2021年度のCSR活動をご紹介します。
環境保護
生物多様性の保全
当社グループは、地域住民やNPO（民間非営利団体）と連携し、企業の森活動などによる植林、各事業所の周辺地域の絶滅危惧種保護および自然公園の整備などの生物多様性保全の活動を実施しています。2022年3月期は、コロナ禍において感染予防対策のため活動が制限されましたが、活動内容の在り方を検討しながら引き続き活動に取り組んでいます。
絶滅危惧種、野生動物の保護・生息域保全
絶滅危惧種ミヤマシジミ（蝶）の保護活動
長野製作所（長野県上伊那郡）では、長野県絶滅危惧種パートナーシップ協定により、場内に絶滅危惧種であるミヤマシジミの保護区を設置して保護活動を継続しています。定着を促進するために幼虫の餌となるコマツナギを植えて、ネットで囲った産卵場所にミヤマシジミの成虫を放虫しました。アシナガバチやクモなどの天敵の発生や、降雨や強風などの天候の関係から思い通りにならないこともありましたが、ネットで囲った産卵場所の上部空間を狭くして数日間とどまらせるなど工夫を凝らしました。取り組みの結果、2019年の5匹から2020年の80匹を経て、2021年には185匹のミヤマシジミの成虫が定着に成功しました。今後も引き続き個体数増加のため活動を継続します。
■ミヤマシジミ♂成虫
植林および森林活動
長野県より森林CO2吸収量認証書を受領
長野製作所（長野県上伊那郡）では、2007年3月期から長野県の「森林（もり）の里親促進事業」の一環として、駒ケ根市の森林の整備を継続して行っています。この度、長野県より令和3年度の施業面積10.73haに対し、54.2トンのCO2吸収量が認定され、認証書を受領しました。2021年は、コロナ禍で活動規模が縮小しましたが、今後も活動を継続します。
■森林CO2吸収量認証書
水域の清掃活動
新野川・筬川の整備
NTN御前崎製作所（静岡県御前崎市）では、御前崎市役所と御前崎市にある企業22社で構成される「新筬会（しんせいかい）」（新野川・筬川（おさがわ）の自然を守る会）に参加し、新野川・筬川の清掃や水生生物調査、国道150号線沿いのゴミ拾い、こども園へのメダカ配布事業などを実施しています。2022年3月期は、約20人が参加してゴミ拾いを行い、河川周辺の空き缶やプラスチックなどを回収しました。参加者全員が、河川にいる水生生物を保護できていると実感することができ、清掃活動継続のモチベーションになっています。
事業活動における環境負荷軽減
環境規制への対応
当社グループは、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音・振動、地盤沈下および悪臭などの対策として法規制の基準を遵守するとともに、さらなる環境規制への対応の強化に取り組んでいます。
コンプレッサー用ドレン油水分離装置の設置
NTN三重製作所（三重県桑名市）では、コンプレッサーからのドレン排水を含む3系統の工場排水を屋外のタンクに貯留し、油水分離の処理をして場外へ排出しています。しかしながら、油水分離後の最終タンクの水質が、社内基準値を超過する恐れがあったため、タンク内の水質の調査を行いました。結果、コンプレッサーからのドレン排水が最も油分を含んでいることが判明し、2022年2月、コンプレッサーにドレン油水分離装置を取り付けました。本装置の導入により、排水内の油分を取り除くことが可能となり、コンプレッサードレン排水内の油分量が29mg/リットルから0.5mg/リットルに改善され、屋外最終タンクの水質を安定的に確保できるようになりました。
■コンプレッサー用ドレン油水分離装置（三重製作所）
塗装工程におけるVOC排ガス処理装置と自動監視システムを導入
上海恩梯恩精密機電有限公司（SNC・中国）では、塗装工程から排出される揮発性有機化合物（VOC）の外部への流失を削減するため、最新の処理装置（触媒酸化装置）と排ガスモニタリング設備を導入し、95％以上の除去率を達成しました。中国では、2020年に「重汚染天気重点業界緊急排出削減制定技術指針」が改訂され、排ガスの厳格な処理が要求されるようになりました。本装置はゼオライトを吸着材としたフィルターと触媒酸化装置を組み合わせた装置であり、また、排ガスの成分を常時モニタリングする設備により、測定した結果をネットワークにアップロードし、排出管理と行政への情報開示を徹底しています。
■VOC排ガス処理装置（SNC）
ファン・クーリングタワーの騒音低減対策を実施
NTN Driveshaft do Brasil（NDB・ブラジル）では、設備冷却用として屋外設置の冷却塔（クーリングタワー）の騒音が外部に漏れ、対策が必要なレベルとなっていました。この度、防音対策として冷却塔の外側に防音壁を設置しました。この対策により、騒音は問題のないレベルに軽減されました。
■冷却塔防音対策（NDB）
地域への環境貢献
当社グループは、従業員同士が一致団結し、工場周辺やその他の地域の清掃活動などさまざまな環境貢献活動を通じて、近隣住民と良好な関係が築けるよう活動を推進しています。今後も活動を通じて、近隣住民はじめ利害関係者により愛される企業となれるよう一層努力します。
アドプト・ア・ハイウェイプログラム：バウワー・ロード（1km）の清掃活動
NTN-BOWER Macomb Plant (MMF、アメリカ)では、地域貢献活動の一環として、バウアーロード沿いの清掃活動を行っています。アドプト・ア・ハイウェイプログラムと呼ばれるこの活動は、春と夏の毎週、従業員が黄色いベストを着用し、用水路と道のゴミを拾うなどの清掃を行っています。お客さまや近隣住民の方に良い印象をもっていただいているとともに、道沿いの植物や動物にもいい影響を与えられていると実感しています。
■バウワー・ロードの清掃活動（MMF）
