HOME > CSR > 年度別アーカイブ > 2019年度 > ガバナンス:CSRマネジメント

2019年度のCSR活動をご紹介します。

CSRマネジメント

基本的な考え方と推進体制

当社グループは、企業理念に基づき、CSRを「企業活動に環境保全への配慮や社会的公正・貢献などへの取り組みを盛り込み、ステークホルダーに対して説明責任を果たすと同時に、経済的のみならず、環境的・社会的な企業活動の向上を目指すこと」と定義し、CSR基本方針を定めています。また、グループ全体で企業の社会的責任を果たすための体制強化として、「CSR(社会的責任)推進本部」を2014年より設けています。2019年11月には、持続可能な社会の実現に向けて、社会の期待に応えるCSR活動(以下、サステナビリティ活動)を推進していくことを目的に、「サステナビリティ推進活動管理規程」を策定しました。あわせて、「CSR委員会」の機能を発展させ、新たに「サステナビリティ委員会」を発足しました。

サステナビティへの取り組み

サステナビティ委員会発足

昨今、気候変動による甚大な被害が増加するなどCSRの“企業の社会的責任”の意図するところが、社会的公正であるとともに、事業活動を通じて社会課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献していくという意味合いが強くなってきたことから、2019年11月にこれまでのCSR委員会(2006年設置)の機能を発展させ、新たにサステナビリティ委員会を発足しました。当委員会は、CSR(社会的責任)推進本部を担当する執行役を委員長、ESG関連部門の部門長で構成する委員体制としています。旧CSR委員会では、CSR活動を効果的に推進するための課題や施策を審議していました。サステナビリティ委員会では、これまでの活動に加えて当社グループが事業活動を通じて解決すべき重要課題の明確化やSDGsへの対応についての具体的な目標設定などを行い、取締役会での決議を踏まえ事業活動に展開していきます。

体制図

体制図

重要課題(マテリアリティ)の特定に着手

2021年度からスタートする3ヵ年の中期経営計画の策定の中で、2020年度は将来の成長に向けた準備として、重要課題(マテリアリティ)の特定を進めています。またSDGsの達成に向けた目標を設定し、事業への落とし込みを行います。

SDGs

企業理念の浸透活動

企業価値の向上へ

今日、企業の在り方は企業業績(経済的価値)だけではなく、社会に必要とされる存在であること(社会的価値)も求められています。社会に必要とされなければ、企業の成長は見込めません。当社が社会に認められる企業であり続けるためには、私たちが企業理念の実践を通じて、社会課題に向き合い、サステナブルな社会の実現を目指していく必要があります。
企業理念の浸透を図るために、2018年に企業理念行動指針「NTNスピリット」を策定しました。「NTNスピリット」は、従業員一人ひとりに目指して欲しい意識や行動を明文化したものです。当社では浸透を「認知」、「共感・理解」、「実践」という3つのステップにわけて、実践へつながる施策を推進しています。

企業理念の浸透フェーズマップ

企業理念の浸透フェーズマップ

認知言葉に想いをのせて、一人ひとりのスピリットへ

企業理念体系およびその行動指針となる「NTNスピリット」を当社グループで働く全従業員に広く知ってもらうために、「NTNスピリットブック」(日本語版・英語版)を発行しました。この冊子は「なめらかな社会」をつくっていくために、従業員一人ひとりが夢や目標を持って企業理念を実践していくことを促しています。2019年には、企業理念の浸透に向けた自主的な活動が海外にも広がり、NTNスピリットブックのフランス語版の作成にも着手、海外従業員(カナダやフランス)が中心となり、現地従業員に伝わりやすい表現として完成しました。

