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資源循環・汚染防止

資源循環への取り組み

当社グループは、限りある資源を未来へつなぐため、資源循環型社会の実現に向けた取り組みを推進しています。
3R(リデュース・リユース・リサイクル)の徹底を軸に、原材料や水資源の効率的な利用、廃棄物の削減に努めています。
また、製品および製造工程で使用する化学物質の適正な管理を徹底し、PRTR法の対象物質については、代替品への転換を積極的に進めています。
廃棄物の発生抑制や高いリサイクル率の維持、化学物質の取扱量削減に向けて、年度ごとの目標を設定し、継続的な改善に取り組んでいます。

マテリアルバランス

当社グループは、事業活動に伴う環境負荷の低減に取り組んでいます。その一環として、エネルギーや資源の投入(インプット)と、廃棄物やCO2排出などの環境負荷(アウトプット)を把握・分析する「マテリアルバランス」の考え方を導入しています。これにより、資源の循環利用、廃棄物の削減、省エネルギーの推進を進めることで、環境との調和を図っています。

事業活動のマテリアルバランス(2025年度)[グローバル]

INPUT

年度 2023 2024 2025
原材料調達 資材
鋼材 56.0 46.7 50.6 万トン
リサイクル鋼材使用率(国内)*1 53 54
樹脂材料、グリースなど 1.6 1.6 1.5 万トン
開発・設計
鍛造・旋削
熱処理
研削・研磨
組み立て
エネルギー換算値 5,746 5,701 5,438 TJ*2
燃料 1,294 1,512 1,428 TJ*2
電力 4,019 3,736 3,534 TJ*2
再エネ・自然エネ 433 454 477 TJ*2
エネルギー使用量(燃料)
燃料使用量 ガソリン 46 33 26 千リットル
灯油 544 464 378 千リットル
軽油 342 343 340 千リットル
A重油 89 169 104 千リットル
LPG 11,175 10,230 9,380 トン
都市ガス(国内) 8,767 8,547 8,867 千㎥
天然ガス(海外) 17,768 16,133 14,885 千㎥
エネルギー使用量(電力) 1,236 1,164 1,114 GWh
購入電力量 1,116 1,038 982 GWh
再エネ購入電力量 106 109 109 GWh
自然エネルギー発電量 14 17 23 GWh
再エネ・自然エネ使用率 10 11 12
水使用量 283.1 280.2 260.0 万㎥
地下水 97 108 96 万㎥
上水 162 158 150 万㎥
工業用水 23 13 12 万㎥
再生水 0.4 1.0 0.8 万㎥
PRTR法対象化学物質 投入量(国内) 8,145 8,480 8,745 トン
物流 輸送量 貨物重量×距離(国内) 11,095 10,057 10,566 万トン/km

OUTPUT

年度 2023 2024 2025
原材料調達 CO2排出量(スコープ3、カテゴリー1)(国内) 219 199 189 万トン
開発・設計
鍛造・旋削
熱処理
研削・研磨
組み立て
CO2排出量(スコープ1+2)*3 54 47 43 万トン
CO2排出量(スコープ1) 9 8 8 万トン
CO2排出量(スコープ2):マーケット基準*3 45 38 36 万トン
CO2排出量(スコープ2):ロケーション基準(参考値) 47 43 41 万トン
有害大気汚染物質(国内)
VOC 486 385 336 キログラム
NOx 37.4 36.2 26.1 トン
SOx 9.1 8.8 6.7 トン
排水量 226 224 203 万㎥
河川 214 213 192 万㎥
下水道 12 11 11 万㎥
水質汚染物質(国内)*4
BOD 4,798 3,167 7,025 キログラム
COD 8,387 7,730 8,921 キログラム
窒素化合物 3,505 2,877 1,806 キログラム
リン化合物 313 337 276 キログラム
PRTR法対象化学物質 排出量および移動量(国内) 113 96 165 トン
廃棄物等発生量 163,584 145,645 146,006 トン
最終埋立処分量 4,897 4,703 4,530 トン
有価物 37,547 32,303 33,451 トン
社内再生利用 548 381 409 トン
リサイクル量 158,687 140,943 107,616 トン
リサイクル率 97.0 96.8 96.9
物流 CO2排出量(スコープ3、カテゴリー4)(国内) 1.8 1.6 1.7 万トン

