲の広い小型装置により、自動生産設備の生産性向上に貢献
NTN株式会社(以下、NTN)は、小型で広い可動角度範囲を備え、高速・高精度な角度位置決めを実現した「パラレルリンク型高速角度制御装置」を開発しました。
角度の位置決め制御機構には、主にパラレルリンク機構※1か、シリアルリンク機構※2が用いられます。しかし、パラレルリンク機構では装置の大型化が、シリアルリンク機構では可動部重量に起因する位置決め速度の低下が課題となっていました。
今回NTNが開発した「パラレルリンク型高速角度制御装置」は、独特のパラレルリンク構造※3を採用。小型で広い可動角度範囲を実現するとともに、新開発の駆動機構で3つの静止側アーム部の角度を協調制御することで、小型モータでも高速な位置決め動作を可能にしました。また、3つのアーム部を軽微に相互干渉させる制御手法により、回転部の遊び(ガタ)を打ち消し、位置決め精度を10倍の±0.05mmに向上させました。
今後、開発品を省スペースで広い可動角度範囲と高速・高精度な位置決めが必要とされる、自動生産設備の生産性向上に貢献する装置として提案してまいります。
※1 複数のアームによって1つの先端を支持する機構で、各アームが並列(パラレル)に接続される。
※2 産業用ロボット(多関節ロボット)に見られる、複数のリンクを直列につなげたリンク機構。
※3 可動側と静止側のリンクハブ間を3組の相似リンク系で結合した構造。それぞれのリンク系は、可動側と静止側のリンクハブ外周に回転可能に取り付けられたL字型のアーム部材と、それらの端の回転軸を一点で交差させるよう回転自在に連結する中間リンク部材で構成される。
※4 本商品は2018年6月から「i-WRIST®」に名称を変更しております。
【特長】高速・高精度な特長を活かした自由な軌跡のトレースが実現可能
(1) 高速 |
10ポイント/秒の位置決め動作が可能 シリアルリンク機構と比較し20%以上の高速化(800gの負荷装着時) |
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(2) 高精度 |
繰り返し位置決め精度が10倍に向上(当社従来品との比較) ±0.5mm⇒±0.05mm(回転中心から70mmの位置) |
(3) 小型・広角度 |
一般的なリンク機構と比較して約1/5の小型化が可能 独特のパラレルリンク構造により、旋回角度360度、作動角度90度を実現 |
用途
グリースや接着剤の塗布、塗装やパーツハンドリング分野の設備等
お問い合わせ先
商品化・知的財産戦略部
商品写真
パラレルリンク型高速角度制御装置
パラレルリンク型角度変位機構
動作デモ(動画)
文字なぞり動作デモ
(先端のレーザポインタで“NTN”をトレース)
折れ角±90度、旋回角360度の動作デモ
適用例(動画)
高速自動グリス塗布の動作デモ
(ワークを搭載するXYステージとの協調動作)
高速自動グリス塗布後の状態