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2017年度のCSR活動をご紹介します。

従業員との関係

SDGsとの関係

人材の採用・育成

基本的な考え方

当社では、以下の共通指標のもと、人材の採用を行うとともに、各階層でさまざまな教育プログラムを企画・運営しています。

共通指標:「行動力」と「影響力」をもつ人材

  • 現状を理想に近づけるために“挑戦”できる人材
  • グローバルにリーダーシップを発揮できる人材
  • 常に事象を課題化し、素早くその問題解決に取り組める人材
  • コミュニケーション能力を備える人材

また、人材を通じた「事業競争力」の向上を目指し、国や地域を越えて活躍できるグローバル人材の育成を推進しています。その中でも、「もの造り」を担う人材は価値創造の根幹をなすものであり、NTNの固有技術や技能を「世界中の製造拠点へ確実に伝承できる」人材の育成に努めています。

主な取り組み

入社前後のギャップ解消の取り組み

入社前に当社の仕事内容や、求める人物像などをよりよく知ってもらい、入社前後のギャップを解消するために、さまざまな施策を企画・運営しています。

事務系・技術系
1日型インターンシップ

【事務系】

  • BtoBメーカー営業体験インターンシップ
  • 営業職の紹介やケーススタディ/グループワーク

【技術系】

  • 設計や研究開発の現場を知る現場体験型インターンシップ
  • 会社紹介
  • ベアリング基礎講座
  • 技術系先輩社員との座談会
  • 工場見学

技術系
3daysインターンシップ

  • 設備開発、技術系の仕事を理解する現場体験インターンシップ
    主要製作所のひとつである磐田製作所で3日間当社の若手技術者とともに仕事を体験
  • 会社紹介
  • 工場見学
  • マンツーマン職務体験
  • 課題発表などの実習

内定者
パネルディスカッション

  • 内定者との対話や質疑応答を通じた当社とのマッチング

内定後のフォローイベント

  • 当社製品を身近に知ってもらう機会として、「ハンドスピナー」を制作
  • さまざまなテーマでグループワークを実施し、内定者同士の連帯感や親睦を促進

新人社員のフォローアップ

新入社員については、入社後3年間を適性発見期間ととらえて、集合研修、OJT、個人面接、自己啓発といったプログラムを実施するほか、自身が会社で何をしたいのか、何ができるのかを、本人の希望・適性を確認しながら、成長の過程をきめ細かくフォロー。本人の個性や自主性を尊重して、総合的な能力開発を図っています。

グローバル人材の育成

海外での事業展開を拡大している当社では、海外勤務者のみならず、たとえ日本にいても社員一人ひとりが世界を視野に入れて仕事を進められるよう、国際社会に通用する人材の育成にも力を注いでいます。

語学研修

英語だけでなく、中国語やフランス語などの講座も随時開講しています。

海外トレーニー制度

若手従業員が海外拠点に1年間勤務し、OJTによる専門職務習得、語学研修、異文化への適応などを行います。

国際化促進インターンシップ

経済産業省では若手社会人・学生を新興国へ6ヵ月インターンシップ派遣する制度を行っており、当社も2013年度から参加しています。

海外チャレンジ研修

若手社員を早期に海外へ派遣し、グローバルな環境で活躍するために必要な能力の開発を図ります。また、帰国後は、計画的ジョブローテーションを実施し、帰国後5年目に海外に赴任させ、グローバルで活躍できる人材育成を目指します。

自己啓発支援、留学制度

自己啓発支援の一環として、「TOEIC受験奨励制度」、社会に通用する資格の取得やスキルアップを支援する「資格取得奨励制度」など社員の旺盛な啓発意欲に応える各種制度を整備しています。
また、より高度な専門技術・知識を有する人材や国際社会に通用する人材を育成する目的で、国内外の大学院やビジネススクール、ロースクールなどへの留学制度も整備しており、意欲のある社員であれば部署を問わず留学のチャンスを与えています。専門性を磨いて復職すれば、新たな活躍範囲を自ら切り開いていくことができます。