NTNスピリットブック

NTNスピリットブック日本語版 日本語版
NTNスピリットブック英語版 英語版
NTNスピリットブックフランス語版 フランス語版

共感・理解各事業所に広がる「企業理念について考える会」

企業理念体系と「NTNスピリット」をただ単に知るだけでなく、従業員一人ひとりに共感・理解してもらい、自分の言葉としてもらうために、対話型のコミュニケーションの場として「企業理念について考える会」を実施しています。2020年3月期は複数の事業所でワークショップを開催し、約250名の従業員がNTNスピリットについて理解を深め、価値観を共有しました。

各事業所で実施された「企業理念について考える会」

各事業所で実施された「企業理念について考える会」

実践企業理念を「実践」するということ

私たちは企業理念を、引き出しの中に埋もれた言葉ではなく、一人ひとりを強くつなぐ共通の価値観であるととらえています。この共通の価値観をもって“社会に必要とされる存在”を目指しています。
NTN PROUD AWARDは当社が創業100周年を迎えた2018年に、次の100年への変革を起こす絶好の機会という位置づけのもと、“企業理念を実践する場”として創設されました。2019年の第2回NTN PROUDAWARDは世界中から76チームがエントリーし、2回の審査を経て受賞した8チームが12月に行われた表彰式に参加しました。

第2回 NTN PROUD AWARD表彰式

第2回 NTN PROUD AWARD表彰式

事例紹介:中国市場にローカライズした販売活動の変革

今後も経済成長が期待される巨大な中国市場。一方、同地区における販売活動には、同地区ならではのさまざまな課題が発生していました。これらの課題解決を通じて、同地区のNTNブランド向上を目指しました。
まずは一連の販売活動を「①新規顧客開拓」、「②見込み顧客獲得」、「③正式顧客拡大」、「④正式顧客販売維持」の4つのフェーズに分類し、各フェーズに対して具体的な活動を実施しました。
現場では具体的に何が課題になっているのかなどの現状を把握するために支店長会議や展示会での視察などを通じて、各フェーズにおける困りごとを徹底的に抽出しました。例えば「①新規顧客開拓」フェーズでは、中国市場におけるNTNブランド認知度の低さをあらためて分析し、その対策として中国地区にローカライズしたWEBの活用や自社ホームページなどの改良、幅広い業種への実績PR方法を検討し、販売活動の再構築、体制強化を講じています。
NTNスピリットの信条のひとつである「挑戦」には、“現状に満足することなく、熱意をもって挑戦します。”という行動指針があります。この行動指針のように、現状に甘んじることなく自ら考えながら工夫を進めることで、中国市場における販売体制の構築を推進することができました。これからもNTNスピリットの3つの信条である「挑戦」「協働」「約束」をチームの合言葉にして業務変革を起こしていきたいです。

恩梯恩(中国)投資有限公司 企画本部・営業本部のメンバー

恩梯恩(中国)投資有限公司 企画本部・営業本部のメンバー

企業理念に則した4つの表彰部門

従業員はチームメンバーを自身で編成し、興味のあるテーマを自由に設定することができます。また企業理念に則した4つの表彰部門へエントリーすることで、理念の具現化、理念とテーマとの結びつきを強くしています。
NTN PROUD AWARDの参加者からは、「自ら考え自ら行動した経験により、普段の業務にも自主性が生まれた」や「部門を超えたチームメンバー編成のお陰で、交流が深まり普段の業務にも活かされている」などといった声が寄せられています。

企業理念に則した4つの表彰部門

企業理念に則した4つの表彰部門

NTNスピリットに基づいた評価基準

各チームの活動内容は、NTNスピリットである3つの信条(挑戦・協働・約束)に基づいて評価されます。その特徴のひとつは成果だけではなく、プロセスも含めてチームを認め、称賛することです。参加者からは、「他社事例のプロセスを知ることで、自身の業務へ落とし込むことができ、モチベーションの向上につながった」や「“挑戦”が組み込まれていることで、前例主義を打破できた」という意見がありました。

NTNスピリットに基づいた評価基準

NTNスピリットに基づいた評価基準