経営成績および財務分析(2026年3月期)
経営成績の概況
経営成績
当期における世界経済は、一部の地域において弱さがみられるものの、緩やかな持ち直しが継続しました。日本経済については、中東情勢の影響を注視する必要があるものの、個人消費や設備投資などに改善の動きが見られ、緩やかに回復しました。海外においては、米国経済は、一部に弱さがみられるものの、景気は緩やかな拡大が継続しました。中国経済は景気が緩やかに減速しているものの、アジアのその他新興国経済は、景気の回復や景気の拡大がみられました。欧州経済は、ユーロ圏で景気の持ち直しの動きが見られました。
かかる状況下、2024年4月から開始した中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalで掲げた「事業構造の変革(Transformation)の加速」の継続とNTN再生の完了を目指し、生産再編を中心とする事業構造改革の実行と、「SQCCD」*1の強化を通じた「稼ぐ力」の向上に注力してまいります。
- Safety(安全)、Quality(品質)、Compliance(法令遵守)、Cost(コスト)&Cash(キャッシュ)、Delivery(納期)&Development(開発)
当期の売上高は826,344百万円(前連結会計年度比0.1%増)となりました。損益につきましては、規模減の影響などはありましたが、営業利益は売価転嫁や変動費の削減などにより31,034百万円(前連結会計年度比35.2%増)となりました。経常利益は、円安の影響で為替差損益が改善したことなどにより23,484百万円(前連結会計年度比24.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、日本セグメントの税効果の影響などにより12,871百万円(前連結会計年度は23,801百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントの業績につきましては、以下のとおりであります。
| (1) 日本 | 販売につきましては、軸受他事業においては、アフターマーケット向けで増加しました。OEM市場向けでは産業機械向けで増加し、自動車向けで減少しました。CVJアクスル事業においては、OEM市場向けでは自動車向けで客先需要の低減により減少しました。全体としては、売上高は352,161百万円(前連結会計年度比0.7%減)となりました。セグメント損益は売価転嫁の影響などはありましたが、販売規模減の影響などがあり、9,192百万円のセグメント利益(前連結会計年度比18.0%減)となりました。 |
|---|---|
| (2) 米州 | 販売につきましては、軸受他事業は産業機械向け、CVJアクスル事業は自動車アフターマーケット向けで現地通貨ベースでは増加しましたが、為替の影響や自動車OEM向けで客先需要低減の影響を受けました。その結果、両事業とも減収となり、全体としては、売上高は263,591百万円(前連結会計年度比3.1%減)となりました。セグメント損益は米国の通商政策による影響はありましたが、変動費や固定費の削減などにより、5,469百万円のセグメント利益(前連結会計年度は395百万円のセグメント損失)となりました。 |
| (3) 欧州 | 販売につきましては、軸受他事業は自動車向けで減少しました。CVJアクスル事業においては、自動車OEM向けで客先需要の低減により減少しました。全体としては、売上高は197,462百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。セグメント損益は販売規模減の影響はありましたが、変動費や固定費の削減などにより、1,061百万円のセグメント損失(前連結会計年度は4,163百万円のセグメント損失)となりました。 |
| (4) アジア他 | 販売につきましては、軸受他事業においては、アフターマーケット向けおよび産業機械向けで増加しましたが、自動車向けで減少しました。CVJアクスル事業においては、自動車アフターマーケット向けで増加しましたが、自動車OEM向けで客先需要の低減により減少しました。全体としては、売上高は167,732百万円(前連結会計年度比0.5%減)となりました。セグメント損益は販売規模減の影響はありましたが、変動費や固定費の削減などにより、17,573百万円のセグメント利益(前連結会計年度比19.1%増)となりました。 |
事業形態別の業績につきましては、以下のとおりであります。
| (1) 軸受他事業 | 客先需要の回復および為替の影響により売上高は348,890百万円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。営業損益は売価転嫁や変動費の削減などはありましたが、販売規模減の影響などにより12,256百万円の営業利益(前連結会計年度比10.4%減)となりました。 |
|---|---|
| (2) CVJアクスル事業 | 客先需要の低減などにより売上高は477,453百万円(前連結会計年度比1.5%減)となりました。営業損益は販売規模減の影響などはありましたが、売価転嫁や変動費の削減などにより18,778百万円の営業利益(前連結会計年度比102.4%増)となりました。 |
次期の見通し
世界経済は、引き続き持ち直しが継続することが期待されますが、中東地域の情勢、米国における通商政策の影響、物価上昇や世界的な金融引き締めなど、先行き不透明な状況もあり、これらの不確実性の高い事象が重要なリスクとなる可能性があります。
このような状況のもと、通期の業績予想といたしましては、売上高8,100億円、営業利益330億円、経常利益210億円、親会社株主に帰属する当期純利益は150億円を見込んでおります。為替レートは1US$=150円、1EURO=175円を想定しております。