TOPICS 「もの造り」を支える「ひと造り」

当社では、人材を通じた「事業競争力」の向上を目指し、国や地域を越えて活躍できるグローバル人材を育成しています。その中でも、「もの造り」を担う人材は価値創造の根幹をなすものであり、ここでは、NTNの固有技術や技能を「世界中の製造拠点へ確実に伝承できる人材」の育成について、当社の取り組みを紹介します。

「もの造り」人材の育成

生産技術の教育体系3本の柱
  • グローバル人材育成部
    「現地・現物・現人」の方針のもと、海外生産比率の拡大とともに国や地域を越えて活躍できる人材の育成を推進しています。
  • 生産技術研究所
    高精度、高効率生産のための研究を行い、自社の工作機械の高度化やインテリジェント化を担っています。また、若手生産技術者の育成にも努めています。
  • 主要事業場所
    「品質」「安全」「環境」「5S3定*」「見える化」など、生産活動に必要な全要素を学ぶ場を設け、技能教育・伝承を体系的かつ効率的に推進しています。
    *5S :整理・整頓・清潔・清掃・躾
    *3定:定置・定品・定量
人材育成のためのプログラム・取り組み
  • NTN技能オリンピック
    当社の将来を担う世界各国の若手技能者が、互いの優れた技能を競い、その重要性や必要性を学ぶ場として、2014年から毎年開催しています。当社固有の技能・技術を伝承する場として、技術の躍進と底上げにも寄与しています。
  • NTN生産技術者養成コース
    国内外で活躍できる生産技術者やプロジェクトリーダーを計画的に育成するためのプログラムで、入社1年目の従業員が対象です。早い段階から、製造現場や生産技術研究所で経験を積み、生産技術のスペシャリストを育成します。
  • NTN技能学校
    ベアリング製造に関わる知識ともの造りの基本的な技能を習得し、将来、職場のリーダーとなる人材を育成することを目的として、若手技術者を対象に開校しています。2012年に開校し、現在、桑名・磐田・岡山の各事業場で実施しています。

マイスター制度 - 高度専門能力を有する「マイスター」が技能伝承の中軸 -

製造部門の技能・技術の底上げを図り、確実に次世代へ伝承していくために、当社では2005年より「マイスター制度」を設けています。
「もの造り」のうち、熱処理や鍛造など、作業する人間の技能が製品品質そのものを左右する分野では、技能者を継続的に育てていくことが不可欠です。マイスターは、「熱処理」「鍛造・プレス」「機械保全」など次世代に継承すべき特定技能分野において、厳格な要件を満たした候補者の中から、年1回開催するマイスター認定委員会で最終的に選びます。また、各事業場では上級レベルの技能者の中からマイスター候補として「ジュニアマイスター」を認定しており、2018年4月現在、マイスター5名、ジュニアマイスター77名が各事業場で活躍しています。
マイスターは、ライン業務から離れ、保有する知識や技能・技術を継承する後継者を育成するほか、海外事業を展開する上での技術支援や新商品開発にもアドバイザーとして参画するなど、製造部門の抱える技術的課題の解決にも積極的に取り組んでいます。

マイスターバッジ

マイスター

特定技能分野において、豊富な実務経験と全社的に認められる高度な知識・技能を有し、勤務態度や下位者の指導などでほかの模範となる者。

ジュニアバッジ

ジュニアマイスター

マイスター候補として高度な知識・技能を受け継ぐ資質があると認められる者。

マイスターによる指導風景

マイスターによる指導風景

特定技能分野

担当部門長が語るNTNの人事戦略

当社では、事業におけるグローバル化の推進により、世界中に製造拠点が拡大しています。そのため各国の拠点で働く従業員に対してNTNのもの造りにおける考え方を浸透させるとおもに、これまで培ってきた技能を次世代へ伝承する仕組みの構築が重要となっています。さらに、日本では「もの造り」のマザー機能としての役割が今まで以上に必要となっており、NTN技術オリンピックや世界QCサークル大会を実施するなど強化を図っています。
また、性別や人種、国籍、ワークスタイルなどのが異なる多様な従業員が働く上で、各拠点で働く従業員の相互理解を深めるための施策や、日本では育児・介護に関する制度の充実や在宅勤務制度導入検討など、すべての従業員が活躍できる職場づくりに努めています。
私たちは、"企業競争力の源泉は人である"という認識のもと、NTNグループ全体で連携を取りながら各施策の取り組みを推進することで、なめらかな社会の実現に貢献します。

