HOME > CSR > 年度別アーカイブ > 2019年度 > 社会:取引先との関係

2019年度のCSR活動をご紹介します。

取引先との関係

調達活動に関する基本的な考え方

当社では、「グローバル」「公平・公正」「地球環境保全」の観点のもと、本社調達部門を中心に、取引先さまとの信頼関係を構築し、調達活動を行っています。さらに、「NTNグループ グリーン調達基準書」に基づき、環境保全への取り組みや環境品質に優れた取引先さまから優先して調達する「グリーン調達」を推進するとともに、「NTN CSR調達ガイドライン」を定め、CSR活動の積極的な推進も要請しています。また、海外を含めた各生産拠点での現地調達およびグローバルな最適地調達にも取り組んでいます。

各種調達ポリシー

グリーン調達基準書

サプライチェーンにおける環境法令や環境負荷物質規制への違反は、操業停止やお客さまへの損害賠償につながる経営リスクとなります。当社は、お取引先さまの環境管理体制の構築や納入製品の重要品質特性である環境負荷物質の基準を定めたグリーン調達基準書を制定し、サプライチェーン全体の環境管理を推進しています。

CSR調達ガイドライン

当社は、人権・労働慣行、環境、反社会的勢力の排除、腐敗防止などの社会的な課題に対し、サプライチェーン全体での活動を推進する目的で「NTN CSR調達ガイドライン」を定めています。取引先さまには、コンプライアンス・腐敗防止、人権・労働、環境、品質・安全性、情報セキュリティ、事業継続、社会貢献など、より一層のCSR調達活動の推進をお願いしています。

環境規制を考慮した調達

当社グループでは、国内外の環境負荷物質規制およびお客さまの基準を遵守するべく、原則として用途・仕向け地・生産地に関わらず規制物質を積極的に切り替えています。2019年7月のフタル酸エステル類(DEHP、BBP、DBP、DIBP)を禁止物質としたRoHS指令改正に対応するため、含有リスクに応じて受入れ検査する体制を構築しました。現在、RoHS指令の適用除外用途で使用されている鉛を含有する調達製品は、将来的な規制強化を想定した切り替えを推進しています。

サプライヤーCSRアンケートの実施

「NTN CSR調達ガイドライン」のさらなる周知と遵守状況の確認を目的に、取引先さまに対して毎年アンケート調査を実施しています。
2020年3月期は調査対象範囲を昨年度の調査において、できていないと回答が多かった取引先さまと、新たに取り引きを開始した取引先さま240社に実施しました。
ほとんどの項目で前回調査より取り組み状況は改善されており、CSR調達の重要性のご理解が深まっています。ただし、情報セキュリティや事業継承管理については、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言下の勤務体制により、新たな課題として認識された取引先さまもあり、今後もより一層、継続して周知活動に取り組んでいきます。

サプライヤーCSRアンケート

サプライヤーCSRアンケート

サプライヤーCSRアンケート

下請法遵守への取り組み

下請取り引きの適正化を目的として、下請取り引きの自主監査を実施しています。国内の各事業所が主体となり、自主的に下請法の遵守状況を監査するため、「下請取引自主監査員」の認定制度を運用しています。2019年9月に「下請取引自主監査員養成講座」を開催し、新たに26名を自主監査員として認定。自主監査員は合計で108名となりました。2020年3月期も国内事業所(22事業所)で、自主監査員が中心となって自主監査を実施しました。今後も下請取り引きの適正化に向けて、継続した活動を展開します。

紛争鉱物調査の実施

当社の商品に使用される材料や構成部品に含まれている特定鉱物が、紛争地域における武装勢力の資金源となり、人権侵害や違法採掘、密輸などにつながっていないかを定期的に調査しています。
2020年3月期は、対象取引先さま297社についてサプライチェーンを遡り、製錬所を特定する調査を実施し、90%の取引先さまに協力を得て回答をいただきました。調査の結果、紛争鉱物の使用は確認されませんでしたが、今後も定期的に調査を実施し、紛争地域、高リスク地域からの鉱物含有を継続的に監視していきます。
また、米国証券取引所に上場している企業は、米国ドッド・フランク法に基づき、紛争鉱物の使用の開示が義務づけられています。当社はお客さまからの紛争鉱物に関するお問合せに対して上述の調査結果をもとに回答しています。
人権問題に対する世界の潮流とともに企業の意識も高まっており、米国ドッド・フランク法に関わらず自主的に紛争鉱物の使用を排除する企業など対応件数は下図の通り増加傾向にあります。
引き続きサプライチェーンCSRの一環として紛争鉱物への対応を行っていきます。

紛争鉱物調査実績(お客さまからの依頼対応)

紛争鉱物調査実績(お客さまからの依頼対応)

サプライヤーのリスク管理

取引先さまに対するリスク管理の観点から、当社では新規の取り引き開始にあたって、取引先さまの経営体質や、品質、環境管理の状況を確認の上、取り引き開始の検討を実施しています。
また、既に取り引きいただいている取引先さまに対しても、毎年「取引先調査」を実施させていただき、経営状況などを継続して監視しています。
その上で取り引きのリスクが高いと判断した取引先さまに対しては、調達部品や取り引き金額など、当社へ与える影響の大きさに見合ったリスク低減措置を実施し、調達リスクを最小限に留め、常に安定した調達を実施できるよう努めています。
自然災害や感染症など、企業の存続リスクが高まっている昨今、当社では不測の事態に備えて危機管理データベースを構築し、有事の場合には早急に取引先さまの安否を確認するなど、サプライチェーン全体での商品の安定供給に対するリスク管理を行っています。

サプライチェーンBCP

当社では、調達の安定化を図るため、物流や取引先さまを含めたサプライチェーンBCP活動を推進しています。
取引先さまや物流拠点における地震や台風などの自然災害に備えた危機管理を強化しています。また、パンデミックのように広範囲にわたる危機状況下において、取引先さまと事業継続に向けて連携するとともに、取引先さまとの業務のオンライン化や安否情報、行動基準の共有化などのインフラ整備を進めています。