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カーボンニュートラルの実現

カーボンニュートラルの実現目標

CO2排出量・排出原単位【国内】

カーボンニュートラル戦略推進部の発足

2022年7月から2023年3月までのカーボンニュートラル推進プロジェクトの活動成果を踏まえて、2023年4月「カーボンニュートラル戦略推進部」が発足しました。プロジェクトを継承し、グローバルでの推進体制の確立、中長期的な課題を含めた実行フェーズへの移行を進めます。

カーボンニュートラル実現に向けて

当社グループは、カーボンニュートラル目標達成に向けた行動計画を着実に推進することを目的とし、以下の重点施策に取り組んでいます。

①製造工程のエネルギーの見える化による加工機や熱処理設備で発生するCO2排出量の削減、エア・空調・照明などユーティリティーに使用するエネルギーの効率化によるCO2排出量の削減(減らす)

②熱処理設備のエネルギー転換によるCO2排出量の削減(置き換える)

③CO2フリー電力の購入による、化石燃料由来のCO2排出量の削減(置き換える)

④太陽光PPAなどの自然エネ発電による、化石燃料由来のCO2排出量の削減(創る)

カーボンニュートラル実現イメージ

カーボンニュートラル実現イメージ

気候変動への対応

CO2排出量削減の取り組み

自社の排出量(スコープ1(直接排出)、スコープ2(間接排出))

当社グループは、自社の事業活動全体において、CO2排出量の削減に取り組んでおり、2030年度に、2018年度比50%削減、2035年度カーボンニュートラルを目標としています。また、CO2排出量のデータの算出方法に問題がないことを確認するため第三者検証を受けています。スコープ2については、国内事業所は、マーケット基準手法の排出係数*1にて算出、海外事業所は、ロケーション基準手法の排出係数*2にて算出していますが、海外事業所についても、マーケット基準手法の排出係数を用いる方法への切り替えを検討していきます。

*1 国内事業所は、電力事業者別排出係数(環境省・経済産業省)出典の排出係数にて算出

*2 海外事業所は、Emissions Factors 2022 (IEA) 出典の排出係数にて算出

CO2排出量(スコープ1、スコープ2)

CO2排出量(スコープ1、スコープ2)

燃料の燃焼、電力の使用によるCO2排出量(スコープ1、スコープ2)の削減

当社グループは、熱処理設備やボイラーなどでの燃料燃焼に伴うCO2排出量(スコープ1)の削減に取り組んでいます。CO2多排出源である熱処理設備は、第一弾の省エネ施策としてLPGや都市ガスへの燃料転換を主要な設備で完了しています。今後は、再生可能エネルギーの使用を前提とした高効率な高周波加熱設備や電気炉の採用拡大だけでなく、製造時および使用時にCO2を排出しないアンモニアや水素などグリーンエネルギーの採用を検討し、多様なエネルギー源を活用したカーボンニュートラル化を推進していきます。
また、当社グループは、生産活動での電力使用に伴うCO2排出量(スコープ2)の削減の一環として、エア・空調・照明などユーティリティーの効率化に取り組んでいます。高効率なコンプレッサー・空調・照明などの導入、定期的なエア漏れ対策や非稼働設備の電源オフなどでエネルギー使用量を低減する地道な活動を行っています。

*液化石油ガス

主なユーティリティー設備の省エネ施策(2023年3月期)

省エネ施策 実施事業所 電力削減量(kWh/年) CO2削減量(トン/年) 投資額(百万円/年) 内容
国内 海外 国内 海外 国内 海外 国内 海外
コンプレッサー更新 4 7 737,699 1,252,802 276 201 32 22 インバーター式コンプレッサーへの更新
照明のLED化 15 20 741,619 1,556,343 285 345 46 73 蛍光灯・水銀灯⇒LED化
モータとポンプのインバーター化 4 8 56,846 1,380,117 22 440 5 27 モータ動力の周波数制御による節電
トランスの更新 3 3 55,918 1,358,024 23 518 5 26 トップランナー式への更新
空調更新 12 6 119,545 1,566,527 46 606 44 42 新制御方式による室温最適化、インバーター式への変更
圧縮空気の漏れ修理活動 19 2 883,580 3,502,363 343 1,259 1 3 エア漏れ検出器を使用して漏れ位置と漏れ量を把握
合計 57 46 2,595,206 10,616,176 995 3,369 133 193
国内・海外合計 103 13,211,383 4,364 326

