2023年度のCSR活動をご紹介します。
カーボンニュートラルの実現
気候変動への対応
当社グループは、気候変動への対応として、カーボンニュートラル活動を推進しており、「スコープ1、2は2030年度までに2018年度比50%減、2035年度カーボンニュートラル達成、スコープ3は2050年度までにカーボンニュートラル達成」という目標を設定し、事業活動におけるCO2排出量の削減を推進しています。
なお、2018年度はコロナ禍による減産の影響を受けない直近の年度であり、基準年度に設定しております。
※当社では、GHG排出量のうち、エネルギー起源の二酸化炭素(CO2)排出量のみを対象に算定および報告しています。
■当社グループのカーボンニュートラル目標

グローバル推進体制の確立
当社グループのカーボンニュートラル活動をグローバルで推進するための体制を確立しました。2023年4月にカーボンニュートラル戦略推進部が発足し、7月に全社的なカーボンニュートラル推進委員会と、グローバル各地区のメンバーで構成される地区部会を新設し、グローバル推進体制を整備しました。
2024年1月には、全体会議の場として、第2回カーボンニュートラル推進委員会を開催し、カーボンニュートラル目標の達成に向けた各地区のカーボンニュートラルロードマップを集約し、グローバルロードマップを作成しました。今後、このグローバルロードマップにもとづき、目標達成に向けた活動を着実に推進します。
■カーボンニュートラル推進体制図

カーボンニュートラルロードマップの作成
当社グループは、カーボンニュートラル目標を設定して活動を推進しており、その活動の指標となるカーボンニュートラルロードマップを作成しました。全社的なグローバルロードマップだけでなく、国内・海外各地区のロードマップも作成し、定期的に活動状況をフォローしています。
■カーボンニュートラルロードマップ

各スコープでの削減施策
各スコープにおける取り組みの全体像を示します。社内で電化や省エネ、自然エネルギー発電の導入など、CO2排出削減の改善活動を推進するとともに、外部機関とも協業して活動を加速します。
■各スコープにおける取り組み

CO2排出量削減の実績と取り組み
自社の排出量(スコープ1(直接排出)、スコープ2(間接排出))
当社グループは、2030年度に2018年度比50%削減、2035年度カーボンニュートラルを目標として、活動に取り組んでいます。
2023年度の実績は、スコープ1:90,943トン(国内:50,591トン 海外:40,352トン)、スコープ2:445,425トン(国内:219,669トン 海外:225,756トン)です。
なお、スコープ2については、国内事業所はマーケット基準手法の排出係数、海外事業所はロケーション基準手法の排出係数にて算出しています。
■スコープ1、2の実績・目標グラフ

取り組み事例
CO2削減への取り組み事例を紹介します。
熱処理設備の省エネ施策
熱処理設備のCO2排出削減に向け、燃料転換・電化、省エネ、雰囲気ガス対策の3つの施策を進めています。2017年以降、新たに導入した熱処理炉はすべて電気炉です。さらに高効率断熱材を導入して熱処理炉の外壁からの熱損失を最小化し、燃料使用量を削減しています。また、普通焼入れ専用炉では、雰囲気ガス対策により、CO2排出量の削減を進めています。
■熱処理設備の省エネ施策

和歌山製作所の事例
2023年度、本格稼働を開始した和歌山製作所の事例です。
焼入れ炉は、すべて電気炉を導入して、スコープ1における電化を推進しています。電気炉でない場合と比べて、LPG使用量を57%削減しました。
また、スコープ2における取り組みとして、炉の外壁に高効率断熱材を設置することで、電気使用量を11%削減しました。製作所内で使用する電力は、すべてCO2フリー電力を導入しており、製作所のCO2排出量を約85%削減できました。
さらに、自然エネルギーによる発電も活用しており、当社商品であるコンテナに風力発電と太陽光パネルを組み合わせた「N3 エヌキューブ」や、風力発電と太陽光パネルを併用した独立電源「NTNグリーンパワーステーション」を導入済みであるほか、製作所の建屋に太陽光パネルを設置しています。
■和歌山製作所の事例

