HOME > サステナビリティ > 商品を通じた社会への貢献:脱炭素社会への貢献

脱炭素社会への貢献

自然エネルギーを利用した持続可能な社会の実現

2025年度、当社は自然エネルギーを活用した移動型独立電源「N3 エヌキューブ」の社会実装を進め、特にイベント領域での新たな活用が広がりました。「N3 エヌキューブ」はコンテナ型のユニットであり、トラック輸送により設置場所を自由に移動できる点が特徴です。現地では太陽光パネルと小型風車による再生可能エネルギーで稼働し、外部電源に依存せず空調や照明を提供することが可能です。

こうした特性が評価され、国際自転車ロードレース「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2025」において、選手や関係者向けの冷房付き休憩所として採用されました。当日は30℃を超える厳しい暑さとなりましたが、再生可能エネルギー100%で稼働する空調により快適な休憩空間を提供し、熱中症対策に貢献しました。
(関連ニュース:再エネ100%で「涼」を提供! 移動型独立電源「N3 エヌキューブ」が熱中症対策として活躍|広報ニュース:2025年|ニュース|NTN株式会社

また、「N3 エヌキューブ」は、国際的な環境技術マッチングプラットフォームである「WIPO GREEN」に、風力・太陽光を利用したオフグリッド再生可能エネルギーシステムとして登録されました。環境技術としてのさらなる活用促進が期待されます。
(関連ニュース:移動型独立電源「N3 エヌキューブ」の技術が環境技術交流に向けた国際的な枠組み「WIPO GREEN」に登録|新商品ニュース:2025年|商品・技術情報|NTN株式会社

さらに、再生可能エネルギーの活用拡大に向けて、当社はコスモエコパワーと当社初となるバーチャルPPA(Virtual Power Purchase Agreement)を締結しました。本契約では、和歌山県の「中紀ウィンドファーム」で発電された年間約1,000万kWh相当の環境価値を16年間にわたり受け取ることで、年間約4,200t(約1700世帯分)のCO2排出削減が見込まれます。
当社は同ウィンドファームに風力発電機用軸受(ベアリング)および状態監視システム「Wind Doctor®(ウインドドクター)」を供給しています。この協業は、再生可能エネルギーの安定運用と当社の脱炭素経営の双方に寄与する取り組みです。
(関連ニュース:NTNで初となるバーチャルPPAを締結|広報ニュース:2025年|ニュース|NTN株式会社

当社は今後も、自然エネルギーの活用による社会的価値創出を重点テーマとし、「N3 エヌキューブ」のさらなる利活用と再エネ調達の強化を通じて、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

エネルギーロスの低減

軸受ライフサイクルマネジメントの強化

産業機械分野においては、設備の安定稼働と省エネルギー化の両立に向け、軸受の性能向上のみならず、選定から運用、保全に至るまでを一連で管理するライフサイクルマネジメントの重要性が高まっています。特に、突発的な設備停止による経済損失を抑制する観点から、設備の状態監視に基づく適切な保全判断が求められています。当社は、軸受に関する長年の知見とサービスを組み合わせた軸受ライフサイクルマネジメントの強化を進めることで、設備全体のエネルギーロス低減に貢献しています。

2025年には軸受診断エッジアプリケーション「Bearing Inspector」の販売を開始しました。本アプリケーションは、軸受近傍に設置した振動センサーから取得したデータをリアルタイムで収集・分析し、軸受の状態を簡便かつ迅速に診断するソフトウェアです。軸受の型式や詳細な運転条件の設定を必要とせず、当社以外の軸受にも対応できる点が特長で、熟練者に依存しない保全判断を可能としています。異常の兆候を早期に把握して、突発停止の回避や計画的なメンテナンスにつなげることで、無駄なエネルギー消費の抑制に寄与しています。
(関連ニュース:軸受診断エッジアプリケーション「Bearing Inspector」の販売を開始|新商品ニュース:2025年|商品・技術情報|NTN株式会社
(関連サイト:THE CHALLENGE:軸受診断用の「ソフトウェア開発」という未知なる領域に挑む|NTN株式会社

