『動圧ツインベアファイト』を開発2011年6月29日
2箇所の動圧軸受面と空間部の最適化により、低トルク化を実現!
NTN株式会社(以下、NTN)は、信頼性と静粛性に優れ、従来品よりも低トルクでモータ軸を支持する、『動圧ツインベアファイト』を開発しました。
NTNは、これまで焼結含油軸受の内径部分に動圧溝を形成した動圧ベアファイト(焼結金属製動圧軸受)を生産しており、その信頼性の高さからハードディスクドライブ(以下、HDD)用スピンドルモータや電子機器用冷却ファンモータなどに広く採用されております。
現在、日本全国の家庭や事業所で「消費電力15%削減」の目標が掲げられており、モバイル機器や家電・AV機器などに使用されるファンモータやHDD用スピンドルモータにおいても静粛性が求められる一方で、モータ消費電力の低減が大きな課題となっています。
NTNは、モータに使用される動圧ベアファイトの低トルク化実現のため、2箇所の動圧軸受面とその間に独自形状の空間を設けた動圧ツインベアファイトを開発しました。
動圧ツインベアファイトは、動圧軸受の特長である非接触支持による静粛性、高信頼性はそのままに、軸受内径面に設けた大径部の最適な空間設計の効果により、回転時の軸受トルク損失を約10%低減することが可能となりました。軸受単体でもモータ消費電力削減に大きく寄与することが可能となります。また、軸受とハウジングとの固定は、圧入位置の工夫により軸受内径面の精度を確保しながら、従来の接着固定から組付けがより簡易な圧入固定を可能としました。
NTNは、動圧ツインベアファイトをファンモータメーカに向けて提案し、2012年中の量産採用を目指します。7月20日~22日に東京ビッグサイトで開催される「第20回モーション・エンジニアリング展」にも出展し、産業機械・自動車関連業界へ広く用途展開を図ってまいります。
特長
- 回転トルク10%低減(従来品比)
→ 動圧ベアファイト内径面の空間を最適設計し、回転時の軸受トルク損失の低減 - 優れた静粛性,高信頼性
→ 動圧効果により回転軸を非接触で支持 - 容易なハウジングへの組付け
→ 大径部外径面で圧入固定が可能
お問い合わせ先
複合材料商品事業部 流体動圧軸受部
製品写真
動圧ツインベアファイト外観
軸受内径面(カットモデル)