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2021年度のCSR活動をご紹介します。

お客さまとの関係

品質保証体制の構築

顧客満足度向上に向けた品質づくり

製品の軽量化、静粛性、省エネにつながる低トルク化、長寿命など、お客さまが要求するニーズは時代と共に変化しています。お客さまに満足して当社製品を使用していただくには、時代とともに変化するお客さまの要求に俊敏に対応し、お客さまとの信頼関係を築いていくことが重要です。当社は、もの造りのすべての基本理念となる「品質基本方針」のもと、グローバルでの商品品質の維持・向上に努め、お客さまに満足いただける品質づくりをしています。
また、お客さまの満足度、要望事項などの声を直接聞く機会として、顧客満足度調査をしています。2021年度の調査では、計113社のお客さまにご回答をいただき、総合評価で「大変良い」「概ね良い」と回答いただいた割合が88%となりました。今後もさらなる満足度の向上に向けてお客さまのニーズに即応した品質を提供していきます。

品質基本方針

お客さまの要求機能、仕様を満足する適正品質の追求

  • お客さまの要求変化に即応するものであること(適応品質)
  • 競争品質に勝つものであること(競争品質)
  • 企業に利益をもたらすものであること(経済品質)

品質スローガン

Quality is our future.

~品質で未来を造る~

Quality is our future.

品質マネジメントシステム

当社グループは、顧客満足度向上および一貫した製品・サービス提供のため、国際的なマネジメントシステム規格である、ISO9001認証を国内外の生産拠点で取得しています。新規事業や新たに立ち上げた工場も順次認証取得に取り組んでおり、製造に関する国内外の連結子会社では、品質マネジメントシステムの認証を100%取得しています。
また、自動車産業向け規格であるIATF16949認証や、航空・宇宙産業向けの規格であるJIS Q 9100やNadcap、鉄道産業向けのCRCC(中国)の認証取得もしています。

安定した品質の確保

新規開発品、工程変更について、リスク管理分析シート活用による管理を強化しています。リスク分析では、すべての関係部門が参画し、それぞれの観点から確認・評価することで、品質リスクの早期発見や未然防止を図り、確実な品質確保につなげています。
また、製造拠点(取引先さま含む)の品質監査の推進や、品質管理のポイントをまとめたチェックシートをグローバルに展開、点検結果を刈り取り、品質問題の発生リスクや予防処置の有効性を確認しています。また、グローバルでお客さまの苦情やクレーム情報を一元管理する品質情報管理システム(G-QUICK)を活用し、関係部門に即時展開し、問題の早期解決を図っています。

品質月間活動

品質月間ポスター
品質月間ポスター

全従業員のさらなる品質意識向上を目的に、毎年11月に『品質月間』としてさまざまな活動をしています。2021年度の当社テーマは、『未来を創る確かな品質 新たな視点で更なる改善』として、品質が当社の未来を創ることを各自が再認識し、新たな視点で更なる改善を促す機会としました。部門ごとに重点施策を推進し、NTNグローバルでの品質向上に取り組んでいます。

安定供給の基盤づくり

国内工場の効率的な生産体制の構築

当社は2020年8月に、サプライチェーンマネジメント(以降、SCM)領域において新基幹システムの稼働を開始し、システムの定着と継続的な改善を進めています。この新基幹システムを活用し、当社グループの保有する国内リソース(工場)を有効活用することで、最大限のアウトプットを生み出す効率的な生産体制の構築を図ります。
新システムでは、国内のお客さまからの発注・最新内示情報、および国内外のグループ販売会社からの情報に加えて、統計予測を活用した先行12ヵ月の需要情報を日々更新しています。この需要情報に基づき以下施策を実行し、効率的な生産体制を実現します。

  • ・ 素材/加工材/部品など調達の先行検討および安定確保
  • ・ 製造拠点での先行負荷検証による需要増減に合わせた稼働体制変更と人員確保
  • ・ 複数拠点間での生産応援や生産移管の先行実施
  • ・ 需要減少時での速やかな生産調整(減産)実施による棚卸資産の抑制

