経営成績および財務分析(2025年3月期)
経営成績の概況
経営成績
当期における世界経済は、一部の地域において足踏みがみられたものの、持ち直しが継続しました。日本経済については、個人消費で一部足踏みが残りましたが、設備投資、雇用情勢は持ち直しまたは改善の動きがみられ、景気は緩やかに回復しました。海外においては、米国経済は、通商政策など政策動向による影響が懸念されたものの、景気は拡大しました。中国経済は、政策効果により生産が持ち直しているものの、景気は足踏み状態となり、アジアのその他新興国経済は、タイや韓国で景気の弱含みがみられましたが、緩やかに回復しました。欧州経済は英国やドイツなど一部に景気の足踏みがみられたものの、持ち直しの動きがみられました。
かかる状況下、2024年4月から開始した中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalで掲げた「事業構造の変革(Transformation)の加速」の継続とNTN再生の完了を目指し、生産再編を中心とする事業構造改革の実行と、「SQCCD」*1の強化を通じた「稼ぐ力」の向上に注力してまいります。
- Safety(安全)、Quality(品質)、Compliance(法令遵守)、Cost(コスト)&Cash(キャッシュ)、Delivery(納期)&Development(開発)
当期の売上高は825,587百万円(前期比1.3%減)となりました。損益につきましては、営業利益は売価転嫁や比例費の削減などはありましたが、規模減の影響などにより22,959百万円(前期比18.4%減)となりました。経常利益は、為替差損計上の影響などにより10,475百万円(前期比47.6%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は、特別損失の計上や税効果の影響などにより23,801百万円(前期は10,568百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメントの業績につきましては、以下のとおりであります。
(1)日本
販売につきましては、軸受他事業においては、補修市場向けで減少し、OEM市場向けでも産業機械向けおよび自動車向けともに減少しました。CVJアクスル事業においては、自動車のOEM市場向けでは客先需要の回復などにより増加しました。全体としては、売上高は354,480百万円(前期比2.7%減)となりました。セグメント損益は売価転嫁や為替の影響などはありましたが、販売規模減の影響などがあり、11,207百万円のセグメント利益(前期比26.4%減)となりました。
(2)米州
販売につきましては、軸受他事業においては、補修市場向けで増加し、OEM市場向けでは産業機械向けで増加し、自動車向けで減少しました。CVJアクスル事業においては、自動車の補修市場向けおよびOEM市場向けともに客先需要の低減などにより減少しました。全体としては、売上高は271,889百万円(前期比1.6%減)となりました。セグメント損益は売価転嫁や比例費の削減などはありましたが、販売規模減の影響などがあり、395百万円のセグメント損失(前期は198百万円のセグメント損失)となりました。
(3)欧州
販売につきましては、軸受他事業においては、補修市場向けで減少し、OEM市場向けでも産業機械向けおよび自動車向けともに減少しました。CVJアクスル事業においては、自動車の補修市場向けおよびOEM市場向けで客先需要の回復などにより増加しました。全体としては、売上高は190,517百万円(前期比1.5%減)となりました。セグメント損益は売価転嫁や比例費の削減などはありましたが、固定費の増加や販売規模減の影響などがあり、4,163百万円のセグメント損失(前期は2,227百万円のセグメント損失)となりました。
(4)アジア他
販売につきましては、軸受他事業においては、補修市場向けで減少し、OEM市場向けでも産業機械向けおよび自動車向けともに減少しました。CVJアクスル事業においては、自動車の補修市場向けおよびOEM市場向けともに客先需要の低減などにより減少しました。全体としては、売上高は168,557百万円(前期比3.2%減)となりました。セグメント損益は比例費の削減などがありましたが、販売規模減の影響などがあり、14,757百万円のセグメント利益(前期比6.6%減)となりました。
事業形態別の業績につきましては、以下のとおりであります。
(1)軸受他事業
客先需要の低減などにより売上高は340,703百万円(前期比1.8%減)となりました。営業損益は売価転嫁や配賦方法の見直しによる共通費の減少などはありましたが、販売規模減の影響などにより13,680百万円の営業利益(前期比22.7%減)となりました。
(2)CVJアクスル事業
客先需要の低減などはありましたが、為替の影響もあり売上高は484,883百万円(前期比0.9%減)となりました。営業損益は売価転嫁や比例費の削減などはありましたが、販売規模減の影響や配賦方法の見直しによる共通費の増加などにより、9,279百万円の営業利益(前期比11.2%減)となりました。
次期の見通し
世界経済は、引き続き持ち直しが継続することが期待されますが、ウクライナおよび中東地域の情勢、米国における通商政策の影響、物価上昇や世界的な金融引き締めなど、先行き不透明な状況もあり、これらの不確実性の高い事象が重要なリスクとなる可能性があります。
このような状況のもと、通期の業績予想といたしましては、売上高7,900億円、営業利益240億円、経常利益110億円、親会社株主に帰属する当期純損失は60億円を見込んでおります。為替レートは1US$=140円、1EURO=160円を想定しております。
