工作機械主軸用『エアオイル潤滑省スペース高機能アンギュラ玉軸受』を開発
(新名称:『外輪給油穴付高速アンギュラ玉軸受』**)2011年9月20日
外輪から潤滑油を直接給油することにより、潤滑の信頼性向上と主軸のコンパクト化に貢献
NTN株式会社(以下、NTN)は、工作機械主軸用として新たに外輪に設けた給油穴から、直接軸受内部へ潤滑油を供給する『エアオイル潤滑省スペース高機能アンギュラ玉軸受』を開発しました。
工作機械の主軸には、高速・高剛性化のほか、さまざまな加工条件でも安定した加工とコンパクト化が求められます。主軸用軸受の潤滑方法の一つであるエアオ イル潤滑では、微量の潤滑油を圧縮空気によって軸受に隣接する軸受間座(以下、間座)とその給油穴を経由して軸受内部に噴出させるため、以下の課題があり ました。
- 小型化に制約:間座に給油穴を設置するため、間座の幅寸法が必然的に広くなり、主軸のコンパクト化に制約がある。
- 潤滑油の滞留:加工の多様化による主軸姿勢の変化や、主軸の高速化に伴い軸受回転部で生じるエアカーテンにより、間座内の給油穴部分(配管経路)に潤滑油が滞留し、軸受内部への潤滑油供給が不安定になることがある。
- 騒音:間座を通じた潤滑油供給時において、騒音が大きくなることがある。
NTNが開発した「エアオイル潤滑省スペース高機能アンギュラ玉軸受」は、間座の給油穴が不要となるため、間座幅寸法を縮小し、主軸のコンパクト化が可能 です。また、直接軸受内部へ潤滑油を供給することで、潤滑供給状態の変動を抑え安定した潤滑油の供給と、騒音の抑制を可能としました。さらに、外輪の油溝 と給油穴の最適設計および給油穴の両側にOリングを設置することで、軸受外径面からの油漏れを防止します。間座内の配管経路が不要となることで、潤滑の供 給損失も減少し、潤滑油量や空気量の削減、供給装置の小型化にも貢献します。
本開発品は、9月19日~24日にドイツ·ハノーバーで開催されます「EMO Hannover 2011 (欧州国際工作機械展)」に出展し、各工作機械メーカの次期主軸系の開発に提案してまいります。
**: | 本商品は、2014年3月から「外輪給油穴付高速アンギュラ玉軸受」に名称を変更しております。 |
特長
- コンパクト:軸受間座幅の縮小
→ スピンドルフロント部の長さ20%縮小 (軸径φ100,軸受4列配置の場合) - 低騒音:最大6dBA低減(標準エアオイル用間座比)
- エアオイル空気量2/3に削減、潤滑油量1/2に削減 (標準エアオイル用間座比)
用途
工作機械主軸(マシニングセンタや複合加工機など)
お問い合わせ先
産業機械事業本部 事業企画部