業界初『ICタグ内蔵軸受』を開発2011年7月22日
軸受本体への電子情報記録が可能に!
NTN株式会社(以下、NTN)は、軸受の品質情報と使用履歴に関する情報を、軸受本体に電子情報として直接記録可能な『ICタグ内蔵軸受』を開発しました。
定期的に機械の補修や点検を行う場合、重要部品である軸受は、検査実施日、稼働時間などが記録、管理されます。一方、長期間使用される軸受の場合、繰り返し点検された情報の紛失や管理の煩雑さなどが課題となります。解決策として、これまでICタグ(RFID:Radio Frequency Identification (電波方式による認識技術))が着目されてきましたが、ICタグが金属に埋め込まれた状態では原理上読み書きができない点や、ICタグのサイズ自体が大きくなる点から実用化は進んでいませんでした。
今回NTNは、軸受本体に電子情報が記録可能なICタグ内蔵軸受を開発し、専用のリーダーライター装置を使用することで、軸受に直接埋め込まれたICタグの情報読み書きを可能にしました。なお、ICタグは軸受内に埋め込むため軸受主要寸法は変わりません。
また、管理情報はユーザー毎に設定可能であり、点検記録情報はもとより軸受品質情報の確認を行うことも可能です。
NTNは、ICタグ内蔵軸受を定期点検が行われ長期にわたって信頼性が求められる建設機械や鉱山機械、航空機、鉄道車両、風力発電装置等に向けて提案を行い、容易な軸受管理と軸受情報の信頼性向上に貢献していきます。
特長
- 軸受現物から品質情報の読み取り確認が可能
→ 出荷時の軸受品質情報(内径、外径、幅精度やすきま情報、シリアルNo.等)を読み取り出来ます。 - ユーザーによる軸受現物への使用履歴の書き込みおよび、読み取りが可能
→ 点検情報を軸受本体に直接読み書き出来ます。 -
管理項目は自由に設定可能
→ ユーザーの要望に合わせた管理項目の設定が出来ます。(管理項目例)
<軸受品質情報>
- 品名
- 内径、外径、幅精度、すきま情報など
- シリアルNo.
- 製造日、検査日、出荷日
<ユーザー管理情報>
- 搭載機体番号
- 軸受組込み日
- 検査実施日
- 稼働時間
お問い合わせ先
産業機械事業本部 建機・鉄道技術部
製品写真(例:円すいころ軸受)
使用イメージ
専用リーダーライター