今後も、グローバルにて、お客さまに対する当社製品の一層の安定供給を図るとともに、市場・経済状況変化へのフレキシブルな対応を進めます。

論理的な品番別在庫基準の設定と維持

新基幹システムでの生産計画は、お客さまからの発注・最新内示情報や統計手法を用いた需要予測と品目別の論理的な「基準在庫」設定に基づき、自動立案されています。この基準在庫設定は、製造リードタイムや生産頻度、需要計画精度に基づく安全係数などを組み合わせ算出したもので、出荷品目ごとにシステムへのマスター設定を行っています。基準在庫を遵守することにより、需要変動を準備在庫内で吸収しお客さまへの安定供給を実現します。また、過剰在庫の発生を防止、棚卸資産の抑制も図ります。当該マスターの維持更新については、販売実績の推移や需要計画精度を監視し、定期的な見直しを行います。

事業本部を横断した生産・販売・在庫の統括

基幹システムの再構築に併せて、販売・生産部門から独立した需給統括部を設立しました。お客さまや市場要求に合わせたより一層の製品安定供給を実現するため、需給統括部による各事業本部を横断した、販売/生産/在庫の管理・調整の総括を目的としています。
システムを活用し、先行12ヵ月の需要情報をもとに製造拠点の先行負荷を検証、負荷オーバーが発生する場合においては、生産能力の増強検討および需要情報の精査・調整を行います。また、必要に応じて生産・販売会議も開催、見直し後の需要情報と品目別に設定された基準在庫より、システムを通じて生産計画を自動立案し各工場への生産指示として展開します。これらにより、各事業本部主体での個別最適の需給調整から、事業本部を横断した全体最適を図る需給調整の体制を確立します。

安定供給のためのデジタル技術の活用

新基幹システムの安定化

当社の基幹システムの再構築は、全社プロジェクトとして、ERPなど新たなパッケージシステムを用いて業務プロセスとシステムを標準化することで、今後のDX推進を支えるIT基盤とし、ビジネススピードとサービスレベルの向上、業務の効率化を推進しています。財務会計、人事・給与、技術の領域の新システムの稼動に続き、SCM領域では、2020年8月から完成品の販売・物流・需給調整・在庫管理などに関する新システムが本稼動しました。その後、各工場の生産・調達・工程・仕掛・原価領域への新システムの導入活動を推進し、2022年1月磐田製作所の等速ジョイント工場・岡山製作所・袋井製作所、2022年5月能登製作所・赤磐製作所などの拠点で新システムが稼働しました。引き続き他工場への導入活動を推進しております。
新システム稼動により、営業活動のデジタル化や案件管理システムの導入による図面や試作品管理の効率化、価格や納期回答の迅速化、在庫管理の強化、原価管理の高度化を実現しています。また、お客さまの需要や発注情報をEDIやeコマースなどを活用して受信するだけでなく、鮮度の高い需要情報や在庫情報、販売実績をもとに、統計予測も用いた先行きの需要計画を工場へ連携することで、お客さまへの安定供給と需要変動などへのフレキシブルな対応を目指します。

*ERPとは、Enterprise Resource Planning(企業資源計画)の略。
「販売」、「物流」、「生産」、「会計」、「人事」など、企業の基幹業務を統括するパッケージソフト。

NTN基幹システム全体図(2022年6月時点)

NTN基幹システム全体図(2022年6月時点)

情報セキュリティの強化

日々複雑化、巧妙化する企業を狙うコンピュータウイルスやサイバー攻撃に対し、当社製品をお客さまへ安定供給するため、以下の観点で情報セキュリティ対策を推進しています。

  • ・ 情報セキュリティに関する緊急対応体制の整備
  • ・ 重要データの保護と復旧対応の迅速化
  • ・ 被害を最小化に留める検知、被害に遭うリスクを低減させる防御の仕組みの強化

すべての従業員を対象に、脅威情報の提供やeラーニングを通じた情報セキュリティ教育の実施など、ルール、ガバナンスの徹底にも取り組んでいます。また「働き方改革」や新型コロナウイルス感染拡大の防止を背景にテレワークが拡大しているため、従業員が場所の制約にとらわれず安心・安全に業務を行えるよう、テレワーク時もサイバー攻撃被害に遭うリスクを低減させる検知、防御の仕組みを導入し、日々モニタリングを行うことで、情報セキュリティの強化を進めています。