田中 友子

グローバル人材育成部
部長

田中 友子

ダイバーシティ

基本的な考え方

当社では、多様な人材の活躍が企業の継続的な競争力の維持や、イノベーションを生み出すために必要不可欠であると考え、ダイバーシティ の推進を経営戦略のひとつに位置づけています。
また従業員一人ひとりが、ワークライフのバランスを取りながら、それぞれが持つ力を発揮できる職場環境づくりを目指して、さまざまな施策を行うとともに、健康で安心して働き続けられるよう、安全な労働環境の実現にも努めています。

NTNが目指すダイバーシティとは:
すべて従業員が性別、年齢、キャリア、ワークスタイルなどの違いを理解し、認め合うことで、一人ひとりが能力を発揮できる職場環境をつくり、仕事へのやりがいを通じた個人の成長を組織の発展につなげること

主な取り組み

女性活躍の推進

女性管理職数

2008年3月期1名 → 2018年3月期 32

企業内保育所

1ヵ所 → 2ヵ所目

女性の積極的な採用に継続的に取り組むとともに、経営層や管理職向けにセミナーなどを開催し、女性の活躍推進のための啓発活動を行っています。女性管理職数も以下の通り、順調に増加しています。
また、従業員の仕事と育児の両立を目的に、企業内保育所「ベアキッズらんど」の拡充も進め、静岡県磐田地区に続き、2018年4月に三重県桑名地区で2ヵ所目を開所しました。

女性管理職数の推移(対象範囲:NTN単体

*2018年10月に吸収合併した(株)NTN金剛製作所(現 金剛製作所)、(株)NTN三雲製作所(現 精密樹脂製作所)、NTN精密樹脂(株)(現 三雲製作所)の3社含む

ベアキッズらんど桑名の外観と子どもたち

ベアキッズらんど桑名の外観と子どもたち

ダイバーシティに関する啓発活動

従業員に「ダイバーシティハンドブック」を配布し、理解を深めてもらうとともに、全国の部門長向けに「無意識バイアス研修」を実施しました。この研修は、誰もが無意識に持っているバイアス(先入観、偏見)を認識し、コントロールすることで、さまざまな状況下での適切な判断力や対応力を身につけることを目的としています。受講者は、人間の判断が外見に左右される体験訓練や、ダイバーシティを組織の力にするための討議を通じて、自分自身のバイアスという身近なところからダイバーシティを考える機会となりました。

障がい者・高齢者の雇用推進

障がい者雇用率

  2.06%

定年退職後の再雇用率

  62%

知的障がいのある方々が主役となって働ける職場を目指し、特別支援学校などと連携して、桑名・磐田・岡山の各事業場に障がい者雇用支援施設「夢工房」を開設しています。2018年3月期の障がい者雇用率は2.06%となっています。
また、ベテラン社員の知識や技能を若手社員へ伝承するために、高齢者の再雇用も積極的に進めており、2018年3月期の定年退職後の再雇用率は62%となりました。

夢工房での仕事風景

夢工房での仕事風景

働き甲斐につながる取り組み

当社では、日々の仕事と結婚・育児・介護などを両立し、従業員一人ひとりが能力を発揮できるよう、さまざまな制度を設けています。

  • 結 婚

  • 公休期間
    本人結婚時 7日間
    子女結婚時 1日
  • 出 産

  • 妊娠通院休暇
    妊娠23週まで      4週間に1回
    妊娠24週から35週まで 2週間に1回
    妊娠36週から出産まで  1週間に1回
    産前産後休暇
    出産予定日の6週間前から、産後8週間まで休暇を取得できます。
    配偶者出産休暇制度
    配偶者の出産時に付添うため、2日間の有給休暇を取得できます。
  • 育 児

  • 育児休職制度
    子どもが最大2歳1ヶ月になるまで、休職することができます。
    育児短時間勤務
    子どもが小学校3年生の3月末まで1日2時間まで勤務時間を短縮できます。
    子どもの看護休暇
    子どもが負傷・疾病にかかった場合の世話や、予防接種・健康診断の受診が必要となった場合、1年の間に従業員1人につき10日まで休暇の取得ができます。
  • 介 護

