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【新商品情報】

高精度低摩擦滑り軸受『ハイブリッドベアファイト』を開発・量産開始
【樹脂と焼結金属のハイブリッド構造で、高精度・低摩擦・軟質軸材対応を実現!】

NTN株式会社は、全く新しいコンセプトである樹脂と焼結金属のハイブリッド構造を採用する事により、高精度・低摩擦と共に軟質軸材にも使用可能となる樹脂と焼結金属の両者の長所を兼ね備えた高精度低摩擦滑り軸受「ハイブリッドベアファイト」を開発し、大手複写機メーカ向けに量産を開始しました。

プリンタ及び複写機の多くの回転部(図1)には種々のタイプの軸受が使用されています(表1)。転がり軸受は、滑り軸受に比べ回転精度・回転トルク・耐久性に優れますが、高価です。焼結含油軸受は転がり軸受に比べ低価格であり、樹脂軸受に比べ回転精度や低トルク性に優れていますが、回転速度が低いこれらの用途では油膜が形成されず、軟質軸の場合、軸を摩耗させてしまいます。一方、樹脂軸受は最も安価で、組成の工夫によりアルミニウムなどの軟質金属を軸材として用いることが可能ですが、成形時の収縮率や線膨張係数が大きく、寸法精度や寸法安定性が悪い等の欠点がありました。そのため、感光ドラムのように回転精度が印刷品位に影響する個所には機能を優先し、比較的高価な転がり軸受が使用されてきました。




これに対してNTNでは、転がり軸受の代替として、裏金である焼結金属の内径面に樹脂摺動材を薄く形成した高精度低摩擦滑り軸受「ハイブリッドベアファイト」を開発しました。その概念図を図2に示します。樹脂層は射出成形により形成するため生産性がよく、必要な製品精度(真円度10µm以下)を確保しつつ、転がり軸受に較べて約30%のコストダウンが可能となります。

樹脂層の厚みを0.25mmと薄くしたため温度変化による膨張収縮が小さく、広い温度範囲(10~60°C)で高回転精度が得られます。さらに、樹脂に特殊充填材を配合することにより摩擦係数µ=0.05という樹脂軸受として極めて低い値(従来樹脂の摩擦係数の1/2)となり、低回転トルクが実現できました。 また、幅面に樹脂層を形成すれば、ラジアル荷重のほか、アキシャル荷重を受けることも可能です。


通常、金属に樹脂層を成形すると、金属と樹脂の膨張係数の差から、樹脂層が剥れる可能性があります。「ハイブリッドベアファイト」は裏金に焼結金属を使用しているため、樹脂が焼結金属の細孔に入り込み(アンカー効果)、剥れることがありません。この密着力の強さが、優れた寸法精度や耐久性をもたらします。さらに、構造が簡単なため、転がり軸受のように断面肉厚を大きくする必要がなく、軸受周辺のコンパクト設計が可能です。

【特  長】

(1) 焼結含油軸受並みの高回転精度
焼結金属の内径に樹脂を薄くインサート成形する事で実現
(2) 低摩擦[摩擦係数µ=0.05]
内径樹脂に高性能摺動材を用い、摩擦係数が従来樹脂の1/2を実現《世界最高レベル》
(3) アルミなどの軟質軸材も使用可能
(4) 低価格による転がり軸受からの置換え,コンパクト設計に最適

【対応寸法】内径×外径×幅 (JIS転がり軸受呼び番号)

 Φ6×Φ12×4 (WBC6-12)、Φ8×Φ12×3.5 (W678)、Φ8×Φ16×5 (W688)、Φ10×Φ15×4 (6700) 等 特殊寸法についても対応可能です。

【問い合わせ先】

NTN株式会社 産機商品本部 産機企画部
NTN特殊合金株式会社 技術部       



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