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2019年度のCSR活動をご紹介します。

お客さまとの関係

ものづくりに対する基本的な考え方

NTNが目指す変化に強い「もの造り」体制の構築

昨今、大規模な自然災害や、新型コロナウイルスによる世界中の経済活動停止など、変化が激しく予期できない事業環境にさらされています。
一方、顧客ニーズも含め、世の中の業態が目まぐるしく変化しており、マーケティングをはじめとした商品企画から試作、量産へのスピードが今後のお客さま満足度向上のカギとなります。
このような状況下、商品企画・開発のイノベーションプロセスと営業・生産・販売のサプライチェーンプロセスの連携を強化し、変化に強い「もの造り」体制の構築を目指します。

ものづくりに対する基本的な考え

ものづくりに対する基本的な考え

調達

調達改革

調達本部組織変更

本社主導型の一元管理によりグローバル調達、集中購買を強化し、調達改革を加速させるため、調達本部を「グローバル調達統括部」、「日本地区調達部」、「調達・物流管理部」の3部体制に再編しました。
北米、欧州、中国、アセアンの各地区に地域統括部門を創設し、NTNグローバル調達ネットワークを構築して、グローバルサプライヤーと現地調達および最適地調達を進め、安定調達とコスト削減の実現を目指します。

グローバル調達体制の構築

グローバルという言葉を耳にしない日はない日常の中、調達改革の柱であるグローバル調達体制の構築は当社にとって必要不可欠なこととして取り組んでいます。構築の基本は組織づくりはもとより、人づくりの面が重要であると考え、NTN-SNRよりフランス人のブルロ執行役員を迎え入れ、調達組織の見直しと国際人としての人づくりに取り組んできました。基盤づくりから会社として最適な調達とは何かをグローバルな視点で考え、利益創出に欠かせないコスト削減に寄与し続けます。

生産

ものづくりのパラダイムシフト「生産改革」の推進

当社の競争力を決定づける「もの造り」の実現を目指し、デジタル化を推進しています。情報をつなぐことでムダをなくし、ロボット化・自動化・知能化で労働力人口の減少に備えることを施策の柱としています。
これまでは部分最適(工程別の合理化)を追求してきましたが、デジタル技術をより効果的に享受するために、全体最適(サプライチェーン全体の合理化)方式を導入し、整流化された生産を実現していきます。
整流化は生産リードタイム削減・棚卸資産回転率向上・生産性向上を目標として推進していきます。デジタル化と整流化で「もの造りの仕組みづくり」を目指しています。

ものづくりのパラダイムシフト「生産改革」の推進

ものづくりのパラダイムシフト「生産改革」の推進

品質

品質に対する基本的な考え方と推進体制

当社は、ものづくりのすべての基本理念となる「品質基本方針」のもと、グローバルでの商品品質の維持・向上に努め、お客さまに満足いただける品質づくりをしています。
私たちの商品は、身の回りにあるさまざまなモノに組み込まれ人々の生活を支えています。また航空機、鉄道、自動車、医療機器など、人命を預かる機器にも使用されており、極限の精度と耐久性が求められます。従業員一人ひとりが品質の重要性を理解し、品質に対し真摯に取り組むことで、お客さまに信頼していただける品質づくりに努めています。

品質基本方針

お客さまの要求機能、仕様を満足する適正品質の追求

  • お客さまの要求変化に即応するものであること(適応品質)
  • 競争品質に勝つものであること(競争品質)
  • 企業に利益をもたらすものであること(経済品質)

品質スローガン

Quality is our future.

~品質で未来を造る~

Quality is our future.

