高速・高精度位置決め用「パラレルリンク型高速角度制御装置」が進化
(新名称:i-WRIST®*3)2014年10月30日
メンテナンス性も向上し、更に使いやすく
NTN株式会社(以下、NTN)は、小型で広い可動角度範囲を持つ、高速・高精度な角度位置決め装置として「パラレルリンク型高速角度制御装置」*1を製造・販売していますが、このたび構造を改良することで、さらなる高速化・高精度化を実現するとともに、メンテナンス性も向上させた商品を開発しました。
NTNが開発した「パラレルリンク型高速角度制御装置」は、特殊なパラレルリンク機構*2を採用。小型で広い可動角度範囲(2自由度)を実現すると共に、高速・高精度な位置決め動作が可能です。従来品は、可動部に搭載する部品(エンドエフェクタ)をパラレルリンク機構の先端に搭載する構造でしたが、改良品では、エンドエフェクタを機構の内部空間に収納する構造にしました。その結果、エンドエフェクタに作用する慣性モーメントが軽減され、従来品に対して位置決め速度・精度が約10%向上し、さらなる位置決めの高速化・高精度化を達成しました。また、装置全体の高さ方向寸法を約10%短縮し、装置全長のコンパクト化も実現しました。さらに、駆動機構がシンプルになり、機構の内部空間にエンドエフェクタへ接続するケーブルの配線を可能にしたため、メンテナンス性と配線の取り扱い性も改善しました。
加えて、専用ティーチングコンソールによるティーチング、動作設定、段取り替えなどの作業効率についても従来品の現場での使用実績を通じ改良を進めました。
本開発品は、10月30日~11月4日に東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2014 第27回日本国際工作機械見本市」に出展し、今後、狭い空間で広い可動角度範囲と高速・高精度な位置決めが必要とされる、自動生産設備の生産性向上に貢献する装置として改良品を提案してまいります。
*1) | 2012年プレスリリース: |
https://www.ntn.co.jp/japan/news/new_products/news201200003.html | |
*2) | 可動側と静止側のリンクハブ間を3組の相似リンク系で結合した構造。各リンク系は、可動側と静止側のリンクハブ外周にそれぞれ回転可能に取り付けられたL字型のアーム部材と、それらの端の回転軸を一点で交差させるよう回転自在に連結する中央リンク部材で構成される。 |
*3) | 本商品は2018年6月から「i-WRIST®」に名称を変更しております。 |
特長
狙った位置に様々な角度から素早く位置決めできる角度制御装置が進化
(1) | さらに生産性が向上 | |
・ | タクトタイムの短縮 | |
慣性モーメントを軽減し、従来品に対し、位置決め速度・精度を約10%向上(1秒間に12点の位置決めが可能) | ||
・ | ダウンタイムの短縮 | |
専用ティーチングコンソールにより、ティーチング、動作設定、段取り替えなどの作業効率が向上 | ||
(2) | さらにコンパクトに | |
・ | 従来品と同様の可動範囲ながら、装置全体の高さ方向寸法を約10%短縮 |
用途
グリースや接着剤の塗布装置、塗装装置、溶接機など
お問い合わせ先
商品開発研究所
商品写真
適用例
グリース塗布装置
動作デモ(動画)
高速自動グリース塗布の動作デモ(拡大)
ワークを搭載するXYステージとの協調動作
高速自動グリース塗布の動作デモ(全体)
ワークを搭載するXYステージとの協調動作