研究開発費および設備投資額
研究開発費
当期における研究開発活動費はグループ全体で19,950百万円となり(前期比294百万円増)、対売上高比率は、2.4%となりました。
当社グループは、「新しい技術の創造と新商品の開発を通じて国際社会に貢献する」という企業理念のもと、社会課題の解決に取組み、持続可能な「なめらかな社会」の実現に向けて研究開発活動を推進しています。
2024年4月より開始した中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalにおいては、事業構造の変革を加速するため商品軸の組織体制へ見直し、供給力とソリューション提案力の強化を図りました。研究開発では、当社の持続的成長を目的に「基盤商品、基盤技術の強化」と「新たな領域の展開」の二軸で活動し、トライボロジー技術を核とする当社のコアコンピタンスを活かした商品開発に取組んでいます。
設備投資
当社グループ(当社及び連結子会社)では、生産能力の向上・省人合理化並びに既存設備の維持更新・安全環境の改善・新商品研究開発等を主眼に設備投資を行っております。
日本では、当社和歌山製作所の建屋設備及び軸受製造設備導入、磐田製作所のニードルベアリング工場耐震補強工事、株式会社NTN袋井製作所の等速ジョイント製造設備導入等により13,311百万円の設備投資を行いました。米州では、NTN USA CORP.及びNTN BEARING CORP. AMERICAの本社オフィス移転等により3,812百万円の設備投資を行いました。欧州では、NTN EUROPE S.A.の本社建設及び軸受製造設備導入、NTN TRANSMISSIONS EUROPEの等速ジョイント製造設備更新等により11,085百万円の設備投資を行いました。アジア他地域では、NTN MANUFACTURING(THAILAND) CO., LTD.の太陽光発電設備導入、NTN NEI MANUFACTURING INDIA PVT. LTD.の建屋建設及び等速ジョイント製造設備導入等により4,420百万円の設備投資を行いました。
これらにセグメント間の設備移管等△165百万円を調整した結果、当連結会計年度の設備投資の総額は32,464百万円となりました。
なお、所要資金につきましては自己資金及び借入金によっております。
財政状態およびキャッシュ・フロー
資産、負債及び純資産の状況
流動資産は前連結会計年度末に比べ11,139百万円(2.1%)増加し、545,000百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金の増加8,210百万円、商品及び製品の増加6,323百万円によります。固定資産は前連結会計年度末に比べ11,112百万円(3.4%)増加し、333,675百万円となりました。これは主に建設仮勘定の増加7,218百万円、退職給付に係る資産の増加4,625百万円によります。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ22,251百万円(2.6%)増加し、878,676百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ60,581百万円(14.3%)減少し、361,932百万円となりました。これは主に1年内償還予定の社債の減少40,000百万円、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債の減少22,035百万円によります。固定負債は前連結会計年度末に比べ20,140百万円(10.9%)増加し、205,353百万円となりました。これは主に長期借入金の増加32,482百万円、退職給付に係る負債の減少8,611百万円によります。この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ40,440百万円(6.7%)減少し、567,286百万円となりました。
純資産合計は前連結会計年度末に比べ62,690百万円(25.2%)増加し、311,389百万円となりました。これは主に為替換算調整勘定の増加26,508百万円、資本金の増加11,000百万円、資本剰余金の増加11,000百万円、利益剰余金の増加8,256百万円によります。
キャッシュ・フローの状況
営業活動の結果得られた資金は57,179百万円(前連結会計年度比11,556百万円、25.3%の増加)となりました。主な内訳は減価償却費40,493百万円、税金等調整前当期純利益15,202百万円、棚卸資産の増減額14,640百万円の収入に対して、法人税等の支払額9,385百万円の支出であります。
投資活動の結果使用した資金は26,276百万円(前連結会計年度比316百万円、1.2%の増加)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出29,118百万円であります。
財務活動の結果使用した資金は35,322百万円(前連結会計年度比16,614百万円、88.8%の増加)となりました。主な内訳は長期借入金の返済による支出52,886百万円、社債償還による支出50,000百万円に対して、長期借入れによる収入68,500百万円であります。
これらの増減に換算差額8,062百万円および連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額99百万円を算入した結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は131,255百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,543百万円(2.8%)の増加となりました。