さらに、当社はメンテナンス計画や交換サイクルの最適化に向けた分析サービスを提供しています。当社の研究部門が長年培ってきた材料、熱処理、潤滑に関する知見をもとに、軸受や潤滑剤の状態を分析するもので、軸受の損傷原因解析やグリース劣化度調査、余寿命予測などからなります。これにより軸受の過度な交換や設備の不意な停止を抑制し、軸受の使用期間延長や設備の稼働率向上につなげています。
(関連サイト:ベアリング(軸受)サービス・ソリューション:NTNの分析サービス|NTN株式会社

今後は、分析サービスの機能拡大によるお客さまへの支援を強化し、軸受ライフサイクル全体での最適化をさらに推進します。産業機械分野におけるエネルギーロス低減と持続可能な社会の実現を通じて、環境負荷低減に引き続き貢献します。

EV/電動化への対応

自動車のエネルギー効率は電動化により向上していますが、特にEVでは、航続距離の延伸や電費改善が競争力の源泉となっており、駆動系・回転系部品におけるエネルギーロスの低減が重要な技術課題となっています。当社は、長年培ってきた回転・摩擦制御技術を基盤に、EV向け商品・技術を通じてエネルギー効率向上に貢献しています。EVの主要構成要素であるドライブシャフト、ハブベアリング、軸受の分野において、摩擦損失およびトルク損失率の低減を数値目標として掲げ、商品・技術開発を推進してきました。これらの取り組みは、EVの電費改善や航続距離延伸といった定量的効果を通じて、エネルギー効率向上に貢献しています。

高効率固定式等速ジョイント「CFJ」は、独自の転動溝構造により内部摩擦を抑制し、トルク損失率を従来品比で50%以上低減しています。作動角が拡大傾向にあるEVでも高い伝達効率を維持できます。従来型等速ジョイントからの置き換えにより、駆動系におけるエネルギーロスの削減に寄与します。
(関連サイト:THE CHALLENGE:EV時代に求められる高効率の等速ジョイントを世に広く送り出す|NTN株式会社

EV用高機能EDJでは、解析による内部構造の最適化とともに、新開発グリースを適用しました。これにより、トルク損失率を従来品比で25%削減し、走行時の発熱抑制と効率向上を実現しています。モーターの応答性を活かしたスムーズなトルク伝達が可能となり、EVの電費性能および静粛性向上に貢献しています。
(関連ニュース:EV用に高機能なボールタイプしゅう動式等速ジョイントを開発|新商品ニュース:2025年|商品・技術情報|NTN株式会社

ハブベアリング分野では、低フリクションハブベアリングシリーズにおいて、軸受内部およびシール部の摩擦低減に取り組んできました。最新仕様では、従来品比で最大64%の低フリクション化を達成し、EVにおける電費を約0.75%改善、車両の省エネルギー化に貢献しています。
(関連ニュース:THE CHALLENGE:ハブベアリングの低摩擦化を極限まで追求する「低フリクションハブベアリング」シリーズ|NTN株式会社

また、EV特有の課題である電食への対応として、耐電圧1,000V以上の絶縁性を確保した樹脂モールド絶縁軸受を開発し、市場展開しています。本商品は、想定される800Vクラスの高電圧EVにも対応可能であり、通電による軸受損傷を抑制します。軸受寿命の延伸および性能安定化を通じ、車両の電動化に貢献しています。
(関連ニュース:e-Axle用「樹脂モールド絶縁軸受」の量産を開始|新商品ニュース:2025年|商品・技術情報|NTN株式会社

さらに、軸受トルク計算手法の高度化により、高速回転条件下におけるトルク計算精度を従来比で最大50%向上させました。トルク発生要因をより細かく計算でき、当社内の計算工数削減に寄与するため、顧客への提案スピードの向上につなげています。
(関連ニュース:自動車のさらなる省エネルギー化に貢献!軸受トルクの高精度な計算手法を開発|新商品ニュース:2025年|商品・技術情報|NTN株式会社

今後は、EV/電動化の進展を中長期的な成長機会ととらえ、低摩擦・低トルク技術を軸とした商品開発を継続していきます。駆動系・回転系分野において、高効率化と信頼性を両立する技術の高度化を進め、EV向け需要の拡大に対応するとともに、電動駆動ユニットの進化や使用環境の変化を見据え、付加価値の高い商品ラインアップの拡充を図ります。これらの取り組みを通じて、EV市場における競争力を強化し、持続的な企業価値の向上と脱炭素社会への貢献を目指します。

