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2012年

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新商品
「風力発電装置用状態監視システム」を開発
(登録商標:「Wind Doctor®」)
2012年6月19日新商品ニュース

世界最小クラス※1のデータ収集装置で遠隔地から常時監視でき、メンテナンス費用も削減

写真:風力発電装置用状態監視システム

NTN株式会社(以下、NTN)は、長年培った軸受診断技術を応用し、世界最小クラスのデータ収集装置を用いた「風力発電装置用状態監視システム(以下、CMS※2)」を開発しました。

風力発電機のナセル※3内は、一般に主軸、増速機、発電機で構成され、多くの軸受や歯車など機械要素部品が組み込まれています。このため、軸受や歯車等の異常について発見が遅れた場合、故障が全体へ拡大する可能性があり、メンテナンス費用や工数の増大、長期の発電停止に繋がります。特に、近年建設が進む洋上風車は、陸上風車に比べ大型化し、風力発電機へのアクセスも困難であるため、さらに発見が遅れるリスクは高まっています。

NTNが開発した「CMS」は、データ収集装置と測定用センサ、データ管理・監視・分析ソフトウェアで構成されています。データ収集装置は、世界最小クラスを実現し、ナセル内への設置が容易で既存の風車にも適用が可能です。また、高度な防塵防水性能を有しているため、洋上をはじめとする、あらゆる環境にも対応できます。さらに、高精度な測定データを自動診断するほか、状態監視用各種ソフトウェアによって、遠隔地からリアルタイムに軸受や歯車等の状態を監視することが可能です。これにより、早期に各部位の異常を検出し、ナセル内の損傷拡大を防止するとともに、交換部品の事前手配や計画的な補修が行え、メンテナンス費用低減だけでなく風力発電機の稼働率低下を抑制できます。なお、NTNが開発した「CMS」は、風力発電機の認証制度であるGL※4認証を国内で初めて取得しました。

NTNは、既に複数拠点で実証評価を行っており、今後も本システムを用いたモニタリングサービスをグローバルに展開し、風力発電機の稼働率向上に貢献します。さらに、本技術を他の新エネルギー分野へも拡大してまいります。

※1 当社調べ。

※2 Condition Monitoring Systemの略称。

※3 風車のタワー上部にあり、主軸、増速機、発電機等を収めた部屋全体を指します。

※4 Germanischer Lloyd:ドイツのロイド船級協会、GL認証は世界で最も信頼される認証とされています。

特長

  1. 世界最小クラスのデータ収集装置(250×290×108mm)
    → 小型・省スペースのため、既存ナセルへの設置が容易
  2. 洋上をはじめ広範囲な地域に対応(使用温度範囲:-20~60°C)
    → 高い防塵防水性能
  3. 信頼性の高い診断情報
    → 高精度な測定で自動診断機能のほか、リアルタイムな監視・データ分析が可能

お問い合わせ先

産業機械事業本部 新エネルギー技術部

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商品写真

商品写真:データ収集装置

データ収集装置
製品寸法 幅250×奥行き290×高さ108mm
製品質量 5.0kg

風力発電装置用状態監視システム(CMS)の構成

図:風力発電装置用状態監視システム(CMS)の構成

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