*1 国内事業場において、主に鉄スクラップを原料とする電炉材を対象とする。2024年から集計を開始

*2 電力のエネルギーは物理量3.6MJ/kWh、燃料のエネルギーは「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算出のための排出原単位データベース(Ver.3.5)」(環境省)に記載の排出係数を使用して算出

*3 国内事業所は、電気事業者別排出係数(環境省・経済産業省公表)、海外事業所は、Emission Factors(IEA公表)の排出係数にて算出

*4 公共水域に排水する製造拠点などに限定

*5 2023年度および2024年度の国内拠点におけるNOx、BOD、COD、窒素化合物およびリン化合物については、データ収集・集計体制の見直しを踏まえ、過年度開示値を再集計しました。本表に掲載している対象項目の数値は再集計後の値であり、過去の開示値とは異なります。

製品ライフサイクル全体での環境負荷低減

当社グループは、製品がつくられてから使われ、役目を終えるまでのすべての過程で、環境への負担をできるだけ小さくすることを大切にしています。
その考え方のもととなっているのが、ライフサイクルアセスメント(LCA)です。
LCAとは、原材料の調達、製造、使用、廃棄・再利用といった各場面で、どれくらい環境に負荷がかかっているかを数字で把握する方法です。
当社グループはこの仕組みにより、環境への影響が大きい部分を見つけ、製品づくりや事業活動の改善につなげています。
こうした考え方のもと、自社の取り組みに加え、調達先やお客さまと連携しながら、ライフサイクル全体での環境負荷低減に取り組んでいます。

ライフサイクルの各段階での取り組み

原材料の調達
製品づくりでは、鉄スクラップを原料とするリサイクル鋼材を積極的に使用しています。
新しい資源の使用を抑えることで、原材料の段階からCO2の削減につなげています。
2025年度には、国内事業所で使用した鋼材のうち54%がリサイクル鋼材となりました。

製造
製作所では、使用するエネルギー量だけでなく、温度や加工時間、設備の稼働状況などもデータとして見えるようにしています。
こうした情報をもとに、エネルギーの無駄を減らす取り組みを進めています。
また、どの工程や設備を改善すると環境への効果が高いのかを考えながら、設備更新や生産工程の見直しを行っています。

使用・保全
製品をお客さまが使用する際のエネルギー消費や、どれだけ長く使えるかも、環境負荷を考えるうえで大切なポイントです。
軸受の長寿命化や摩擦を抑えた設計により、使用中のエネルギーロスを減らし、環境への負担を小さくしています。

廃棄・再利用
使用済みの軸受を再生し、再び使えるようにする取り組みを進めています。
これにより、製品の寿命を延ばし、資源を無駄なく使う循環型のものづくりを実現しています。
新品をつくるだけではなく、再生品を用いた新しいビジネスの形にも取り組んでいます。

商品・サービスを通じた環境への貢献

こうした分析を通じて見えてきた課題を踏まえ、商品やサービスの改良を進めています。

省エネルギーにつながる商品開発
電気自動車(EV)の走行距離を伸ばすことや、産業機械の電力使用を抑えることを目指し、小型・軽量化や摩擦の低減による省エネルギー化を、以下の製品で進めています。

  • 軸受
  • ドライブシャフト
  • ハブベアリング

軸受の再生ビジネス
製紙、鉄鋼、鉄道分野を中心に、使用済み軸受を再生するサービスを提供しています。
再生作業に加え、使い方のトレーニングや設備の状態を見守る仕組みを組み合わせることで、次のような効果を生み出しています。

