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2012年

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新商品
トランスミッション用「自己形成シール付低トルク玉軸受」を開発
2012年5月7日新商品ニュース

微小なすきまを自己形成する非接触シールにより、回転トルクを80%低減

写真:トランスミッション用「自己形成シール付低トルク玉軸受」

NTN株式会社(以下、NTN)は、自動車の低燃費化やCO2排出量削減に貢献するため、回転トルクを最大80%低減※1した、トランスミッション用「自己形成シール付低トルク玉軸受」を開発しました。

自動車のトランスミッション用軸受には、異物の侵入による軸受寿命の低下を防ぐため、接触シール付の密封形玉軸受が採用される場合があります。しかし、シールを付けない開放形玉軸受に比べて回転トルクが大きく、通油性も劣るという課題がありました。

今回開発した「自己形成シール付低トルク玉軸受」は、内輪とシールの間に微小なすきまを自己形成する新開発のシールを採用しました。内輪と接触しているシール先端部が、運転初期に摩耗することで微小なすきまを形成するため、機械加工や射出成形では製造できない非接触タイプのシールです。また、微小なすきまを運転初期に安定して形成するよう、シールのゴム材料組成を改良するとともに、シール先端部と内輪の接触状態を従来のアキシアル接触構造※2からラジアル接触構造※3へ変更しました。これらの開発により、軸受寿命低下の原因となる異物の軸受内侵入を防止しながら、従来の接触タイプと比べて最大80%の回転トルク低減を実現し、5倍の通油性による十分な軸受潤滑も確保しました。

NTNは、本開発商品を5月23日~25日にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2012」に出展し、自動車の低燃費化とCO2排出量削減に貢献できる商品として、グローバルに市場展開してまいります。

※1 従来品「軽接触シール付玉軸受」との比較による。

※2 シール先端のしゅう動部が、軸受内輪の軸方向と接触する構造。

※3 シール先端のしゅう動部が、軸受内輪の径方向と接触する構造。

特長 自己形成シールによる効果:従来品比

(1) 回転トルク

最大80%低減

(2) 寿命

異物混入潤滑条件下で同等以上の寿命(軽接触シールと同等の異物侵入防止性能)

(3) 潤滑性

5倍の通油性(耐焼き付き性向上)

お問い合わせ先

自動車事業本部 事業企画部

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商品写真

商品写真:「自己形成シール付低トルク玉軸受」

「自己形成シール付低トルク玉軸受」

適用部位

写真:トランスミッション(CVT)と開発品の適用部位(例)

トランスミッション(CVT)と開発品の適用部位(例)

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