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2024年

新商品
アルミ複合型樹脂すべりねじの販売を開始
2024年2月13日新商品ニュース

  • アルミ合金と独自の樹脂材料の一体成形により優れた耐荷重性と耐久性、放熱性を発揮
  • さまざまなサイズに対応でき、高速移動や高荷重領域にも対応!

NTN株式会社(以下、NTN)は、アルミ合金と独自のPPS*1樹脂複合材料を一体成形したアルミ複合型樹脂すべりねじを開発し、販売を開始しました。樹脂すべりねじが持つ静粛性やグリースレスなどの特長に加えて、優れた耐荷重性と耐久性、放熱性を備えたアルミ複合型樹脂すべりねじを高速移動用途や高荷重領域に対応するシリーズ商品として、医療機器や半導体製造装置をはじめとする幅広い用途に向けて提案を進めてまいります。

  1. Poly Phenylene Sulfide(ポリフェニレンサルファイド)の略。射出成形が可能で、連続使用温度230℃の熱可塑性樹脂。耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性に優れる。
写真:アルミ複合型樹脂すべりねじ アルミ複合型樹脂すべりねじ
図:アルミ複合型樹脂すべりねじの構造 アルミ複合型樹脂すべりねじの構造

開発の背景

樹脂すべりねじはモータなどの回転運動を直線運動に変換する商品です。静粛性やグリースを用いることなく使用できることが特長で、医療分野や半導体製造分野、食品機械分野などの各種搬送装置に多数採用いただいています。

このたびNTNは、ナットに樹脂のみを用いた樹脂単体型すべりねじよりも耐荷重性や耐久性、放熱性に優れるアルミ複合型樹脂すべりねじを開発し、試作品の提供および改良を経て販売を開始しました。

本商品はアルミ合金製の基材とPPS樹脂複合材料を一体成形した複合ナットを用いており、アルミ合金に特殊表面処理を施すことで樹脂との高い密着性を実現しています。樹脂単体型と同様の各種サイズに対応する商品としてシリーズ化しましたので、置き換えはもちろん高速移動や高荷重領域など幅広い環境下でお使いいただけます。

アルミ複合型樹脂すべりねじの特長

1. 耐荷重性・耐久性 アルミ合金製の基材とNTN独自のPPS樹脂複合材料の一体成形により、許容アキシアル荷重を樹脂単体型と比べて80%向上*2させました。アルミ合金製の基材の使用により、しゅう動部の温度上昇を抑制し、樹脂単体型すべりねじと比べて摩耗量が70%減少*2、長寿命化も実現しています。
2. 放熱性 アルミ合金製の基材の使用により、樹脂単体型すべりねじと比べて放熱性が40%向上*2。しゅう動発熱による周辺部品や機械への影響を抑えることが可能です。
3. グリースレス・静粛性 樹脂単体型すべりねじと同様にグリースが不要なため、メンテナンス回数の削減に寄与します。PPS樹脂複合材料は樹脂単体型と同様に摩擦係数が低く、高い静粛性を有しています。
  1. 軸径12mm、リード(ナットが1回転した場合に直進方向へ移動する距離)2mm仕様の場合。商品仕様や使用条件により異なります。

NTNは医療機器や半導体製造装置、食品機械などの各種搬送装置向けに本商品の提案を進め、高速移動などの高機能化に貢献してまいります。今後も対応可能なねじ仕様を開発し、ラインアップを拡充することで、自動化・省人化を背景としたロボット・搬送装置市場の需要の増加に対応するとともに、市場の進展に寄与してまいります。

用途

医療機器、半導体製造装置、食品機械など各種搬送装置

従来品との構造比較

図:樹脂単体型すべりねじ(ナット部に樹脂材料のみを使用) 樹脂単体型すべりねじ
(ナット部に樹脂材料のみを使用)
図:アルミ複合型樹脂すべりねじ(アルミ合金基材と樹脂材料を一体成形した複合ナットを使用) アルミ複合型樹脂すべりねじ
(アルミ合金基材と樹脂材料を一体成形した複合ナットを使用)

樹脂単体型すべりねじとの性能比較(代表例:軸径12mm、リード2mm仕様)

図:樹脂単体型すべりねじとの性能比較(許容アキシアル荷重)
図:樹脂単体型すべりねじとの性能比較(摩耗量と軸温度)

NTNのアルミ複合型樹脂すべりねじのねじ仕様

図:NTNのアルミ複合型樹脂すべりねじのねじ仕様

お問い合わせ先

複合材料商品事業部 営業技術部 TEL:052-222-3332

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