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2010年

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新商品
次世代の工作機械主軸用『エアオイル潤滑 超高速NU形円筒ころ軸受』を開発
2010年10月22日新商品ニュース

セラミック製内輪の適用で、高速最高水準※1 dmn値※1325万を実現し、軸受の剛性・組込性も大幅向上!

写真:『エアオイル潤滑 超高速NU形円筒ころ軸受』

NTN株式会社(以下、NTN)は、マシニングセンタなどの工作機械主軸を対象に、『エアオイル潤滑超高速NU形円筒ころ軸受』を開発しました。

マシニングセンタや複合工作機械の高速主軸では、現在、フロント側へ組合せアンギュラ玉軸受、リア側へアンギュラ玉軸受もしくは円筒ころ軸受が適用されるのが一般的ですが、高速性と主軸構造の簡便化の両立が課題でした。

リア側軸受にアンギュラ玉軸受を適用する場合、高速性は円筒ころ軸受と比較して優れる一方、軸の熱膨張を吸収するためのボールブッシュや予圧ばねなどを必要とするため、主軸構造が複雑になってしまいます。一方、円筒ころ軸受を適用する場合は、軸受自体が軸方向に移動可能なため熱膨張を吸収する構造は不要ですが、アンギュラ玉軸受と比較して高速性に劣ってしまいます。

課題であった、より簡便な主軸構造で更なる高速化を達成するために、円筒ころ軸受の高速化が求められていました。また、複合加工機でのミリング主軸等では、今後剛性向上を目的にフロント側にも円筒ころ軸受を配置されていくことが想定されます。

高速回転性能を向上するには軸受内部の発熱を抑制する必要があるため、今回、NTNは以下の2点に着眼しエアオイル潤滑、定圧予圧の超高速仕様アンギュラ玉軸受と同等の高速回転性能「dmn値325万」に対応可能なNU形円筒ころ軸受の開発に成功しました。

  1. 予圧過大の抑制:高速運転時の内輪の熱膨張と遠心膨張による予圧過大に起因する発熱を抑えるため、内輪に線膨張係数と密度が小さいセラミックスを適用。
  2. 潤滑油滞留の抑制: 潤滑油の停留を抑制するため、保持器の案内面を静止エアオイルノズルの外径とする新しい形式を採用しました。これにより、常時新鮮で低温の潤滑油を案内面に供給することが可能となり発熱を抑制。
    また、外輪つば部を別体とし外輪とのすきまから内部の潤滑油が滞留せずに外部へ排出する構造を取り入れたことで発熱を抑制。

本開発軸受は、10月28日より東京ビックサイトで開催される「JIMTOF2010 第25回日本国際工作機械見本市」に“進化するモノづくりをサポートするNTN~次世代超高速軸受”と位置付けて参考出展します。

※1 NTN調べ

特長

(1) 超高速回転性

エアオイル潤滑でdmn値325万(従来エアオイル潤滑に対して40%向上)
[軸受内径φ70で回転速度35,000min-1

(2) 剛性の向上

セラミック製ころ/セラミック製内輪仕様  約30%向上
鋼製ころ/セラミックス製内輪仕様  約7%向上(いずれも鋼製内輪/鋼製ころ仕様との比較)

(3) 軸受組み込み性の向上

軸受の組込み作業性が大幅に向上(セラミック内輪/鋼製軸のはめあい代が従来比80%減少)

用途

工作機械(マシニングセンタや複合加工機など)の主軸支持軸受

お問い合わせ先

産機機械事業本部 産業機械技術部 工作機グループ

参考

  1. dmn値 = dm(軸受のピッチ円径,mm)×n(回転速度,min-1
    例:dm = 100mmの軸受をn = 50000min-1で回転した時のdmn値は100×50000 = 500万

製品写真

製品写真

適用例:工作機械主軸

適用例:工作機械主軸

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