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2009年12月28日

『低フリクションハブベアリング』を開発

【車両直進走行時のハブベアリングのフリクションを最大40%低減し、
最大1.5%の車両燃費改善(省エネ環境対応)】


NTN株式会社(以下NTN)は、環境問題に対応する自動車の燃費向上に貢献するため、車両走行において最も使用頻度の高い、直進走行時のフリクションを最大40%低減した『低フリクションハブベアリング』を開発しました。本開発品の適用により、最大1.5%の燃費改善が見込めます。

近年、地球温暖化などの環境問題が大きく取り上げられており、ハブベアリングに対しても、自動車の燃費の向上に繋がる軽量化や低フリクション化が求められています。当社では、ハブベアリングにおけるフリクションの約半分を占めるシールの摺動抵抗をハブベアリングとして約15%低減した低フリクションシールを開発し市場展開して参りましたが、より一層の低フリクション化が求められていました。

本開発品は、前記の低フリクションシールの採用に加え、ハブベアリングの転走面の形状を工夫することで、車両直進走行時の転がりフリクションを低減しています。軸受の転がりフリクションは転走面の溝曲率半径を大きくすることで低下します。しかし、曲率半径を大きくすることで、荷重が負荷された時の鋼球と転走面間の接触面圧が高くなり、特に旋回走行時において軸受の耐久性が低下するため、曲率半径を単純に大きくすることは困難でした。

本開発品は、ハブベアリングに作用する荷重の大きさにより鋼球と転走面の接触位置が変化することを利用し、直進走行時の接触位置では従来より溝曲率半径を大きくし、旋回走行時の接触位置(軸受の耐久性に与える影響が大きい)では従来と同等の溝曲率半径とする複合溝曲率を採用しました。これにより、車両直進走行時のハブベアリングの転がりフリクションを低減すると同時に、従来と同等の軸受耐久性を確保しました。また同時に、従来品よりも予圧レンジの縮小を行い、更なるフリクション低減を達成しています。これらにより、ハブベアリングの転がりフリクションを約25%低減し、低フリクションシールを加えて、直進走行時のフリクションをハブベアリングとして最大40%低減しました。

NTNは、地球環境との共生を最重要課題とし、環境への負荷低減及び循環型社会の構築を目指す企業として、『低フリクションハブベアリング』をグローバルに顧客展開していきます。


【 特 長 】

(1) 複合溝曲率の採用
⇒ 転がりフリクションの低減と従来と同等の軸受耐久性
(2) 初期予圧レンジの縮小
⇒ 転がりフリクションの低減
(3) 低フリクションシールの採用

【解説】

(1) 軸受転走面の複合溝曲率
軸受転走面の複合溝曲率
(2) 低フリクション化の内訳
低フリクション化の内訳
(3) 低フリクションハブベアリングの外観写真
低フリクションハブベアリングの外観写真

【 用 途 】

【問合せ先】


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