生産工場における電力の見える化と省エネ改善
自社によるCO2排出量は、電力由来が約80%となっています。
製造ブロック・ラインなどの適切な範囲で商品加工に使用する電力の見える化を行い、優先順位をつけて、省エネ施策を推進しています。
カーボンニュートラル担当部門だけでなく、情報システム部門、生産技術部門などの関係部門も参画し、各工場の製造ブロック単位における電力・エア消費量の見える化システムの仕様、工場内ネットワークの検討を進めています。
効果のあった省エネ施策は、データベース化して、国内だけでなく、海外の事業所にグローバル展開しています。
■エネルギー見える化システム(開発イメージ)

インターナルカーボンプライシングの運用
インターナルカーボンプライシングは、カーボンニュートラル達成のために必要な仕組みであると考えています。当社グループでも2023年4月1日より、経済的かつCO2排出量が少ない設備を選定するための投資判断指標として、インターナルカーボンプライシングを導入しています。
自然エネ発電の導入と再エネ電力購入の推進
導入実績
当社グループは、事業所内に各種スキーム(PPA、リース、自己投資)による自家消費型の自然エネルギーの発電設備を導入し、CO2排出量(スコープ2)の低減に取り組んでいます。また、再生可能エネルギーやクレジットにより、カーボンオフセットされた電力などの調達を積極的に推進しています。2023年度、国内47,548トン、海外12,104トンのCO2を削減しました。
■自然エネ発電実績(2023年度)
| 地域 | 発電量(kWh) | CO2削減量(トン-CO2) |
|---|---|---|
| 国内 | 1,641,485 | 765 |
| ブラジル | 5,400 | 1 |
| メキシコ | 204,341 | 83 |
| タイ | 584,879 | 272 |
| インド | 4,944 | 4 |
| 中国 | 11,739,348 | 7,153 |
| 合計 | 14,180,397 | 8,278 |
■再エネ電力購入実績(2023年度)
| 地域 | 調達量 (kWh) |
CO2削減量(トン-CO2) |
|---|---|---|
| 国内 | 106,179,056 | 46,783 |
| ドイツ | 13,222,200 | 4,591 |
| 合計 | 119,401,256 | 51,374 |
活動事例
自然エネルギーによる発電は、中国で先行しておりましたが、他の海外拠点でも導入を進めています。日本でもPPAを活用した太陽光発電を2021年に桑名製作所で初めて導入しましたが、2025年度までに追加設置を予定しています。また、他の製作所や国内外の関係会社への設置検討を進めています。
CO2フリー電力は、ドイツで2020年から購入を開始していますが、日本国内でも2023年6月より一部の事業所で導入を開始し、2024年度中には全生産事業所への導入を目指します。
■自然エネ発電の導入とCO2フリー電力購入の推進

