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2014年

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「その場回転」が可能なEVモビリティ『Q'mo』のナンバープレートを取得2014年12月10日広報ニュース

世界初、インホイールモータを搭載した未来のEVモビリティを具現化

NTN株式会社(以下、NTN)は、公道走行と「その場回転」や「横方向移動」が可能な電気自動車(EV)モビリティ『Q'mo』*1のナンバープレートを世界で初めて取得しました。従来の自動車にはない動きをする新たな時代の超小型電動コミュータとして広く社会に公開し、インホイールモータシステムと新開発のステアリングシステムの用途展開に活用します。

NTNは、2011年に若手や女性の技術者が企画・制作したインホイールモータで駆動する小型二人乗り電動コミュータのコンセプトモデル車両「Q'mo I」を発表*2。独自の4輪独立操舵システムをジョイスティックで操作し、インホイールモータ駆動方式の最大の特長である「その場回転」や「横方向移動」ができる未来のクルマとしてその魅力をアピールしました。

2013年には、さらに実用性を高め、市街地走行を可能とした二人乗りコミュータ「Q'mo II」を公開*3。安全性と新しい動きを両立させる新たな駆動方式として、インホイールモータシステムと新開発のステアリングシステムで構成した『マルチドライビング・システム』を提案しました。

その後、「マルチドライビング・システム」を搭載した「Q'mo II」の車両登録作業を進めた結果、このたび、世界で初めての公道走行と「その場回転」や「横方向移動」が可能なEVモビリティ『Q'mo』として、軽自動車のナンバープレートを取得することができました。

今後NTNは、狭い道での方向転換や縦列駐車が簡単にできる新たな時代のEVモビリティ『Q'mo』の市場開拓を行うと同時に、その駆動システムである「マルチドライビング・システム」を完成車メーカーや小型EV・パーソナルモビリティの開発に取り組む企業との連携を進めてまいります

全国各地で試乗会を開催することで、子育て世代や高齢者のお買物、福祉用途を含めた街中での近距離移動や、観光地や空港、工場や病院などの敷地内での小回りの利く移動など、『Q'mo』の活用用途を開拓します。またNTNが開発し提供する「マルチドライビング・システム」に対しては、試乗会を通じてEVモビリティの新しい使い方の募集を行い、環境に優しいEVシステム商品として、自動運転や自動駐車など新しい技術との融合を図り、さらなる機能向上を図ります。


*1) 『Q'mo』(キューモ):「Q」+「mo(bility)」、「Q」は「Quattro」…数字の「4」→4輪独立操舵、「Quest」…「探索」・「探求」
*2) 2011年11月21日発表、次世代EV用「インホイールモータ搭載:4輪独立駆動操舵システム」を開発
https://www.ntn.co.jp/japan/news/new_products/news201100108.html
*3) 2013年11月20日発表、インホイールモータを搭載した次世代EV用「マルチドライビング・システム」
https://www.ntn.co.jp/japan/news/new_products/news201300101.html

特長

—— インホイールモータ駆動方式の特長を生かした未来のEVモビリティを具現化 ——

(1) その場回転 : 袋小路などでの180度方向転換
(2) 横方向移動 : 狭い縦列駐車スペースでも切り返さなくて駐車できる
(3) ホイール内にモータを収納 : 小さなボディでも広い室内
(4) 車輪ごとの駆動制御 : 滑りやすい路面などでも安定した走りと安全性を確保

お問い合わせ先

NTN株式会社
商品開発研究所

お問い合わせフォーム

車両写真

車両写真

披露・試乗会の様子(動画)

動画提供:静岡県

動作デモ(動画)

『Q'mo』による「その場回転」と「横方向移動」の実演


動画提供:朝日新聞社

マルチドライビング・システム

一般走行時の走行安定性と新しい動きを両立

マルチドライビング・システム

車両仕様

駆動 インホイールモータ 後輪2輪駆動
車両サイズ
全長×全幅×高さ
2395mm×1290mm×1600mm
車両重量 675kg
タイヤサイズ 155/55R14
最高速度 70km/h
最大出力/定格出力 16kW/8kW
一充電走行距離 50km
充電時間 (AC100V) 6時間