  • 設備を安定して使い続けられる
  • エネルギー効率が向上する
  • 資源の使用量を抑えられる

環境に配慮した商品の評価
当社グループでは、環境への貢献度が高い商品を独自の基準で評価しています。
この仕組みにより、2025年度の環境貢献商品によるCO2削減貢献量は約187.6万トンとなりました。

IoTによるエネルギーの無駄削減
「しゃべる軸受」などのIoT技術により、設備の状態を分かりやすく見えるようにしています。
異常の兆しを早く察知したり、運転条件を適切に調整したりすることで、無駄なエネルギー消費を減らしています。

これからに向けて

当社グループは、2035年までに自社の事業活動によるCO2排出(スコープ1・2)を実質ゼロにすることを目指しています。
今後も、製品の設計から調達、製造、使用、再利用までを一つの流れとして捉え、環境に配慮した取り組みを進めてまいります。
さらに、風力発電や水素関連分野など、新しい技術にも挑戦し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

製品ライフサイクルを通じた環境負荷低減の考え方

製品ライフサイクルを通じた環境負荷低減の考え方

水資源の管理への取り組み

当社グループは、水資源の保全を重要な課題と捉え、持続可能な水資源の管理を目指しています。具体的には、以下のような取り組みを行っています。

持続可能な水資源の管理への取り組み

項目 取り組み
節水技術の導入 最新の節水技術を導入し、効率的な水使用を実現します。
水質の管理 排水の水質を厳格に管理し、環境への影響を最小限に抑えます。
地域社会との協力 地域社会と協力し、水資源の保全活動を推進します。

効率的な水資源の管理の取り組み

項目 取り組み
取水量の管理 取水量を適切に管理し、無駄な使用を防ぎます。
排水量の削減 排水処理設備の効率化を図り、排水量を削減します。
水資源の再利用 再利用可能な水資源を積極的に活用し、全体の水使用量を減らします。

これらの取り組みにより、持続可能な水資源の管理を実現し、環境保全に貢献してまいります。

水使用量の削減

2025年度の水使用原単位は3.25㎥/百万円(グローバル)となり、目標値である3.95㎥/百万円を達成しました。2026年度も引き続き、水使用原単位のさらなる低減に向けて取り組んでまいります。

水使用量・使用原単位(2025年度)

水使用量・使用原単位(2025年度)

※水使用原単位は、社内管理上の価格指標を用いて算定した「生産高」を分母として算定しています。ESGデータのページでは、外部比較可能性の観点から、「売上高」を分母として算定しています。

水ストレス分析と持続可能な水資源の管理

当社グループは、世界資源研究所(WRI)が提供するツール「AQUEDUCT」を用いて水ストレス分析を行い、水資源の枯渇などに関するリスク管理に活用しています。これにより、将来の水ストレス状況を把握し、持続可能な水資源管理を推進しています。また、定期的に水ストレス状況を評価し、リスクの高い事業所を特定しています。
さらに、水ストレスが高い地域に所在する拠点については、取水量・排水量などの実績データを把握し、水使用の実態を継続的に確認しています。加えて、地区別の水使用量を分析することで、地域ごとの水使用実態を定量的に把握し、各地域の特性に応じた対策の検討につなげています。
下表は、水ストレスが高い地域に所在する主な拠点における取水量および排水量を示したものです。また、下図は、AQUEDUCTによる2050年時点の水ストレス変化の予測と、2025年度の地区別水使用量を示しています。これらの情報をもとに、将来的に水リスクの高まりが想定される地域と、現在の水使用量が多い地域の双方を把握し、優先的に対策を講じるべき地域・拠点の特定に活用しています。

特にインドでは、水リスクが高い地域と位置づけ、以下の具体的なアクションを実施しています。

  • 効率的な水利用技術の導入や再利用システムの構築を進め、水使用量の削減を図っています。
  • 地域社会と協力し、共同で水資源の保護活動を実施しています。
  • 水ストレス状況を定期的にモニタリングし、必要に応じて対策を見直しています。

