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2019年度のCSR活動をご紹介します。

資源保護

水使用量の把握および削減の取り組み

水ストレス(2030年予想)と地域ごとの水使用量

当社グループは水ストレス分析をAQUEDUCT(アキダクト:世界資源研究所(WRI)発表の世界の水リスク示した世界地図・情報を無料提供しているツール)により行い、水リスク管理に活用しています。

水ストレス(2030年予想)と現状の水使用量

水使用量削減

2020年3月期は、水使用原単位の国内事業場の目標(2011年3月期比△17.3%)と海外事業場の目標(2015年3月期比△16.7%)を達成することができました。2021年3月期も、水使用原単位低減の目標(国内事業場:2011年3月期比△22.9%、海外事業場:2015年3月期比△23.3%)達成に取り組みます。

水使用量(国内)*

水使用量(国内)

水使用量(海外)*

水使用量(海外)

*水使用量の対象事業場は「ISO14001(2015年版)取得状況と環境関連の管理項目」をご参照ください。

精密樹脂製作所(日本)
洗浄⼯程の上⽔道使⽤量削減

精密樹脂製作所の製造工程で使用する主な上水道の使用状況を調査したところ、射出成形品のバレル工程後洗浄装置における使用量が多いことが分かりました。省エネ省資源委員会を中心に品質保証、生産技術、製造部門が協業して、上水使用量の削減の検討を行い、洗浄装置に製品の検出センサーを追加し、製品が洗浄位置にある時のみ洗浄水を噴射する改造を行いました。この改造により、洗浄品質を保ちつつ、前年度比の約16%に相当する4,700㎥/年の上水道使用量を削減しました。

パレル機及び洗浄装置

パレル機及び洗浄装置

製品検出センサー

製品検出センサー

洗浄ノズル(ON時)

洗浄ノズル(ON時)

洗浄ノズル(OFF時)

洗浄ノズル(OFF時)

NTN-Bower Hamilton(アメリカ)
クーラント⾃動混合装置の導⼊による⽔溶性クーラント使⽤量の削減

NTN-BOWERのハミルトン工場では水溶性クーラントの容量が減少した時 手動で原液と水を混合して水溶性クーラントを補充していました。また、クーラントの濃度は水の蒸発等で変動しており、最適濃度を維持する事は困難でした。今回、自動で最適な濃度を維持する混合装置を導入し、14,400L/年のクーラント原液の削減と安定した水溶性クーラント品質を実現しました。

クーラント自動混合装置

クーラント自動混合装置

廃棄物発生の抑制と高リサイクル率の維持

2020年3月期は、廃棄物発生原単位の低減に取り組み、国内事業場の目標(2011年3月期比△4.9%)を達成しました。2021年3月期は、廃棄物発生の抑制に向け、国内事業場の廃棄物発生原単位維持(2011年3月期比△4.7%)と、廃棄物リサイクル率の目標(国内事業場97.7%以上、海外事業場97.2%以上)達成に取り組みます。

廃棄物発生量とリサイクル率

廃棄物発生量とリサイクル率

NTN Kugellagerfabrik (Deutschland) G.m.b.H.(ドイツ)
研削スラッジ固形化装置導⼊による廃棄物減容化

NTN Kugellagerfabrik (Deutschland) G.m.b.H.(ドイツ)は、製造工程で研削スラッジ(研削切り屑)が発生します。研削スラッジは、クーラントを多く含むため、そのまま廃棄すると使用できるクーラントを無駄に廃棄することになっていました。新たに導入した研削スラッジ固形化装置により、研削スラッジを固形化したブリケットと再利用できる研削クーラントに分離することが可能となり、研削スラッジ廃棄物を約50トン/年 減容化と研削クーラントの使用量を削減することができました。

DMF研削スラッジ固形化装置

HMFクーラント自動混合装置

NTN Driveshaft do Brasil(ブラジル)
使い捨てプラスチックの削減 従業員参加による環境改善活動

当社グループは、従業員が日々の業務を企業理念を通してテーマ化することで新しい取り組みにチャレンジし実現していく制度「NTN PROUD AWARD」を2018年に創設しました。NTN Driveshaft do Brasil(NDB)では、この制度で環境に関するテーマとして、近年海洋汚染の原因と指摘されている使い捨てプラスチック製品の使用量削減に取り組みました。従業員のアイデアで、普段の生活でも使いやすいように折り畳み可能で繰り返し使用ができるエコカップを配布することにしました。これにより、NDBで1日に約150個使い捨てされていたプラスチック製コップを廃止することができました。NDBでは、省エネや社会貢献をテーマにした活動にも多くの従業員が取り組んでいます。

エコカップ

エコカップ

NTN鋳造(日本)
鋳物切粉の社内再利⽤

NTN鋳造では、鋳物製品の切削加工時に発生していた切粉を処理業者に委託しマテリアルリサイクルしていました。2020年1月より資源の有効利用を図るために、社内で発生した切粉の品質管理を徹底し、鋳物の原料として電気炉で再溶解し利用することにしました。これにより約720トン/年の廃棄物を削減できました。

①加工後切粉の集積場

①加工後切粉の集積場

②電気炉溶解材料ヤードの切粉を、リフティングマグネットで自動計量し搬送台車へ運ぶ。

②電気炉溶解材料ヤードの切粉を、リフティングマグネットで自動計量し搬送台車へ運ぶ。

③搬送台車から他材料とともに電気炉内へ投入される。

③搬送台車から他材料とともに
電気炉内へ投入される。

NTN鋳造(日本)
埋⽴処分していた「ショット廃砂」の再利⽤化

砂型から取り出した鋳物製品は、付着した鋳砂の除去のため、ショットブラスト処理しています。本工程で発生したショット廃砂は、スチール製ショット粉と鋳砂の混合物のため、金属くずとしてリサイクルできず埋立処分していました。
今般、鉄と鋳砂を分離する技術をもった中間処理業者に委託処理することで、鉄は電炉メーカで鉄に、鋳砂は鋳物中子用に再利用できるようになりました。前年度の総埋立処分量の約20%にあたる300トン/年の埋立処分量を削減できました。