【参考】 NTNのインホイールモータ搭載EVコミューターの取り組み

2011年11月 静岡県
磐田市
インホイールモータ搭載二人乗り試験用EV
静岡県主催(共催:磐田市および電気自動車普及協議会)の「全国EVサミットinしずおか」においてインホイールモータ搭載二人乗り試験用EVで走行デモを実施
2011年12月 東京都
Q'mo I
「東京モーターショー2011」で小型二人乗り電動 コミュータのコンセプトモデル車両「Q'mo I」を発表
小型インホイールモータと小型転舵アクチュエータを一体化した駆動・転舵機構を4輪に搭載
2012年 4月 静岡県
インホイールモータ搭載の二人乗り小型EV
「新東名高速道路開通式」でインホイールモータ搭載の二人乗り小型EVで川勝静岡県知事が走り初め
2012年 6月 フランス
アヌシー市
(*)
インホイールモータ搭載二人乗り小型EV
「アヌシー国際アニメーション映画祭」のオープニングイベントでインホイールモータ搭載二人乗り小型EVをお披露目し、イベント期間中、各会場の移動に使用
2013年 6月 フランス
アヌシー市
(*)
インホイールモータ搭載超小型EV
フランスのアヌシー市公用車としてインホイールモータ搭載超小型EVの世界初の公道実証事業を開始(欧州電動マイクロカー公式規格L7eカテゴリーで登録)
2013年 8月 静岡県
インホイールモータ搭載超小型EV
富士山世界遺産登録に伴い静岡県が主催した「富士山EVフェスタ」において、日本で初めて軽自動車として登録したインホイールモータ搭載超小型EVをお披露目し、国内初の公道実証事業を開始
2013年10月 三重県
伊勢市
インホイールモータ搭載超小型モビリティ
「電気自動車等を活用した伊勢市低炭素社会創造協議会」において国土交通省の「超小型モビリティ認定制度」でインホイールモータ搭載超小型モビリティとして初めて認定され実証事業を開始
2013年11月 東京都
Q'mo II
「東京モーターショー2013」で市街地走行を可能とした二人乗りコミュータ「Q'mo II」を公開
インホイールモータに新開発ステアリングシステムを組み合わせた「マルチドライビング・システム」を搭載
2014年 9月 静岡県
磐田市
インホイールモータ搭載超小型モビリティ
磐田市公用車としてインホイールモータ搭載超小型モビリティの実証事業を開始
(*) フランス・アヌシー(Annecy)市は、フランス東部に位置する都市で、NTNグループのNTN-SNR社の本社所在地。アルプスの麓の歴史的な街であり、ヨーロッパで一番の透明度を誇るアヌシー湖を中心に環境に優しい街づくりを推進。

【参考】『Q'mo』の進化

『Q'mo I』 2011年11月発表

インホイールモータ駆動方式の最大の特長である、「その場回転」「横方向移動」ができる車両として、女性技術者などが自ら企画し製作。

  1. 4輪独立駆動・転舵
  2. ジョイスティックで操作
  3. 最高時速20km/h
Q'mo I
「東京モーターショー2011」で初公開
「東京モーターショー2011」で初公開

『Q'mo II』 2013年11月発表

Q'moの特長である「その場回転」「横方向移動」の機能を継承しながら実用性を高め市街地走行可能にするインホイールモータと新開発のステアリングシステムで構成する「マルチドライビング・システム」を開発

  1. マルチドライビング・システムによる4輪独立駆動・転舵
  2. 最高速度70km/h
Q'mo II
「東京モーターショー2013」その場回転デモの様子
「東京モーターショー2013」その場回転デモの様子

『Q'mo』 2014年12月発表

Q'mo IIをベースにナンバープレート取得作業を進め、世界初の公道走行可能な「その場回転」、「横方向移動」可能な電気自動車として車両登録

  1. マルチドライビング・システムによる4輪独立転舵
  2. 後輪2輪のみ駆動で同機能を実現
  3. 最高時速70km/h
Q'mo

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