2020年度のCSR活動をご紹介します。
地域社会・国際社会との関係
地域社会貢献に対する基本的な考え方
当社グループは、NTNスピリットの信条“協働”の中で「自然環境を大切にし、地域社会と共生し続けます」を定めています。事業活動を通じて社会へ貢献するのはもちろんのこと、SDGsの目標達成に向けて、世界各地で地域に根付いたさまざまな活動を展開しています。
「NTN回る学校」がつなぐ人と地域
当社では、地域社会との共生を目指し、従業員による地域との触れ合いや次世代育成の場として、2017年に「NTN回る学校」を開校しました。次世代を担う子どもたちに環境や省エネルギーについて楽しく学んでもらうことをコンセプトにした移動型の学校です。これまでの実施回数は40回以上、参加者は延べ17,000人*以上になり、各地域で多様な方々との絆が深まってきています。
*対象:本社主管のイベント
NTN回る学校についてのより詳しい情報はこちらから → https://www.ntn.co.jp/japan/rotatingschool/index.html
モノづくり体感スタジアム オンライン
モノづくり日本会議/日刊工業新聞社が主催する「モノづくり体感スタジアム オンライン」へ出展しました。
「モノづくり体感スタジアム」は、次世代を担う子どもたちにものづくりや科学の楽しさを知ってもらうことを目的とした体験型のイベントです。2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、初めてオンラインで開催されました。私たちも対面での活動を自粛せざるを得ない中、「NTN回る学校」のプログラムのひとつである「回るシンフォニー」を当イベントで紹介することができました。これは楽器の音からイメージを膨らませ、さまざまな楽器の音をつないでひとつの物語(曲)づくりを楽しむプログラムです。身近なものを楽器として演奏することができ、ご家庭で親子一緒に音楽づくりをお楽しみいただけます。
モノづくり体感スタジアム オンラインはこちらから → https://mono-stu.jp/past/y2020_online.php
■親子で楽しめる「回るシンフォニー」
各地での取り組み
日本
(株)NTN紀南製作所が小学生向け工場見学会を開催し、地元の小学生25名が同製作所を訪れ、ものづくりについて学びました。参加者のマスク着用呼びかけのほか、質疑応答を屋外で実施するなど、感染症対策を十分に実施した上で開催しました。(2021年3月)
はじめに事業内容とベアリングについて紹介したところ、子供たちはベアリングが自分たちの身の回りでもたくさん使われている部品ということや、地元に世界有数のベアリングメーカーがあることを知って驚いていました。第二工場では代表者に世界最大級の横型熱間鍛造機の圧造部のカバーを開けるスイッチ操作をしてもらい、大きな機械の動きを見てもらいました。小学生からは「またNTNの工場見学に行きたいと思った」「機械の値段の高さに驚いたといった感想があり、ものづくりについて多くを学んでもらえた見学会となりました。
■小学生向け工場見学会の様子
ロゴ入りのキャップを被って見学する小学生
米州
NTN BEARING CORP. OF CANADA LTD.(以下、NBCC)はオンタリオ州ミシサガにある自社敷地内にガーデニング区画を設け、従業員が率先して、種まきから農作物収穫までを行っています。そこで収穫された新鮮なレタスやトマトなどの農作物はすべてHaven Tronto(ホームレス支援施設)へ寄付され、栄養価の高い食事を取ることで、ホームレスの健康増進に役立てられます。コロナ禍において、ホームレスの食糧寄付不足が多く報告されている中、NBCCでは当該施設で1日200人以上が栄養価の高い食事を無料で楽しめる機会を提供しています。新鮮な空気や緑に触れ、身体を動かしながら行うガーデニングが農作物の寄付につながることはもちろん、従業員にとっても支援活動への参加意欲を高め、誇りの醸成にもつながっています。
■ホームレス支援施設のためのガーデニング
欧州
イタリアの製造拠点であるICSA Industria Cuscinetti S.P.A.
(以下、ICSA*)が地元の小中学校に中古パソコン30台を寄付しました。(2020年9月)
この小中学校はICSAの工場の近くに位置し、従業員の子どもたちも通う、ICSAにとって身近な学校です。ICSAの工場には、工場の設備更新により、使用しなくなったパソコンが保管されており、いずれもモニターやキーボードなどの付属品が十分に使用できることから、IT部門の従業員の発案で次世代教育に役立ててもらうために学校に寄贈することになりました。寄付にあたっては初期化など、必要な設定を事前に行いました。寄付されたパソコンは子どもたちの情報教育に使用されます。ICSAは今後も地元の教育機関や子どもたちとの交流を通じて、地域社会に貢献していきます。
*ICSAはイタリア北西部・トリノに位置する製造拠点で、2013年にNTNグループの関係会社となりました。
■地元の小中学校にパソコンを寄付
感染症対策を十分にとった上での寄贈式
寄贈された30台のパソコン
アジア
NTNタイ販売では聴覚障がいを持つ子どもたち向けに、近隣に位置する障がい者学校で体験学習会を開催しました。(2020年10月)
タイの障がい者学校は政府からの支援が少なく、教員数も不足しており、生徒に十分な教育や設備を提供できないという課題を抱えています。従業員が地域貢献活動の一環として、何か子どもたちのためにできないか学校側に呼びかけた結果、さまざまな体験学習を子どもたちと行うことになりました。従業員が古紙を再利用したノート作りのワークショップを行い、環境や資源の大切さについて教えました。子どもたちは好きなように表紙に絵を描いたりして自分だけのノートを作りました。また、タイ伝統の染物体験、学校の庭でガーデニングなどを行い、一緒に楽しみました。子どもたちは終始明るい表情で、従業員にも手話を教えてくれるなど、交流を図ることができました。参加した従業員にとっても地域社会との交流の大切さについて考えるよい機会となりました。
■聴覚障がいを持つ子どもたち向け体験学習会の様子
完成した庭は「NTNガーデン」と命名
できあがった染物を持って記念撮影
大学生・高校生とのオンラインダイアログ
当社は、CSR活動の一環として、次世代を担う学生との交流を積極的に行っています。新型コロナウイルスの感染拡大により、対面形式ではなくオンライン会議ツールを活用しての実施となりました。
2020年10月には「障がい者雇用の取り組み」をテーマに大阪府立千里高等学校の学生に、障がい者雇用に関する法律や当社製作所内にある「夢工房」などNTNの実情について伝え、ダイバーシティの推進により変革を加速させることを説明しました。12月には「NTNにおけるESGの取り組み」をテーマに同志社大学の学生に、当社が社会のためにすべきことをESGの観点から紹介し、今後、事業活動を通じて社会的課題の解決に貢献していくことを説明しました。学生の新鮮な視点での考えを聞く機会は、私たちにとっても大変有意義です。引き続き教育機関との交流を深め、地域の発展に貢献してまいります。
■グループディスカッションで自分の意見を述べる学生たち
世界各地での新型コロナウイルス対策への支援
NTNグループの世界各地の事業所で、新型コロナウイルス対策のための支援を行いました。日本や米州では医療機関などへマスクの提供を行ったほか、NTN-SNRが既存設備である3Dプリンターを転用してフランス国内でフェースシールドを生産し、周辺地域の施設に提供するなど、NTNグループは、緊急事態においても事業活動を継続するだけではなく、地域社会との共生に取り組んでいます。
■支援事例
NTN-SNRが製造した
フェースシールド
シンガポール販売は献血を実施
■世界に広がる協力の輪