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お客さまとの関係

品質保証体制の構築

顧客満足度向上に向けた品質づくり

カーボンニュートラルに向けた取り組みが加速する中、エネルギーロスの低減につながる低トルク化や長寿命といったお客さまのニーズはより一層高まっています。お客さまに満足して当社製品を使用していただくには、お客さまの要求に柔軟に対応し、お客さまとの信頼関係を築いていくことが重要です。当社は、ものづくりのすべての基本理念となる「品質基本方針」のもと、グローバルでの製品品質の維持・向上に努め、お客さまに満足いただける品質づくりをしています。
また、お客さまの満足度、要望事項などの声を直接聞く機会として、顧客満足度調査を実施しています。2022年度の調査では、計113社のお客さまにご回答をいただき、総合評価で「大変良い」「おおむね良い」と回答いただいた割合が、昨年と同様に88%となりました。今後もさらなる満足度の向上に向けてお客さまのニーズに即応した品質を提供します。

品質基本方針

お客さまの要求機能、仕様を満足する適正品質の追求

  • お客さまの要求変化に即応するものであること(適応品質)
  • 競争品質に勝つものであること(競争品質)
  • 企業に利益をもたらすものであること(経済品質)

品質スローガン

Quality is our future.

~品質で未来を造る~

Quality is our future.

品質マネジメントシステム

当社グループは、顧客満足度向上および一貫した製品・サービス提供のため、国際的な品質マネジメントシステム規格である、ISO9001認証を国内外の生産拠点で取得しています。新規事業や新たに立ち上げた工場も順次認証取得に取り組んでおり、製造に関する国内外の連結子会社では、品質マネジメントシステムの認証を100%取得しています。
また、自動車産業向け規格であるIATF16949認証や、航空・宇宙産業向けの規格であるJIS Q 9100やNadcap、鉄道産業向けのCRCC(中国)の認証取得もしています。

品質に強い人材の育成

従業員の品質知識と意識を高めることを目的に、「QCベーシックコース」「QCアドバンストコース」などの品質専門教育を実施し、2022年度は145名の従業員が参加しました。研修では、過去に発生したクレーム事例を題材に、お客さまにご迷惑をかけた内容を具体的に紹介することで、品質の重要性を再認識してもらえるよう工夫しています。
品証部門以外の管理・監督者に対しても、品質専門教育を実施し、品質管理の基礎知識の習得、品質意識の向上と品質問題への対応力強化を図っています。
2023年3月に、当社の品質についての考え方や品質を守る上で基本となる行動を記載した「品質管理ハンドブック~品質基本行動~」の第3版を発行しました。このハンドブックは、新人教育で活用されるほか、従業員が携帯し、いつでも確認することができ、従業員の品質意識向上を促しています。今回の改訂は、誰にでも、より分かりやすく伝わることを念頭に、イラストや文章を見直しています。今後、英語ほか、多言語への翻訳、サプライヤーへの参考配布などを進め、幅広くグローバルで利用できるように展開する予定です。

品質管理ハンドブック 第3版

品質管理ハンドブック 第3版

品質管理ハンドブック 第3版

品質管理ハンドブック 第3版

安定した品質の確保

新規開発や工程変更を行うときは、リスク管理分析シートを活用して管理を強化しています。リスク分析では、すべての関係部門が参画することで、それぞれの観点から確認・評価し、品質リスクの早期発見や未然防止を図ることで品質の造り込みを行い、確実な品質の確保につなげています。
また、製造拠点(サプライヤー含む)の品質監査の推進や、品質管理のポイントをまとめたチェックシートをグローバルに展開、点検結果を刈り取り、品質問題の発生リスクや予防処置の有効性を確認しています。
品質情報の管理については、グローバルでお客さまの苦情やクレーム情報を一元管理する品質情報管理システム(G-QUICK)を活用し、関係部門に即時展開し、問題の早期解決を図っています。

