
自動車シートリフタ用『薄型トルクダイオード』を開発2010年6月1日
高強度化でシートの構造簡素化・軽量化に貢献!
NTN株式会社(以下、NTN)は、シロキ工業と共同開発した自動車シートリフタ(座面昇降機構)用トルクダイオードを2002年より市場展開しています。今般、従来品より薄型・高強度で、かつシート骨格の簡素化による軽量化が可能な「薄型トルクダイオード」をシロキ工業と共同開発しました。
当社従来のトルクダイオードを用いた自動車シートリフタは、(1)ドアとシートの間に配置されたレバーによる操作でシート座面を上下させるので、ダイヤル式シートリフタのダイヤルを回すのに比べて小さな力で操作可能、(2)無段階調整機構のため静粛性に優れる、などの利点が市場に認められ、現在では国内シートリフタの主流となっています。シートは、燃費向上や操作性向上の観点から、軽量でシンプルなシート骨格の開発が国内外で進められています。シートリフタ用トルクダイオードには、その為の性能向上が求められていました。
今回開発した「薄型トルクダイオード」は、構成部品設計の改良により薄型化、静的トルク容量向上を実現しました。本改良により、自動車シートが以下のように改善されます。
- 薄型化により、ドアとシートリフタレバー間の空間が広がり、レバー配置などデザイン性(意匠)が向上しました。
- 構成部品の強度アップにより、シートを特定ポジションに保持する力(静的トルク容量)が向上し、トルクダイオードで乗員の体重をより多く保持することが可能となりました。
- 保持する力(静的トルク容量)の向上により、従来必要としていた荷重伝達機構が簡素化でき、シートの軽量化が可能となりました。
NTNは、以上の特長を備えた「薄型トルクダイオード」を次世代のシートリフタ用として市場展開を積極的に進めます。
特長
(当社従来比)
(1) 幅寸法 |
16%減 |
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(2) シートの静的位置保持力 |
1.6倍 |
用途
自動車シートリフタ(座面昇降機構)用位置保持ユニット
お問い合わせ先
自動車事業本部 企画部