  • 介護休職
    通算365日まで介護休職の取得が可能です。
    介護短時間勤務
    最長3年間1日2時間を限度とし、始業時間もしくは終業時間を繰り上げ又は繰り下げができます。
  • NTNジョブリターン
    やむを得ない事情で退職した従業員の復職制度。結婚・出産・育児だけでなく、介護による退職も対象になります。

安心して働ける職場環境づくり

新人事制度の施行

当社グループの持続的成長を支える中核人材の育成と確保、また、従業員の働き方の多様化、ライフステージにおけるニーズを、それぞれの働き方に反映することができるよう、2018年4月より一般職の従業員に複数のキャリアコースを設置しています。
従業員の「将来どのように活躍したいか」というキャリアプランと、育児や介護などを踏まえた働き方へのニーズを新制度へ反映し、仕事と私生活のバランスを取りながら、全員が能力を最大限に発揮できる仕組みに見直しました。

人権の尊重

当社は2015年より国連グローバル・コンパクトに署名しており、国連グローバル・コンパクトが提唱する人権に関する原則「人権擁護の支持と尊重」「人権侵害への非加担」について、当社グループ従業員に対して研修を実施し、意識向上を図っています。また、ヘルプライン(内部通報制度)などの通報システムを活用し、人権侵害に関するチェックを行っています。

働きやすい職場環境

労働安全衛生

労働安全衛生規格(ISO45001)取得に向けた活動

労働災害ゼロを目標に、9事業所では労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)の認定を取得しており、未取得関係会社15社についてもシステムに準じた内容で活動しています。また、2018年1月に桑名製作所で国際基準のISO45001を取得しており、今後グローバル標準の労働安全管理体制を確立していきます。

安全点検活動

各事業所で発生した労働災害で一定の基準を設け、他事業所による外部監査を2018年3月期に2回実施しました。監査の甲斐もあり、休業災害件数が2016年5件から2017年は1件となり、休業災害度数率も0.41から0.08となりました。

労働安全コンサルタントによる法令研修

労働安全コンサルタントによる安全教育および法令研修を8回開催し、コンプライアンス遵守の徹底や安全の水準の向上を図っています。

危険体感教育の実施

3Dバーチャル危険体感機(以下VR機)による安全教育を各製作所で95回実施し、危険への感受性の向上を図っています。2018年3月期はVR機のコンテンツを追加し、活性化を図っています。
海外の各事業所でも労働安全衛生の取り組みを進めており、“SAFETY DOJO”という危険体感コーナーを設置しています。

NDAの労働安全衛生の取り組み

NTN DRIVESHAFT ANDEPSON,INC.の
SAFETY DOJO

3Dバーチャルの危険体験機

3Dバーチャル危険体感機

グローバルでの安全推進体制

労災事故は、リスク管理委員会でグローバルリスクと位置づけられ、労災事故の適切な予防、極小化をはかる必要があります。管理推進体制を定め、国内外の事業所の災害報告を共有し横広げ対策を図っています。
NTN PROUD AWARDでNTN DRIVESHAFT ANDERSON, INC.(NDA)の従業員が自ら手を挙げて職場の安全意識を高める取り組み紹介をするなど、グローバルでも労働安全衛生の重要性が浸透し始めています。今後も継続して、労働安全意識の向上を図っていきます。

NTN PROUD AWARDに参加したNDAの従業員

社員の健康

特定検診

労働安全衛生規則13条第1項第2号に挙げる業務(当社で該当する業務は、著しく暑熱な場所の業務、深夜の業務など)に従事する従業員に対して特定検診を100%実施しています。

特定保健指導

定期健康診断結果で一定以上の有所見がある40歳以上の従業員に対して、NTN健康保険組合と協業し特定保健指導を実施し、対象者の48%が指導を受けています。

メンタルヘルス

新入社員の導入研修、管理職への昇格時等にメンタルヘルス研修やストレスチェック結果による高ストレス者の産業医面談を実施するなど、メンタルヘルスへのさまざまな対応を行っています。
また、うつ状態を早期に発見し医療につなぎ、職場の環境改善を目的として、定期健康診断実施時にMINI問診(Mini-International Neuropsychiatric Interview)を実施しています。