今後も水リスクの予測・評価を行い、事業継続のリスクを低減するよう取り組みを進めます。

水ストレスが高い地域に所在する主な拠点の取水量・排水量(2025年度)

地区 取水量(㎥) 排水量(㎥) 消費量(㎥)
北米(アメリカ、カナダ) 45,769 32,428 13,341
中南米(メキシコ) 4,457 3,566 891
アジア(インド、中国) 179,746 140,323 39,423

AQUEDUCTによる将来の水ストレス予測(2050年)と地区別水使用量(2025年度)

AQUEDUCTによる将来の水ストレス予測(2050年)と地区別水使用量(2025年度)

インドにおける水資源管理の取り組み

給水設備の改善による水使用量の削減

NTN NEI Manufacturing India Private LTD.(NNMI・インド)は、インド拠点における水資源管理の一環として、日常設備の運用を見直し、水使用量の削減に取り組んでいます。
今回、NNMIでは共用設備における生産プロセス外の生活用水(トイレや清掃などの用途)を対象として、給水設備の改善を実施するとともに、より効率的な水の活用に向けて給水方法の見直しを行いました。
改善前は、これらの設備で使用されるポンプが高圧で繰り返し稼働していたため、水使用量が増えやすい状態となっていました。原因を分析した結果、既設ポンプにはVFD(可変速ドライブ)が搭載されておらず、実際の使用状況に応じた適切な流量制御が難しいことが課題として確認されました。
この課題に対し、NNMIは従来のポンプをVFD制御型ポンプへ更新しました。これにより、必要な水量に応じた給水制御が可能となり、過剰な送水を抑制することで、生産プロセス外の生活用水における水使用量の削減を実現しました。
改善前の2025年2月から11月までの平均水使用量は、月あたり603.67キロリットルでした。改善後の水使用量は、2025年12月に448キロリットル、2026年1月に352キロリットルとなり、全体として使用量の低減が確認されました。削減量は2025年12月に155キロリットル、2026年1月に255キロリットルとなっており、本取り組みの効果が定量的にも示されています。
本取り組みにより、月平均で約100キロリットルの水使用量削減が見込まれています。この設備改善は、限りある水資源を有効活用するための具体的な取り組みの一つです。NNMIは今後も、現場に根差した改善活動を通じて、水資源管理のさらなる高度化を進めてまいります。

水使用量削減に向けて更新した給水ポンプ設備(NNMI)

水使用量削減に向けて更新した給水ポンプ設備(NNMI)

廃棄物発生量の削減と高リサイクル率の維持

2025年度は、リサイクル率の向上に取り組み、96.9%(グローバル)となり、目標である97.0%以上(グローバル)にはわずかに届きませんでした。2026年度も引き続き廃棄物発生の抑制に努め、廃棄物発生量の削減と高リサイクル率の維持を指標として、リサイクル率の目標達成に向けて取り組みます。

廃棄物発生量とリサイクル率(2025年度)

廃棄物発生量とリサイクル率(2025年度)

研削工程で発生するスラッジ固形化

当社グループは、研削スラッジ固形化装置を開発し、グループ内での導入にとどまらず、社外への販売も行っています。金属部品の研削工程から排出されるスラッジは、金属に加えて大量のクーラント液を含んでいますが、本装置を導入することでクーラント液を分離し、スラッジを金属成分の高い固形物に圧縮することにより、マテリアルリサイクルを実現しています。さらに、分離されたクーラント液は装置内でろ過され、再利用されています。2025年度には、4,123トンの固形化された研削スラッジを再資源化しました。

研削スラッジ固形化装置実績(2025年度)

稼働台数 再資源化重量(トン/年)
国内事業所 54 3,143
海外事業所 13 980*1
合計 67 4,123

*1 海外事業所の2025年度実績については、昨年開示時の集計対象を再確認したところ、一部、算定対象外の重量が含まれていたため、算定基準に基づき対象範囲を精査・見直した結果、前回開示値から大幅に減少しました。

