2020年度のCSR活動をご紹介します。
CSRマネジメント
基本的な考え方と推進体制
当社グループは、企業理念に基づき、CSRを「企業活動に環境保全への配慮や社会的公正・貢献などへの取り組みを盛り込み、ステークホルダーに対して説明責任を果たすと同時に、経済的のみならず、環境的・社会的な企業活動の向上を目指すこと」と定義し、CSR基本方針を定めています。また、グループ全体で企業の社会的責任を果たすための体制強化として、「CSR本部」を設けています。
サステナビリティ活動に関する諮問機関として「サステナビリティ委員会」を設置し、マテリアリティの特定やSDGsの達成に向けた目標の設定など当社グループのサステナビリティ活動に関する取り組みの検討を行い、事業活動に展開する体制を整えています。
国連グローバル・コンパクト
国際社会が持続可能な成長を実現するための世界的な枠組みづくりである「国連グローバル・コンパクト」に2015年に署名し、人権・労働・環境・腐敗防止からなる4分野10原則(以下GC10原則)を支持しています。また国連グローバル・コンパクトの組織体にあたるグローバル・コンパクト・ネットワークジャパンに加入し、GC10原則の実践とSDGs達成のための活動に取り組んでいます。
■国連グローバル・コンパクト
■国連グローバル・コンパクト 10原則
人権 |
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原則1: 人権擁護の支持と尊重
原則2: 人権侵害への非加担 |
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労働 |
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原則3: 結社の自由と団体交渉権の承認
原則4: 強制労働の排除 原則5: 児童労働の実効的な廃止 原則6: 雇用と職業の差別撤廃 |
環境 |
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原則7: 環境問題の予防的アプローチ
原則8: 環境に対する責任のイニシアティブ 原則9: 環境にやさしい技術の開発と普及 |
腐敗防止 |
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原則10: 強要や贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗防止の取組み |
企業理念の浸透活動
企業価値の向上へ
今日、企業の在り方は企業業績(経済的価値)だけではなく、社会に必要とされる存在であること(社会的価値)も求められています。社会に必要とされなければ、企業の成長は見込めません。当社が社会に認められる企業であり続けるためには、私たちが企業理念の実践を通じて、社会課題に向き合い、サステナブルな社会の実現を目指していく必要があります。
企業理念の浸透を図るために、2018年に企業理念行動指針「NTNスピリット」を策定しました。「NTNスピリット」は、従業員一人ひとりに目指して欲しい意識や行動を明文化したものです。当社では浸透を「認知」、「共感・理解」、「実践」という3つのステップにわけて、実践へつながる施策を推進しています。
■企業理念の浸透フェーズマップ
言葉に想いをのせて、一人ひとりのスピリットへ
企業理念体系およびその行動指針となる「NTNスピリット」を当社グループで働く全従業員に広く知ってもらうために、2018年に「NTNスピリットブック」(日本語版・英語版)を発行しました。また、2019年には企業理念の浸透に向けた自主的な活動が海外にも広がり、海外従業員(カナダやフランス)が中心となって「NTNスピリットブック」のフランス語版を作成しました。この冊子は「なめらかな社会」をつくっていくために、従業員一人ひとりが夢や目標を持って企業理念を実践していくことを促しています。
■NTNスピリットブック
各事業所に広がる「企業理念について考える会」
企業理念体系と「NTNスピリット」をただ単に知るだけでなく、従業員一人ひとりに共感・理解してもらい、自分の言葉としてもらうために、対話型のコミュニケーションの場として「企業理念について考える会」を実施しています。
2021年3月期は、従業員に自分自身の業務と企業理念の結びつきについて考え、企業理念を実践してもらうことを目的とした自己学習用の資料を配布しました。また新型コロナウイスル感染防止のため、従来の対面式のワークショップのオンライン化を図り、海外事業所(タイ)でワークショップを開催しました。ワークショップでは従業員同士が母国語で語り合い、NTNスピリットについて理解を深め、価値観を共有しました。
■タイで開催されたワークショップの様子
オンラインでコミュニケーションを図る
⽇本(本社)とタイの従業員
熱く思いを語り合う従業員
企業理念を「実践」するということ
私たちは企業理念を引き出しの中に埋もれた言葉ではなく、一人ひとりを強くつなぐ共通の価値観であるととらえています。この共通の価値観をもって“社会に必要とされる存在”を目指しています。
NTN
PROUD
AWARDは当社が創業100周年を迎えた2018年に、次の100年への変革を起こす絶好の機会という位置づけのもと、“企業理念を実践する場”として創設されました。尚、2020年度は第3回NTN
PROUD AWARDの開催を予定していましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、開催を見合わせています。
■第2回 NTN PROUD AWARD表彰式(2019年度)
企業理念に則した4つの表彰部門
従業員はチームメンバーを自身で編成し、興味のあるテーマを自由に設定することができます。また企業理念に則した4つの表彰部門へエントリーすることで、理念の具現化、理念とテーマとの結びつきを強くしています。
NTN PROUD
AWARDの参加者からは、「自ら考え自ら行動した経験により、普段の業務にも自主性が生まれた」や「部門を超えたチームメンバー編成のお陰で、交流が深まり普段の業務にも活かされている」などといった声が寄せられています。
■企業理念に則した4つの表彰部門
NTNスピリットに基づいた評価基準
各チームの活動内容は、NTNスピリットである3つの信条(挑戦・協働・約束)に基づいて評価されます。その特徴のひとつは成果だけではなく、プロセスも含めてチームを認め、称賛することです。参加者からは、「他社事例のプロセスを知ることで、自身の業務へ落とし込むことができ、モチベーションの向上につながった」や「“挑戦”が組み込まれていることで、前例主義を打破できた」という意見がありました。
■NTNスピリットに基づいた評価基準