2020年度のCSR活動をご紹介します。
人権の尊重
人権に対する基本的な考え方
当社グループは、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、経営の基本方針に掲げる「人権の尊重」を重視し、事業活動に取り組むことをコミットしました。(2019年12月)
2020年7月には、人権基本方針を制定し、その中で当社グループだけではなくサプライチェーン全体で、人権デューデリジェンスの仕組みの構築に取り組むことにしました。
当社グループのマテリアリティに「人権の尊重」を掲げ、人権尊重の取り組みを具体化し、グローバルでの持続可能な社会の実現に貢献していきます。
人権デューデリジェンス
当社グループは人権デューデリジェンスの構築に取り組みます。「ビジネスと人権に関する指導原則」にある尊重(respect)と救済(remedy)の2つの観点から「サプライチェーンにおける人権リスク対応」、「従業員における人権リスク対応」、「救済へのアクセスの構築」を優先的に進めていきます。
■人権デューデリジェンスの全体像
人権基本方針
当社グループは人権への取り組みをなお一層推進するために、当社グループ全従業員が人権に関し統一した価値観を共有し、日々の行動や業務遂行の拠り所となる人権基本方針を策定し、人権尊重に取り組んでいます。
この人権基本方針をもとに、持続可能な開発目標SDGsや英国現代奴隷法など、ますますグローバルスタンダード化する人権課題へ取り組み、人権尊重に関する企業責任を果たしていきます。
人権基本方針の骨子
- 1.国際的に認められた人権を尊重すること
- 2.他者の人権を侵害しないこと
- 3.自社の事業活動上人権への負の影響に関与した場合には適切に対処すること
従業員における人権リスク対応
労使協議に基づく健全な労使関係
当社は、労使お互いが情報交換できる場の中で、労使で各施策の内容を共有していくことに努めています。経営者から事業運営方針や経営環境などを労働組合に十分な説明を行い、労働組合の意見にも耳を傾ける場である「労使経営懇談会」を四半期毎に開催しています。また、“働きがい”や“働きやすさ”の向上につながる各施策に応じた労使委員会を適宜に開催し、意見交換を密に行い、働く場としての魅力向上につながる働き方を決定しています。
外国人労働者の実態調査
当社グループにおける従業員の就労状況を調査し、外国人労働者の実態について把握、対処していきます。
サプライチェーンにおける人権リスク対応
強制労働や児童労働への対応(紛争鉱物調査の実施)
コンゴ民主共和国(DRC)および隣接国の紛争地域におけるスズ、タンタル、タングステン、金(3TG)の採掘から得られる利益は武装勢力の資金源となり、人権侵害や違法採掘、密輸につながる可能性があります。
当社は2016年4月にCSR調達ガイドラインを制定し、「責任ある鉱物調達」を掲げ、当社の商品に使用される材料や構成部品に含まれる鉱物資源が、紛争地域・高リスク地域から採掘されたものでないか継続的に監視しています。
2021年3月期は、対象取引先さま285社についてサプライチェーンを遡り、製錬所を特定する調査を実施し、93%の取引先さまに協力を得て回答をいただきました。調査の結果、紛争鉱物の使用は確認されませんでしたが、今後も定期的に調査を実施していきます。
また、米国証券取引所に上場している企業は、米国ドッド・フランク法に基づき、紛争鉱物の使用の開示が義務づけられています。当社はお客さまからの紛争鉱物に関するお問合わせに対して上述の調査をもとに回答しています。
人権問題に対する世界の潮流とともに企業の意識も高まっており、米国ドッド・フランク法に関わらず自主的に紛争鉱物の使用を排除する企業など対応件数は下図の通り増加傾向にあります。
■紛争鉱物調査実績(お客さまからの依頼対応)