包装資材の削減

通い箱ポリ容器の活用を通じた包装材削減の検討

当社グループでは、資源循環の取り組みの一環として、包装材の削減に向けた見直しを進めています。
その中で着目しているのが、工場内や拠点間物流で使用する通い箱ポリ容器です。
通い箱ポリ容器は繰り返し使用できるため、使い捨て包装材の使用抑制につながる可能性があります。現在、各事業所で使用している容器について、仕様、重量、数量、再生材使用の有無などの情報整理を進めています。
現時点では、通い箱の活用による廃プラスチック削減効果を全社で定量化するには、基準年の設定や物流実態の把握などの課題があります。そのため、まずは容器の種類、使用拠点、使用数量などの実態把握を優先しています。
今後は、収集したデータをもとに、容器仕様の見直しや再生材使用品の活用拡大などを検討し、包装材削減に向けた取り組みを進めてまいります。
当社グループは、今後も品質確保を前提に、資源の有効活用と環境負荷の低減に取り組んでまいります。

廃プラスチックの削減

当社グループは、廃プラスチックの削減に向けた取り組みを強化しています。リサイクル技術の向上や廃棄物の適正処理を通じて、環境負荷を低減し、より良い環境と暮らしの実現を目指します。

プラスチック資源循環法への対応

当社グループは、プラスチック資源循環法に対応するため、プラスチック使用量の削減、リサイクルの推進、サプライチェーン全体における協力を強化しています。具体的には、製品設計の見直し、リサイクルシステムの整備、技術開発、情報共有を行い、資源の循環利用を促進する仕組みづくりに取り組んでいます。また、従業員教育と消費者啓発を通じて、環境意識の向上と行動変革を促進しています。これにより、資源の有効活用と環境保全の両立に貢献します。

生産副産物の再利用

当社グループは、生産によって排出されたクーラントなどの生産副産物をそのまま廃棄するのではなく、運用の改善や再生の可能性について外部業者と協議し、再利用の促進に取り組んでいます。たとえば、使用済みクーラントについては、ろ過や精製処理を行うことで再生し、再び生産工程で使用する取り組みを進めています。これにより、廃棄物の削減と資源の有効活用を図っています。

鉱さいリサイクル事業

NTN鋳造(島根県出雲市)では、2021年度に島根県の全面的な支援のもと、官民協力による鉱さいのリサイクル事業を開始しました。当時、埋め立て処分されていた鉱さいは、不溶化剤を混練する不溶化処理により、リサイクル基準に適合し、路盤材や造成地用の盛土材として活用可能な資源となりました。

不溶化処理装置の活用により、2025年度にはNTN鋳造で発生した鉱さい940,830キログラムの全量をリサイクルし、リサイクル率100%を達成しました。また、鉱さいリサイクルの実施により、NTN鋳造の事業所におけるリサイクル率も100%となり、ゼロエミッションへの取り組みが進んでいます。

今後も、地域や関係機関と連携しながら、環境負荷の低減と資源循環の促進に取り組んでまいります。

汚染防止の取り組み(事業活動における環境負荷軽減)

当社グループでは、最新の環境技術を活用した排出ガス削減、循環型水利用システムを含む水質汚染防止対策、定期的な土壌検査と化学物質の管理による土壌汚染対策、製造過程での廃棄物再利用を推進するリサイクル活動、そして従業員の環境教育および地域社会への啓発活動を通じて、事業活動に伴う環境負荷の低減に努めています。