なお、米国における通商政策による影響については、一定の想定をもとに影響額を推定しているものの、現時点では政策動向も流動的であるために、通期予想には織り込んでおりません。今後、事業に与える影響が明らかになった時点で速やかに開示いたします。
研究開発費および設備投資額
研究開発費
当期における研究開発活動費はグループ全体で19,656百万円となり(前期比1,422百万円増)、対売上高比率は、2.4%となりました。
当社グループは、「新しい技術の創造と新商品の開発を通じて国際社会に貢献する」という企業理念の実践を通じて、世界を取り巻く社会課題の解決に貢献し、持続可能な「なめらかな社会」の実現を目指しています。
2024年4月より中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalが始まり、「DRIVE NTN100」の基本方針である事業構造の変革(Transformation)を加速するため、事業軸から商品軸の新組織に体制変更し、軸受事業ではOEM・補修が一体となり供給能力の強化やソリューション提案を、CVJアクスル事業は、利益拡大と電動化などの新たなニーズへ対応できる体制にしました。
研究開発では、当社の持続的成長を目的に「基盤商品、基盤技術の強化」と「新たな領域の展開」の二軸で活動し、当社のコアコンピタンスを活かした製品開発に取組んでいます。
設備投資
当社グループ(当社及び連結子会社)では、生産能力の向上・省人合理化並びに既存設備の維持更新・安全環境の改善・新商品研究開発等を主眼に設備投資を行っております。
日本では、当社桑名製作所の軸受製造設備導入、和歌山製作所の軸受製造設備導入、株式会社NTN紀南製作所の建屋建設及び株式会社NTN三重製作所の軸受製造設備導入等により15,102百万円の設備投資を行いました。米州では、NTN DRIVESHAFT ANDERSON, INC. の等速ジョイント製造設備導入等により3,402百万円の設備投資を行いました。欧州では、NTN Europe S.A.の建屋建設等により9,523百万円の設備投資を行いました。アジア他地域では、NTN MANUFACTURING(THAILAND) CO., LTD.の太陽光発電設備導入、NTN NEI MANUFACTURING INDIA PVT. LTD.の建屋建設及び等速ジョイント製造設備導入等により4,191百万円の設備投資を行いました。
これらにセグメント間の設備移管等△58百万円を調整した結果、当連結会計年度の設備投資の総額は32,162百万円となりました。
なお、所要資金につきましては自己資金及び借入金によっております。
財政状態およびキャッシュ・フロー
資産、負債及び純資産の状況
流動資産は前期末に比べ29,067百万円(5.2%)減少し、533,861百万円となりました。これは主に、商品及び製品の減少8,943百万円、受取手形及び売掛金の減少8,592百万円、仕掛品の減少6,333百万円によります。固定資産は前期末に比べ24,761百万円(7.1%)減少し、322,563百万円となりました。これは主に機械装置及び運搬具の減少11,196百万円、無形固定資産の減少5,673百万円、建物および構築物の減少5,177百万円、繰延税金資産の減少3,961百万円、投資有価証券の増加965百万円によります。この結果、総資産は前期末に比べ53,827百万円(5.9%)減少し、856,425百万円となりました。
流動負債は前期末に比べ62,607百万円(17.4%)増加し、422,513百万円となりました。これは主に1年内償還予定の社債の増加40,000百万円、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債の増加22,035百万円、短期借入金の増加15,578百万円、未払費用などのその他の減少2,664百万円によります。固定負債は前期末に比べ84,310百万円(31.3%)減少し、185,213百万円となりました。これは主に社債の減少50,000百万円、転換社債型新株予約権付社債の減少22,084百万円、長期借入金の減少13,599百万円によります。この結果、負債合計は前期末に比べ21,704百万円(3.4%)減少し、607,726百万円となりました。
純資産合計は前期末に比べ32,123百万円(11.4%)減少し、248,699百万円となりました。これは主に利益剰余金の減少29,383百万円為替換算調整勘定の減少1,989百万円によります。
キャッシュ・フローの状況
営業活動の結果得られた資金は45,623百万円(前期比19,480百万円、29.9%の減少)となりました。主な内訳は減価償却費42,379百万円の収入、法人税等の支払額10,793百万円の支出であります。
投資活動の結果使用した資金は25,960百万円(前期比990百万円、4.0%の増加)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出23,535百万円であります。
財務活動の結果使用した資金は18,708百万円(前期比11,504百万円、38.1%の減少)となりました。主な内訳は長期借入金の返済による支出46,723百万円に対して、長期借入れによる収入34,000百万円であります。
これらの増減に換算差額△508百万円を算入しました結果、当期末における現金及び現金同等物は127,712百万円となり、前期末に比べ445百万円(0.3%)の増加となりました。