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NTNの無くてはならない技術

  • 鉄道車両用軸受
  • 建設機械用軸受
  • 工作機械用軸受
  • 風力発電用軸受
  • 航空宇宙用軸受
  • IT・音響機器用軸受

鉄道車両用軸受

国内外の新幹線車両・鉄道車両の安全走行に貢献

新幹線車両「N700系」は、従来型より高速で乗り心地が良く、しかも従来の車両に比べて19%も少ない電力で走るハイテク車両。このN700系新幹線にも、NTNの軸受が使われています。

N700系用車軸軸受にはNTNが開発したフレッティング防止対策が採用されています。NTNの鉄道車両用軸受は国内外の鉄道車両に使用されその信頼性において高い評価を得ています。

主電動機用絶縁軸受「メガオーム」 新幹線N700系車軸用軸受 駆動装置用軸受

建設機械用軸受

厳しい建設現場で確かな信頼性を確保

土砂や鉄鉱石の掘削、採取、運搬など、厳しい環境で活躍する建設機械。日本だけでなく中国でも需要が高まっていますが、この建設機械の分野で、NTNの軸受が活躍しています。

例えば、従来に比べて大きな荷重に耐えながら、さらなる長寿命を実現した「高負荷容量プレス保持器付針状ころ」や、一層のコンパクト化を実現した「走行減速機用円すいころ軸受」を、パワーショベルの走行車輪部分に提供しています。これにより、機体の小型化・コストダウンと長寿命化という、相反するニーズに応えています。また、可変容量タイプ油圧ポンプに使用される「プレスタイプクレイドル軸受」は、周辺部品とのコラボレーションによって、コンパクト化と部品点数の低減を実現したNTNならではの製品です。さらに、アーム・ブームの関節部分に取り付けられる「角度センサーユニット」は、作業中の厳しい自然条件に耐えながら、しかも高精度での角度検出が可能。土中の埋設配管を守りながら効率的で正確な作業を支えています。このように、NTNの製品は、厳しい環境でも高い精度と信頼性を有し、建設現場での安全で効率的な作業の遂行に貢献しています。

プレスタイプクレイドル軸受 走行減速機用すいころ軸受 角度センサーユニット 高負荷容量プレス保持器付針状ころ

工作機械用軸受

モノづくりの現場の生産性向上に貢献

NTNは、モノづくりの現場で使われる工作機械向けに数多くの軸受を提供しています。たとえば、ドリルなどの工具を自動で装着して、金属などをプログラムどおりに加工するのが「マシニングセンタ」。NTNは、独自の空冷技術により、マシニングセンタ主軸の高速回転性能、高剛性をより高いレベルで両立することに成功。モノづくりの現場を最先端の技術で支えています。

工作機械の主軸は、加工内容や加工物によって要求される特性が異なりますが、近年は1 台で複数の加工機能を持つ5 軸加工機や、複合加工機の需要が増えており、主軸やそれに使用される精密軸受には、より高いレベルで高速回転性能と高剛性の両立が求められています。
軸受の剛性を上げるためには、軸受の予圧や負荷容量を大きくすることが有効ですが、その反面、回転時の発熱が大きくなり、主軸の高速運転の妨げや、熱膨張による加工精度悪化につながります。 これまで、圧縮空気を用いた回転中の発熱低減の効果は小さいと考えられてきましたが、解析や試験を重ね、圧縮空気で冷却効果を向上させることに成功。dmn値(※)200万を超える超高速主軸の高剛性化を実現しています。
※dmn値:転動体中心径mm×回転速度min-1

工作機械主軸用空冷間座付軸受

風力発電用軸受

地球温暖化の防止に貢献

風力発電は、地球温暖化の要因とされるCO2や大気汚染物質を排出しないことから、近年日本でも大きな注目を集める発電方式です。しかし、そのための施設は遠隔地に建設されることが多く、しかも発電装置は高所に設置されるため、メンテナンスが難しく、風力発電装置に使われる部品には高い信頼性と長寿命が求められます。また、近年では発電効率を高めるために発電装置の大型化が進み、より大きな負荷に耐える超大形軸受が求められています。