品質月間活動

品質月間ポスター
品質月間ポスター

全従業員のさらなる品質意識向上を目的に、毎年11月に『品質月間』としてさまざまな活動をしています。2022年度のNTNテーマは、『変わらぬ基本と新たな挑戦 みんなで創るNTN品質』として、品質管理の基本、品質の重要性を再認識し、お客さまに信頼されるNTN品質を皆で創るために、各自が製品・仕事・人の3つの「質」を高める活動を促す機会としました。部門ごとに重点施策を推進し、NTNグローバルでの品質向上に取り組んでいます。

国内工場の効率的な生産体制の構築

当社は2020年8月に、サプライチェーンマネジメント領域において新基幹システムの稼働を開始し、約3年が経過しました。完成品の生産・販売・物流・需給調整・在庫管理などに関するシステムから稼働しましたが、現在は各工場の調達・工程・仕掛・原価領域への導入活動を推進中です。この間、新システムの活用は各部門で定着化しましたが、システム改善や、新システムに付随する各マスタの維持更新も継続的に行っています。
新システムの鮮度の高い需要情報や在庫情報、販売実績をもとに、統計予測も用いた先行きの需要計画を工場へ連携することで、お客さまへの安定供給と需要変動などへのフレキシブルな対応を目指した、国内工場の効率的な生産体制を実現します。

安定供給のためのデジタル技術の活用

新基幹システムの安定化

当社の基幹システムの再構築は、全社プロジェクトとして、ERPなど新たなパッケージシステムを用いて業務プロセスとシステムを標準化することで、今後のDX推進を支えるIT基盤とし、ビジネススピードとサービスレベルの向上、業務の効率化を推進しています。財務会計、人事・給与、技術の領域の新システムに続き、SCM領域では、2020年8月から販売・物流・需給調整・在庫管理などに関する新システムが本稼動しました。その後、各工場の生産・調達・工程・仕掛・原価領域への新システムの導入活動を推進し、2022年1月磐田製作所・岡山製作所、2022年5月能登製作所・赤磐製作所、2022年10月三重製作所、2023年1月上伊那製作所などの拠点で新システムが稼動しました。引き続き他工場への導入活動を推進しております。
新システム稼動により、営業活動のデジタル化や案件管理システムの導入による図面や試作品管理の効率化、価格や納期回答の迅速化、在庫管理の強化、原価管理の高度化を実現しています。また、お客さまの需要や発注情報をEDIやeコマースなどを活用して受信するだけでなく、鮮度の高い需要情報や在庫情報、販売実績をもとに、統計予測も用いた先行きの需要計画を工場へ連携することで、お客さまへの安定供給と需要変動などへのフレキシブルな対応を目指します。

*ERPとは、Enterprise Resource Planning(企業資源計画)の略。「販売」、「物流」、「生産」、「会計」、「人事」など、企業の基幹業務を統括するパッケージソフト。

NTN基幹システム全体図(2022年6月時点)

NTN基幹システム全体図(2022年6月時点)

情報セキュリティの強化

CSIRT体制の構築

サイバー攻撃や情報漏洩に対するリスクが高まる中、昨今の情報セキュリティの重要性に鑑み、「経営の基本方針」のもとに設定するNTNグループの基本方針として、「CSR基本方針」、「環境基本方針」、「人権基本方針」、「安全衛生基本方針」、「調達基本方針」に加えて、新たに「情報セキュリティ基本方針」を制定しました。(情報セキュリティ基本方針はこちら)
サイバー攻撃は日々複雑化、巧妙化しており、他社でも同様の被害や情報漏洩などが数多く発生しております。情報セキュリティ事故発生時の対応においては、情報セキュリティ・リスクに対し検知から報告、対処に至るまでを迅速に行う必要があり、情報セキュリティ・リスクに対応する部門横断の緊急体制(NTN-CSIRT:NTN Computer Security Incident Response Team)の整備を進めています。
[情報セキュリティ緊急対応体制(NTN-CSIRT)の整備の目的]
(1) 情報セキュリティ・リスクの検知と発生時の連絡、報告、対応および復旧の迅速化
(2) 情報セキュリティ事故発生のリスク低減と未然防止
(3) 情報セキュリティの底上げのためのガバナンス強化