品質マネジメントシステム

当社グループは、国内外の生産拠点で、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001認証取得を推進しているほか、自動車産業向け規格であるIATF16949認証も取得しています。新規事業や新たに立ち上げた工場も順次認証取得に取り組んでおり、製造に関する国内外の連結子会社では、品質マネジメントシステムの認証を100%取得しています。
このほか航空・宇宙産業向けの規格であるJISQ9100やNadcap、鉄道産業向けの規格IRIS(欧州)、CRCC(中国)の認証取得もしています。

2020年3月期の新たな認証取得

ISO9001 生産34拠点で取得済
アメリカ NTK PRECISION AXLE CORP.
(フランクフォート工場)
2020年3月期
IATF16949  生産38拠点で取得済
アメリカ NTK PRECISION AXLE CORP.
(フランクフォート工場)
2020年3月期

*製造に関する国内外の連結子会社(量産開始前の拠点除く)対象

品質を高める取り組み

新規商品の安定した品質確保のため、開発段階から量産までの各ステップでレビューを実施しています。すべての関係部門が参画し、それぞれの観点から確認・評価することで、品質リスクの早期発見や未然防止を図り、確実な品質確保につなげています。

品質を向上させる改善活動

全従業員のさらなる品質意識向上を目的に、毎年11月に『品質月間』としてさまざまな活動を行っています。今年のテーマは、『一人ひとりが責任者 品質でつなぐ未来のNTN』として、お客さまの目線で各自の仕事を振り返り、お客さまに満足してもらえる品質とは何か、従業員一人ひとりが具体的に考え取り組むべき行動を宣言しました。各部門ごとに重点施策を推進し、NTNグローバルでの品質向上に取り組んでいます。

サプライチェーン全体での品質管理

サプライヤーの品質維持・向上のため、当社の品質に対する要求事項をまとめ、配布しています。また、遵守状況の確認として、定期的に全サプライヤーに対し自主監査を要請するとともに、品質状況を評価し、必要に応じて特別監査も実施しています。今後もサプライヤーとの良好な協力関係を維持し、当社全社での品質向上を推進していきます。

和歌山新工場

2019年10月、和歌山県に当社の基幹商品であるラジアル軸受の生産を行う新拠点が竣工しました。工場建屋は、“なめらか”をモチーフに、屋根の形状は流線的なデザインを採用、建屋内中央通路には「コロコロード」と名付けたアーケード状の通路を設置して、場内物流の大動脈として機能させるとともに、その2階部分にはフォーラムやオープンなミーティングスペースなどの情報交換の場を設け、イノベーションを生み出すコミュニケーションエリアとして計画しました。
2020年6月現在、新規熱処理設備、付帯設備の導入が完了し、10月からの量産稼働に向け、新規研磨・組立ラインの据付を開始しています。今後、約5年間で金剛製作所から設備を全面移管するとともに、この新拠点を基軸としたラジアル軸受の生産再編を図ります。

コロコロード

コロコロード

高機能・高付加価値品への特化

近年の自動車市場におけるEVや電動化の急速な進展に伴い、モータや駆動部に使用されるラジアル軸受については、静粛性や低振動、高速回転などの高機能・高付加価値品の市場拡大が見込まれています。和歌山新工場では、そういった高機能特殊品のマザー工場として、金剛製作所のものづくりをベースに、最新の熱処理設備・FA設備・検査機器・IoTの導入、多品種小ロット化に対応した極小・多段取型設備の導入など、最新の技術を取り入れ、市場のニーズに適合した新商品への対応や試作納期の半減、さらには生産リードタイムを従来比3分の1に短縮し、高品質な商品を世界へスピーディーに供給していきます。同時に、省エネルギー化や環境負荷低減にも積極的に取り組み、NTNスマートファクトリーのマザー工場を目指しています。

和歌山新工場が目指す「なめらかファクトリー」

和歌山新工場では、スマートファクトリーを「なめらかファクトリー」と呼び変え、お客さまに『スピーディー』に『満足』を届ける『なめらか工場』を目指しています。モノと情報がなめらかに流れる整流化工場を目指します。

和歌山新工場が目指す「なめらかファクトリー」

  • 顧客ニーズや需要変動に対して高い柔軟性・即応性を有した生産実現
  • ロボット・IoTを活用した人作業の効率化
  • 「自動搬送システム」+「生産改革」による仕掛在庫の削減、リードタイム短縮
  • IoT・AIを活用した品質管理の高度化