サプライチェーンのCO2排出量(スコープ3)
当社グループは、2050年度にサプライチェーン排出量(スコープ3)を含むカーボンニュートラルを目標としています。国内の事業所では、産業連関表およびIDEA(Inventory Database for Environmental Analysis)の原単位を使用し、スコープ3算定を行っています。全カテゴリーの中で、最大の排出量となっているカテゴリー1「購入した製品・サービス」は、その大半が原材料の鉄鋼材料や半製品である鍛造品、旋削品などの仕掛品の調達によるものです。今後は、使用する原単位の見直しなどスコープ3算定方法の改善を図り、実態に即した排出量の把握と削減に向けた活動をグローバルで推進していきます。
■サプライチェーン排出量(スコープ3)[国内]
(単位: トン)
| カテゴリー | 2022年度*1 | 2023年度*1 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 構成比 | 前年度比 | 第三者 検証 |
||||
| 1 | 購入した製品・サービス | 2,011,395 | 2,189,792 | 93.71% | 8.87% | ○ |
| 2 | 資本財 | 31,648 | 46,432 | 1.99% | 46.71% | ○ |
| 3 | スコープ1、2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 | 56,836 | 54,783 | 2.34% | -3.61% | ○ |
| 4 | 輸送、配送(上流) <対象外> | - | - | - | - | |
| 5 | 事業から出る廃棄物 | 16,192 | 16,905 | 0.72% | 4.40% | |
| 6 | 出張 | 1,290 | 1,285 | 0.05% | -0.39% | |
| 7 | 雇用者の通勤 | 4,687 | 4,667 | 0.20% | -0.43% | |
| 8 | リース資産(上流) <対象外> | - | - | - | - | |
| 9 | 輸送、配送(下流)*2 | 12,666 | 17,582 | 0.75% | 38.81% | ○ |
| 10 | 販売した製品の加工 <対象外> | - | - | - | - | |
| 11 | 販売した製品の使用 <対象外> | - | - | - | - | |
| 12 | 販売した製品の廃棄 | 7,061 | 5,233 | 0.22% | -25.89% | |
| 13 | リース資産(下流) <対象外> | - | - | - | - | |
| 14 | フランチャイズ <対象外> | - | - | - | - | |
| 15 | 投資 <対象外> | - | - | - | - | |
| カテゴリー1~15の合計 | 2,141,775 | 2,336,679 | 100.00% | 9.10% | ||
*1「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver3.3)」(環境省)に記載の排出係数を使用して算出
*2 カテゴリー9の検証範囲は、「NTNが荷主となる国内物流」に限定
サプライヤーとの協業および物流の効率化
当社グループは、2050年度にサプライチェーン排出量(スコープ3)を含むカーボンニュートラルの目標を設定しました。将来的に、CO2フリー電力を使用して生産された鋼材を調達するための情報収集や検討を進めています。
2023年5月には、サプライヤーに対して、当社の事業方針を説明する場で、当社のカーボンニュートラルに取り組む背景や目標を共有するとともに、省エネ事例を紹介するなど協業に向けた活動を展開しています。
また、物流ルートの最適化による輸送距離の短縮など、物流の効率化を図ることで商品輸送時のCO2排出量の削減に取り組んでいます。
■サプライヤーとの協業および物流の効率化
GXリーグへの参画
当社は、経済産業省が主導する「GXリーグ」に設立当初から参画しています。「GXリーグ」は、2050年カーボンニュートラルの実現と社会変革を見据えてGX(グリーントランスフォーメーション)への挑戦を行い、持続的な成長実現を目指す企業が産官学で連携し、経済社会システム全体の変革と新たな市場の創造のための議論や実践を行う場として2023年に発足し、2024年から本格的に活動が始まっています。
当社のカーボンニュートラル活動の方向性と合致することから、2022年4月に「GXリーグ基本構想」に賛同したことに引き続き、「GXリーグ」に参画しました。
カーボンニュートラル実現に向けた当社活動を今後より一層加速させるとともに、「GXリーグ」を通じて他の参画企業や団体と連携することにより、社会全体の脱炭素化と新たな経済成長の機会創出に貢献していきます。
サステナビリティ・リンク・ローン
サステナビリティ活動と連動した資金調達によって、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを加速するため、2023年10月に農林中央金庫とサステナビリティ・リンク・ローン契約を締結しました。
農林中央金庫のご支援のもと、融資条件に連動する達成目標(SPTs)や適用金利、レポーティングなどの要件を定めたサステナビリティ・リンク・ファイナンス・フレームワークを策定しました。本フレームワークでは、当社グループが掲げる脱炭素化に向けた目標「2035年度カーボンニュートラル達成(サプライチェーンを含めて2050年度)」の実現に向けた中間目標の達成状況をSPTsとして設定しており、今後はSPTsの達成を目指し、CO2排出量削減の取り組みを加速させていきます。なお、2023年度は他にも明治安田生命保険相互会社、株式会社中国銀行とも契約を締結しています。
社内教育
カーボンニュートラル活動を推進するにあたり、従業員全員の参加が不可欠です。そのため、従業員のさらなる理解と活性化を趣旨として、カーボンニュートラルに関する社内教育を実施しています。
また、身近にあるカーボンニュートラルに関する話題を、カーボンニュートラルニュースとして、定期的に配信し、理解や関心を深める活動をしています。ニュースの配信は日本語版と英語版で作成し、海外の事業所にも発信しています。海外事業所では、現地の言語に翻訳して現地従業員に展開するなど、有効に活用されています。
第三者による検証意見書
2023年度のCO2排出量に対する第三者検証(SGSジャパン株式会社)を受審し、スコープ1、2及びスコープ3カテゴリー1、2、3、9において、その算出方法に問題がないことを確認しました。
■第三者による検証意見書
| 検証意見書 | (PDF: 794KB) |
|---|