*国内事業所は、電気事業者別排出係数(環境省・経済産業省)、海外事業所は、Emissions Factors 2022 (IEA)出典の排出係数にて算出

熱処理設備の改善によるエネルギー使用量の削減

熱処理設備では、燃料(LPG、都市ガス)や電力により、鋼材を高温加熱するために多くのエネルギーを消費しています。多様な熱処理方法に適した省エネ施策を検討するため、加熱エネルギーや雰囲気ガスの使用量を見える化し、熱処理設備におけるスコープ1、2削減のため高効率断熱材の追加や遮熱コーティングの施工などを実施しています。

*液化石油ガス

生産工場における電力の見える化と省エネ改善

自社によるCO2排出量は、電力由来が約82.1%となっています。製造ブロック・ラインなどの適切な範囲で商品加工に使用する電力の見える化を行い、優先順位をつけて省エネ施策を実施することを推進しています。国内のエネルギー消費量の多い生産拠点ではモデルブロック・ラインを選定し、エア・クーラント使用量の削減などの省エネ効果検証を進めています。

エネルギーデータの見える化

NTN Europe S.A.(NTN EU、フランス)では、事業所のCO2排出量削減は、現状のエネルギー使用量の測定(見える化)からスタートしています。各種のデータを集めた上で、有効なデータは何かを見極めて、行うべき分析と施策を選択していきます。エネルギーデータの見える化は、これからの施策に欠かすことができないものです。2022年3月期の初めから、主なエネルギーの使用量を「見える化」する仕組みを整備するとともに、エネルギー使用量を自動測定する機器の導入を進めています。現時点では、一部の事業所にしか自動測定器が導入されていませんが、他拠点への導入を段階的に進め、数年後にはフランスの各事業所、ルーマニア、ブラジルの拠点もエネルギー使用量を全自動で見える化できるように推進します。

グラフ化したエネルギー消費量

グラフ化したエネルギー消費量

自然エネ発電の導入と再エネ電力購入の推進

当社グループは、事業所内に各種スキーム(PPA*1、リース、自己投資)による自家消費型の自然エネルギーの発電設備を導入し、CO2排出量(スコープ2)の低減に取り組んでいます。また、再生可能エネルギーやクレジットによりカーボンオフセットされた電力などの調達を積極的に推進しています。2023年3月期、国内477トン、海外11,409トンのCO2を削減しました。*2

*1 屋根などに第三者の発電事業者が保有する太陽光発電設備を設置し、その電力を購入する契約

*2 国内事業所は、電気事業者別排出係数(環境省・経済産業省)、海外事業所は、Emissions Factors 2022 (IEA) 出典の排出係数にて算出

自然エネ発電実績(2023年3月期)

地域 発電量(kWh) CO2削減量(トン-CO2*2
国内 1,073,015 430
中国 11,961,519 7,348
合計 13,034,534 7,778

再エネ電力購入実績(2023年3月期)

拠点名 エネルギー種 調達量(kWh) CO2削減量(トン-CO2*2
名古屋支社 CO2フリー電力 80,982 31
浜松自動車支社 13,077 5
広島自動車支社 20,059 11
NTN-AT 13,057,800 4,061
合計 13,171,918 4,108

自然エネ発電 国内導入事例

NTN三重製作所(三重県桑名市)では、ローラー工場の屋根にPPA*1による計828枚の太陽光パネルを設置しました。2023年4月より発電を開始し、54万1,342kWh/年の発電量と、205トン-CO2/年*2のCO2排出量削減が見込めます。