大気汚染の現状と対策

大気汚染は地球規模での環境問題として深刻化しています。当社グループは、排出ガスの削減やクリーンエネルギーの導入を進めることで、大気汚染の改善に貢献しています。

油ミストの回収による大気汚染防止

AMERICAN NTN BEARING MFG.CORP. Elgin Plant(EMF・アメリカ)では、大気汚染防止に向けた取り組みの一環として、油ミストを捕集するミスト回収装置を導入し、発生した油ミストを回収設備へ集約することで、作業環境中に拡散する油ミストの低減を進めています。
あわせて、一部の工程では局所排気フードを設置し、空気中に浮遊する油ミストの効率的な回収を図っています。
これらの取り組みにより、作業環境および周辺環境への影響低減を図るとともに、大気への排出管理の強化につなげています。
また、EMFでは、イリノイ州の大気関連許認可に基づき、排出物質の適切な管理と法令・許認可の遵守を徹底することで、地域環境の保全に努めています。
今後も、設備の適切な運用・維持管理を継続しながら、大気環境負荷のさらなる低減と、事業活動における汚染防止の取り組みの強化を図ってまいります。
NTNグループでは、製造工程で使用する化学物質の適正管理や代替品への転換、排出物質の適切な管理、法令・許認可の遵守、関連設備の適切な運用を通じて、大気環境負荷の低減と大気汚染の防止に継続的に取り組んでまいります。

オイルミスト回収装置(EMF)

オイルミスト回収装置(EMF) オイルミスト回収装置(EMF) オイルミスト回収装置(EMF)

フロン排出抑制法への対応

国内グループは、フロン排出抑制法(フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律)に基づき、法対象の冷媒機器や機械部品の洗浄溶剤について、代替フロン類(HCFC・HFC)の漏えい量および実施した点検・整備の記録を管理しています。2025年度の国内グループ全体での漏えい量は1,121トン-CO2e(NTN単体:847トン-CO2e)でした。今後は、事業所の規模に応じた管理体制の強化を図り、主な法対象であるR22(HCFC-22)などを使用しない冷媒機器や機械部品の洗浄溶剤への切り替えを推進するとともに、代替フロンを使用しないノンフロン機器の導入を積極的に検討してまいります。

フロン類漏えい量

(年度) 2021 2022 2023 2024 2025
NTNグループ(国内)
(トン-CO2e)
1,497 1,988 1,462 1,028 1,121
NTN単体
(トン-CO2e)
1,347 1,436 1,071 820 847

水質汚濁への挑戦

水質汚濁は生態系に重大な影響を及ぼします。当社グループは、排水処理技術の革新と水質管理の徹底を通じて、清浄な水環境の維持に努めています。

洗浄工程での化学物質使用量低減による水質汚濁防止

ICSA INDUSTRIA CUSCINETTI S.P.A.(ICSA・イタリア)では、水質汚濁防止に向けた取り組みの一環として、洗浄工程で使用する洗浄機向けに、生物由来の洗剤を試験導入しました。
この取り組みにより、水処理設備に流入する化学物質の低減を図り、排水処理に伴う環境負荷の軽減につなげることを目指しています。
当該洗剤については、洗浄性、効率、防錆性の観点で品質要件を満たしていることを確認しており、今後は化学物質使用量の低減や処理負荷の軽減に関する結果を継続的に評価してまいります。
この試験では、ICSAの小型洗浄機において良好な結果が確認されたため、ICSAはこの洗剤の使用を主要な洗浄機にも拡大しました。あわせて、洗剤使用前後における工場の処理済み排水の品質を比較するための分析を開始しています。ICSAは、これにより事業活動における汚染防止の取り組みをさらに強化していくことを目指しています。
NTNグループでは、製造工程で使用する化学物質の適正管理や代替物質の採用、排水の水質管理、排水処理の効率化を通じて、水資源の保全と水質汚濁の防止に継続的に取り組んでまいります。

洗浄機での生物由来洗剤の使用の様子(ICSA・イタリア)

洗浄機での生物由来洗剤の使用の様子(ICSA・イタリア)