製造設備の高効率化

当社は製造現場の省エネルギー化と高効率化を実現するため、自動化技術と高付加価値商品の開発を進めています。

ピッキング用フィーダ「ROBOCLE(ロボクル)」は、省スペースと高速性を両立し、専門知識不要で多様なワークに対応できる自動ピッキングを実現します。既存の「TRINITTE」に新開発のピッキングアクチュエーターを組み合わせることで、設置スペースを約25%削減し、高速かつ滑らかなピッキングを可能としました。多品種対応の負荷を低減し、製造ラインの省力化・高効率化に貢献します。
(関連ニュース:ピッキング用フィーダ「ROBOCLE(ロボクル)」を開発|新商品ニュース:2025年|商品・技術情報|NTN株式会社

また、手首関節モジュール「i-WRIST」を活用したダイカスト品向けインライン高速外観検査ユニットは、大型ダイカスト品向けで細かな姿勢変更や精密な位置決めが得意な大型タイプと、小型ダイカスト品向けで最速撮像約0.2秒を実現する小型タイプをラインアップし、複雑形状部品の検査を高精度かつ短時間で実行します。これにより検査工程のボトルネックを解消し、生産ライン全体の効率向上に貢献します。労働人口減少による技術伝承の課題が深刻になる中、自動化による品質安定化と省スペースを両立するソリューションとして評価されています。
(関連ニュース:手首関節モジュール「i-WRIST」のダイカスト品外観検査用途への展開 インライン対応高速検査ユニットの開発・提案を開始|新商品ニュース:2025年|商品・技術情報|NTN株式会社

さらに、産業用ロボットや工作機械の省エネルギー化と安定稼働を支える商品として「サーボモーター用低発塵軸受」の量産を開始しました。低発塵グリースと密封性を向上させた新設計シールを採用した本軸受は、軸受からの発塵量を約90%低減し、サーボモーターの回転検出器やブレーキへの発塵物付着量を抑制することで、装置の回転検出精度や制動性向上に貢献します。同時に、シール形状の改良により、密封性を維持しつつ、従来品比で約50%の低トルク化も実現しています。
(関連ニュース:「サーボモーター用低発塵軸受」の量産を開始|新商品ニュース:2025年|商品・技術情報|NTN株式会社

当社はこれらの技術開発を通じて、生産現場におけるエネルギーロスの低減と設備効率の最大化を図り、持続可能なものづくりの実現に貢献してまいります。

環境貢献商品の開発

当社は、「新しい技術の創造と新商品の開発を通じて国際社会に貢献する」という企業理念のもと、環境への配慮を重視したものづくりに取り組んでいます。特に、地球温暖化の防止に資する技術の開発に注力しています。
当社が製造する軸受やドライブシャフトなどの部品は、車両や機械のエネルギー効率を高めることで、環境負荷の低減に寄与します。これらはすべて環境貢献商品と位置づけられます。中には、すでに広く使用されている商品もありますが、当社の技術によって環境性能をさらに向上させた新商品も含まれています。
また、太陽光や風力などの自然エネルギーを活用する商品の開発にも取り組んでおり、これらはCO2の排出削減に貢献しています。
当社では、こうした商品の環境への貢献度を独自の基準で数値化し、より高いレベルの環境貢献商品を開発・提供することで、企業理念の実現に向けて継続的な努力を重ねています。

環境貢献商品の評価方法

当社では、1997年当時の性能を基準とし、現在の商品の環境性能を比較・評価しています。商品ごとに定めた基準に基づき、環境への貢献度に応じて「S~D-ecoグレード」までの5段階に分類しています。

商品の分類・グレードと定義

商品の分類・グレードと定義

環境ファクタ・環境効率の算出方法

環境ファクタ・環境効率の算出方法

これまでの成果

2025年度には、主力商品であるドライブシャフトやハブベアリング、ならびに自然エネルギー関連商品によって、約187.6万トンのCO2削減に貢献しました。これは、当社の環境貢献商品の開発が成果を上げている証しです。
また、2025年度には、環境貢献度の高い「S~B-ecoグレード」の商品の売上が、全体の約55.9%を占めるまでに成長しました。

売上高の推移

売上高の推移

環境貢献商品グレード構成比の推移(ドライブシャフトおよびハブベアリングなど)

環境貢献商品グレード構成比の推移(ドライブシャフトおよびハブベアリング)

CO2削減貢献量

CO2削減貢献量