*1 屋根などに第三者の発電事業者が保有する太陽光発電設備を設置し、その電力を購入する契約

*2 電力事業者別排出係数(環境省・経済産業省)出典の排出係数にて算出

ローラー工場(三重製作所)

ローラー工場(三重製作所)

自然エネ発電 海外導入事例

NTN MANUFACTURING DE MEXICO,S.A.DE C.V.(NMEX、メキシコ)では、工場の屋根にPPA*1による計1,180枚の太陽光パネルを設置しました。2023年8月より発電を開始し、101万2千kWh/年の発電量と、403トン-CO2/年*2のCO2排出量削減が見込めます。

*1 屋根などに第三者の発電事業者が保有する太陽光発電設備を設置し、その電力を購入する契約

*2 Emissions Factors 2022 (IEA) 出典の排出係数にて算出

NMEX

NMEX

インターナルカーボンプライシング導入

当社グループは、2023年4月よりインターナルカーボンプライシング(社内炭素価格)制度を導入しました。新規に導入する設備・装置ついては、社内炭素価格で算出したCO2費用を投資判断に活用し、当社事業活動のおけるCO2排出量削減の促進を目的に取り組んでいきます。

サプライチェーンCO2排出量(スコープ3)の削減

当社グループは、2050年度にサプライチェーン排出量(スコープ3)を含むカーボンニュートラルを目標としています。国内の事業所では、産業連関表およびIDEA(Inventory Database for Environmental Analysis)の原単位を使用し、スコープ3算定を行っています。全カテゴリーの中で、最大の排出量となっているカテゴリー1「購入した製品・サービス」は、その大半が原材料の鉄鋼材料や半製品である鍛造品、旋削品などの仕掛品の調達によるものです。今後は、使用する原単位の見直しなどスコープ3算定方法の改善を図り、実態に即した排出量の把握と削減に向けた活動をグローバルで推進していきます。

サプライチェーン排出量(スコープ3)[国内]

(単位: トン)

カテゴリー 2022年3月期 2023年3月期
構成比 前年度比 第三者
検証
1 購入した製品・サービス 1,691,496 2,011395 92.67% 18.9%
2 資本財 59,752 31,648 2.78% 0.9%
3 スコープ1、2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 9,158 56,836 2.62% 520.6%
4 輸送、配送(上流) <対象外>
5 事業から出る廃棄物 54 16,192 0.75% 30034.4%
6 出張 1,305 1,290 0.06% -1.1%
7 雇用者の通勤 4,740 4,687 0.22% -1.1%
8 リース資産(上流) <対象外>
9 輸送、配送(下流) 12,686 12,666 0.58% -0.2%
10 販売した製品の加工 <対象外>
11 販売した製品の使用 <対象外>
12 販売した製品の廃棄 2,428 7,061 0.33% 190.8%
13 リース資産(下流) <対象外>
14 フランチャイズ <対象外>
15 投資 <対象外>
カテゴリー1~15の合計 1,781,619 2,141,775 100.0% 7.10%

*「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver3.3)」(環境省)に記載の排出係数を使用して算出

物流におけるCO2排出削減

当社グループは、物流効率化により商品輸送時のCO2排出量(スコープ3カテゴリー9)の削減に取り組んでいます。主な施策は「物流ルートの最適化による輸送距離の短縮」「モジュール外装箱の使用拡大による積載率の向上」「輸出コンテナへの積載率増加によるコンテナ本数削減」「木製パレットの再使用・再生利用(修理)の推進」「運送事業者へのアイドリングストップ徹底の要請」などです。2023年3月期、国内商品輸送時のCO2排出量は12.9千トン-CO2/年(目標:12.8千トン-CO2/年)となり、わずかに目標には届きませんでした。引き続き、トラックの積載量の最適化などによる輸送効率向上の対策を推進していきます。

物流におけるCO2排出量(国内)

物流におけるCO2排出量、排出原単位

CO2排出量 第三者による検証意見書

2023年3月期のCO2排出量に対する第三者検証を受審し、その算出方法に問題がないことを確認しました。

検証意見書

検証意見書_別紙