騒音公害の影響と防止策

騒音公害は人々の健康や生活の質に悪影響を及ぼします。当社グループは、騒音低減技術の開発と適用を通じて、静かな環境の提供を目指しています。

地域社会との共生を目指した騒音対策

NTN紀南製作所(和歌山県西牟婁郡上富田町)では、工場周辺にお住まいの皆さまへの影響をできるだけ抑えるため、敷地内外の状況に応じた騒音対策に取り組んでいます。第一工場の民家側(川側)には、約1メートル間隔で杉の木を植樹し、周辺環境との調和を意識した取り組みを進めています。
また、鍛造職場では壁や天井に吸音材を設置するとともに、防音壁を設けることで、工場外へ伝わる音の低減に努めています。さらに、騒音の大きい設備は、民家や出入口から離れた場所、または工場中央に配置し、周辺への影響の低減を図っています。
当社グループは今後も、各拠点における操業環境の改善を進め、地域社会との共生を大切にしたものづくりを推進していきます。

騒音低減に向けて植樹を行った工場周辺(紀南製作所)

騒音低減に向けて植樹を行った工場周辺(紀南製作所)

PRTR法の対象化学物質の取扱量の削減

当社グループは、国内の製造工程で取り扱う化学物質の中で、PRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)の対象となっている化学物質の使用量の把握・削減に取り組んでいます。2023年4月の法改正により、PRTR法の対象化学物質は515物質(うち特定第一種23物質)に増えました。2025年度は、対象調達品の洗い出しを行い、SDSを収集し、対象化学物質の取扱量を算出しました。特に取扱量の多い8物質(表参照)については、有害性の少ない物質を使用する原材料への代替を図っています。これにより、環境保全への取り組みを一層強化し、地域社会への責任を果たしてまいります。

PRTR法対象化学物質の取扱量(2025年度)

物質名 すべての物質 鋼材に含まれる物質と
その他の物質を分けた場合
取扱量(トン) 取扱量(トン)
クロム及び三価クロム化合物 3,905 44.7% 3,905 45.5%
マンガン及びその化合物 1,842 21.1% 1,842 21.5%
ニッケル 1,570 18.0% 1,570 18.3%
モリブデン及びその化合物 1,264 14.5% 1,264 14.7%
8,581 100%
ジエタノールアミン 45 0.5% 45 27.4%
ほう素化合物 34 0.4% 34 20.9%
炭化けい素 14 0.2% 14 8.8%
トリメチルベンゼン 14 0.2% 14 8.6%
キシレン 13 0.2% 13 8.3%
硫化(2,4,4-トリメチルペンテン) 10 0.1% 10 5.9%
ヘキサヒドロ-1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)-1,3,5-トリアジン 9 0.1% 9 5.8%
亜鉛の水溶性化合物 7 0.1% 7 4.5%
その他 16 0.2% 16 9.9%
合計 8,745 100% 163 100%

鋼材に含まれる物質

有害廃棄物およびその他の廃棄物の管理と運搬・処分委託業者の管理

当社グループは、各国の法規制を遵守し、事業所から発生する廃棄物を適切に処理しています。国内のグループ会社においては、廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)を遵守し、廃棄物の適正処理を行っています。2025年度には、特別管理廃棄物の発生量が567トンに達しました。今後も、特別管理廃棄物を含むすべての廃棄物を法令に基づき適切に処理し続け、許可業者への運搬および処分の委託管理を徹底してまいります。

特別管理廃棄物量

(年度) 2021 2022 2023 2024 2025
NTNグループ(国内)
(トン)
559 582 532 569 567

PCB特別措置法への対応

国内グループでは、PCB特別措置法(ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法)に基づき、PCB含有機器を把握・管理し、計画的に処理を進めています。現在も低濃度PCB含有機器の調査を継続しており、法定期限である2027年3月末までの全量処理に向けて対応を進めています。
これまで、法定期限に先立つ処理の完了を目指して取り組んできましたが、一部では生産再編等の影響により、処理対象機器の確認・対応を継続しています。今後は、各事業所と連携しながら、台帳の整備や現地確認を着実に進め、法定期限内での確実な完了に努めてまいります。
引き続き、法令遵守を最優先に、環境負荷の低減と社会的責任の遂行に取り組んでまいります。