そこでNTNでは、大きな風荷重に対して長期の耐久性を有し、かつ摩擦による発熱を起こしにくい「主軸用自動調心ころ軸受」や、高い荷重負荷能力と回転性能を兼ね備えた「増速機用円筒ころ軸受」、軸受に損傷を与える電食が生じにくいよう、セラミックをコーティングした「発電機用絶縁軸受」など、優れた技術を生かした各種の風力発電装置用軸受を開発。風力発電を通じて地球温暖化の防止に貢献しています。

また、長年培った軸受診断技術を応用し世界最小クラス(当社調べ)のデータ収集装置を用いた「風力発電装置用状態監視システム(CMS)」を開発、生産しています。軸受や歯車等の異常の発見が遅れた場合、故障が装置全体へ拡大する可能性があり、メンテナンス費用や工数の増大、さらには長期の発電停止に繋がります。CMSにより各部位の異常を早期検出することで、損傷の拡大防止や交換部品の事前手配、計画的な補修が行えるため、メンテナンス費用の低減だけでなく稼働率の向上にも寄与します。

主軸用自動調心ころ軸受 増速機用円筒ころ軸受 減速機用アンギュラ玉軸受 発電機用絶縁軸受 データ収集装置

航空宇宙用軸受

宇宙開発や安全で快適な空の旅をサポート

航空宇宙分野でも、NTNのテクノロジーが活躍しています。たとえば、国産ロケットのエンジンに使われるターボポンプ用軸受も、NTNは提供しています。-253℃の極低温、毎分5万回転の超高速回転、さらに油やグリースの潤滑なしという極限の環境でも確実に作動する技術を確立。小惑星探査機をはじめとした、多くの人工衛星にもさまざまな商品を供給しており、日本の宇宙開発を支えています。

また、NTNの軸受は、ジャンボジェット機など多くの大型旅客機エンジンにも採用されています。500人を超える乗客を乗せ、約400トンという巨体を運ぶジャンボジェット機のエンジンは、最大約29トンの推力を発生させ、運転中の軸受は最高温度約200℃、回転速度は毎分1万回転にも達します。NTNはこうした過酷な条件に対応して、高温でも硬度低下や寸法変化を起こさない耐熱鋼や、遠心力による応力に耐える耐熱浸炭鋼を採用するとともに、製造工程で繰り返し検査を行い、高い品質と信頼性を保証。安全・快適な空の旅の実現にも、NTNは貢献しているのです。

航空宇宙用精密軸受

IT・音響機器用軸受

社会のIT化・モバイル化を牽引

膨大なデータを瞬時に読み書きできるハードディスクドライブ(HDD)。コンピュータだけでなく、家庭用DVDレコーダやカーナビ、監視カメラなど、さまざまな場所に搭載されています。 HDDの大容量化に伴ってディスクの単位面積あたりの記録密度も高まり、HDDに使用されるモーターには精密な回転性能が要求されます。
このモーターに、NTNが開発した流体動圧軸受が採用され、より精密な回転を可能にしています。
これまでHDDに使用されていたボールベアリング(玉軸受)は、外輪と内輪の間に挟まれた転動体(ボール)が軸の回転を支えるというものでした。一方、流体動圧軸受には転動体はなく、代わりにオイル(流体)が入っています。軸の回転に伴うオイルの流れによって圧力(動圧)が生じ、軸がわずかに浮き上がるので、回転が安定します。このため高い耐衝撃性を持ち、また軸の振れも最小限となるのです。軸の非繰り返し振れ精度はなんとわずか10ナノメータ(10万分の1ミリ)という精度! 金属同士が接触することもないため、静音性にも優れ、部品の長寿命化にも貢献します。2012年には、急速に普及するモバイル機器に搭載されるCPU冷却ファンモータ用に、薄型流体動圧軸受を開発、商品化し、用途を拡大しています。NTNのこうしたテクノロジーが、社会のより一層の高精度なIT化、モバイル化を支えています。

流動体圧軸受けユニット フランジ付き軸 ハウジング 軸受スリープ スラストプッシュ