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2011年

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新技術
『業界最高!高精度で迅速な「動力学解析システム」(IBDAS)を開発
2011年2月25日新商品ニュース

軸受回転時の動力学解析実現による迅速な設計が可能に!

NTN株式会社(以下、NTN)は、玉軸受やころ軸受に対応した業界最高レベルの動力学解析システム(Integrated Bearing Dynamic Analysis System、以下、IBDAS)を開発し、従来の解析や評価試験では不可能であった、軸受回転時の転動体や保持器の挙動や応力などの算出を可能にしました。

NTNは『IBDAS』を用いて、顧客要求に応じた軸受仕様をこれまで以上に高精度かつ迅速に解析すると共に、設計・提案スピードを向上させていきます。

転がり軸受は、主に内輪、外輪、転動体および保持器で構成され、軸受の内外輪に作用する荷重は、転動体を介して支持されます。静止状態において転動体へ働く力は、「静力学解析」により内外輪と転動体に対する力とモーメントの釣り合いから算出可能です。しかし回転時における保持器の挙動や力は、静力学解析による算出は不可能で「動力学解析」が必要とされます。

一般的に動力学解析は、数値計算量が膨大でかつ実施には軸受の各種データが必要で手順も煩雑であるので、設計への利用は極めて限定的で、これまでは保持器自体の応力は扱えませんでした。また、評価試験による保持器に作用する力の測定は、センシングの困難さから実用上不可能でした。

今回開発した『IBDAS』では、これまでの静力学解析や評価試験では不可能だった軸受回転時における転動体や保持器の挙動や応力などの正確な計算を、「モード合成法」により業界最高の解析精度で、正確かつスピーディーに解析可能です。また独自の計算制御システムを構築することで、全ての種類の転がり軸受や複数軸受の組合せ解析、2次元、3次元の切替えも可能とし、操作性にも配慮しております。

NTNでは、すでに各種遊星減速機やエンジンなど、保持器に大きな接触力が作用する軸受用途で『IBDAS』の活用を開始しており、今後も高負荷容量、長寿命・高信頼性、低トルク、コンパクト化など、顧客要求に応じた軸受仕様をより高精度で迅速に解析すると共に、設計・提案スピードを向上させてまいります。

モード合成法 (Component mode synthesis):振動現象を解析する手法の一つ。固有値解析によって固有値(固有振動数)と固有ベクトル(固有振動モード)を求め、変動外力に対する構造物(部品)の応答を固有振動モードの重ね合わせとして求める手法。

特長(業界最高レベルの転がり軸受の動力学解析システム『IBDAS』)

(1) 運転時における保持器の変形や算出が可能
  • これまで剛体としてしかできなかった保持器の挙動解析が、弾性体として計算可能
    (保持器への接触力や応力の計算精度の向上)
(2) 全ての転がり軸受形式に対応可能な自動計算システム
  • 深溝玉軸受、円すいころ軸受など全ての転がり軸受が解析可能
  • 転がり軸受各部品における特殊な形状や複数軸受の組合せも解析可能
    (フレキシブルな解析条件の入力が可能)
(3) 優れた操作性とデータ管理
  • Web画面で容易な操作とデータ入力
  • 2次元、3次元いずれの解析も可能(解析速度の選択が可能)

軸受解析適用例

  • 遊星減速機構部(公転運動時の挙動)
  • 車軸支持部(路面からの振動発生時の解析)
  • エンジン・コネクティングロッド支持部 (内燃機関からの振動発生時の解析)

各種転がり軸受の解析イメージ

全ての転がり軸受に対応

写真:各種転がり軸受の解析イメージ

解析の流れ

図:解析の流れ

解析例

図:解析例

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